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912)東京の間取り別賃料

 東京の1LDK・2K・2DKの賃料は、鑑定コラム892)「東京の1LDK・2K・2DKのu賃料は2,189円」の分析で、23区の平均はu当り2,800円(平成24年4月現在)であった。

 この平均賃料水準に該当する区は、

    品川    u当り2,875円
    世田谷     u当り2,860円

の2つの区である。

 世田谷区が23区の平均賃料と考えられる。

 このことから世田谷区の賃料データより、分析する。

 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が発表している東京の賃料相場(平成24年4月現在)によれば、世田谷区の間取り別の月額賃料は、下記の通りである。

         ワンルーム        68,100円
         1K・1DK                 73,300円
         1LDK・2K・2DK          114,400円
         2LDK・3K・3DK          162,500円
         3LDK・4K・4DK          225,300円

 間取りの標準面積を、

         ワンルーム        18u
         1K・1DK                 21u
         1LDK・2K・2DK          40u
         2LDK・3K・3DK           52u
         3LDK・4K・4DK           70u

とする。

 間取りの標準面積の数値を使って、月額賃料を除すれば、各間取りのu当り単価が求められる。下記の通りである。( )内は1LDK・2K・2DKの賃料を100とした場合の賃料評点である。

         ワンルーム        3,783円(132)
         1K・1DK                 3,490円(122)
         1LDK・2K・2DK          2,860円(100)
         2LDK・3K・3DK           3,125円(109)
         3LDK・4K・4DK           3,219円(113)

 ワンルームの賃料単価が一番高い。
 面積18uから面積40uまで面積が増えると、賃料単価は逆に下がる。
 しかし、面積40uを底にして、面積が増えると賃料単価も高くなるという現象にある。 緩いV字型の現象にある。

 グラフに書いてみれば、より一層この緩いV字型の現象がわかる。
 面白い賃料単価現象である。

 なお、賃料評点を使えば、一つの間取り別賃料が分かれば、他の間取り別賃料が全て類推出来る。

 例えば、現在入居している1DKの賃貸マンションの賃料が、u当り3,000円(賃借して賃料を支払っているから、賃料単価は計算すればわかる)であったとすれば、その賃料評点を使用することによって、周辺の同じ程度の賃貸マンションの間取り別賃料は、全て推定出来る。築年、品等の要因は、別途修正すれば良い。

         ワンルーム        3,000円×(132/122)=3,246円
         1K・1DK                 3,000円×(122/122)=3,000円
         1LDK・2K・2DK          3,000円×(100/122)=2,459円
         2LDK・3K・3DK           3,000円×(109/122)=2,680円
         3LDK・4K・4DK           3,000円×(113/122)=2,779円


 間取り別の賃料単価と面積をまとめると、下記の通りである。

           間取り                 u賃料            面積

ワンルーム       3,783円 18u 1K・1DK 3,490円 21u    1LDK・2K・2DK   2,860円 40u 2LDK・3K・3DK 3,125円 52u 3LDK・4K・4DK 3,219円 70u

 u賃料をY、面積をXとする。

 面積21u〜40uの間にある賃料と面積の関係を求める。

 
    Y=a+bX

の関係があるとする。

        3,490=a+21b・・・・・・・・・・@式
        2,860=a+40b・・・・・・・・・・A式

の式がデータより成立する。

 上記式を解けば、

          b=−33.16
     a=4,186.36

である。

 これより下記の方程式が求められる。

     Y=4,186.36−33.16X・・・・・・・・・・・B式

 面積21u〜40uの賃貸室の場合、面積1u増えると、賃料は33.16円安くなると云うことになる。

 同様にして、面積40u〜52uの間の賃料と面積の関係を分析すると、

     Y=1,976.8+22.08X・・・・・・・・・・・・C式

の方程式が求められる。

 面積40u〜52uの賃貸室の場合、面積1u増えると、賃料は22.08円高くなると云うことである。

 それでは、面積35uと50uの賃貸マンションの賃料は、いかほどであろうか。

 面積35uの賃料は、面積35uは18uから40uの間にあるからB式で求まる。
 B式のXに35の数値を代入すれば、

     Y=4,186.36−33.16×35
            =3,026

u当り3,026円である。

 面積は35uであるから、

    3,026×35≒106,000円

月額106,000円と求められる。

 面積50uの賃料は、面積50uは40uから52uの間にあるからC式で求まる。
 C式のXに50の数値を代入すれば、

     Y=1,976.8+22.08×50
            =3,081

u当り3,081円である。

 面積は50uであるから、

    3,081×50≒154,000円

月額154,000円と求められる。

まとめると、

    面積35uの賃貸マンション    月額106,000円 
    面積50uの賃貸マンション    月額154,000円
 
である。


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