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日本銀行が日本国内銀行の2010年1年間の不動産業への新規融資額を発表した。(直近の数値は後日変更される場合があります)
四半期 不動産業新規貸出額 対前年同期比
2010年1〜3月 25,029 7.8
2010年4〜6月 14,856 6.6
2010年7〜9月 20,247 12.5
2010年10〜12月 16,436 13.9
計 76,568
(注)数値が以前発表の時と、少し違っている場合があります。
昨年(2010年)の夏以降に不動産業への融資額が急増している。日銀の金融緩和の政策が現れだしてきている。
上記で記したごとく日銀発表によれば、2010年の国内銀行が不動産業に新規融資した金額は76,568億円である。
過去の融資金額は、下記の通りである。
2006年(平成18年) 91,591億円
2007年(平成19年) 100,859億円
2008年(平成20年) 84,072億円
2009年(平成21年) 69,587億円
2010年(平成22年) 76,568億円
平成19年に10兆円の融資高を付けると、その後に急激に融資金額が減少する。
それと同じくして、土地価格の大暴落が生じた。
平成19年の10兆円の融資に象徴される不動産価格が暴騰した地価現象を、「不動産ファンドバブル」と呼ぶ。
その後の金融の引き締めによる地価暴落と共に、不動産会社、マンション業者の倒産が、平成20年、21年に大量発生した。
金融と不動産価格、不動産業の活況とは密接に関係していることが、ここでわかる。
平成22年は前年の21年より、融資額が増加した。
増加率にすると、
76,568億円
──────── = 1.100
69,587億円
10%の増加である。
不動産の価格の下落は止まりつつあると判断出来る。
しかし、銀行は大手不動産会社への融資には手綱をゆるめているが、中小の不動産会社への融資には甚だ厳しい政策を続けている。
不動産業への新規融資が10%増えたからと云って、土地価格が10%上昇するというものでは無い。
東北大震災により、不動産への投資意欲が著しく減退している。
とても不動産の価格が上がるという状況には無い。
鑑定コラム762)「新築建売住宅が分譲マンションの戸数を超えた」の記事の中で述べた「平成21年に分譲マンション業界に何があったのか」の理由の一つは、上記の国内銀行の不動産業への新規融資額の極端な減少、引き締め政策が影響しているといえるであろう。
「平成21年に分譲マンション業界に何があったのか」の理由について関係する、平成20年、21年のマンション業者の大量倒産については、日を改めて述べる。
鑑定コラム762)「新築建売住宅が分譲マンションの戸数を超えた」
鑑定コラム689) 「銀行の不動産業への新規融資がゆるみだした」
鑑定コラム871) 「新規融資割合21.7%、銀行よ! 不動産業以外に融資先を見つけよ」
鑑定コラム1172)「リートバブルに向かって 9.5兆円の貸出」
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