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平成24年(2012年)のホテル業界は、どういう状況の年であったろうか。
帝国ホテルが、平成25年3月期の第3四半期(平成24年4月〜平成24年12月)の決算短信を発表した。
日本のホテルの雄である帝国ホテルの売上高、決算短信を検討すれば、日本のホテル業界の今の状況をほぼ知ることが出来る。
帝国ホテルの平成24年4月〜平成24年12月の売上高等は、下記の通りである。
売上高 38,702百万円
営業利益 3,252百万円
平成24年1月1日〜3月31日までの売上高が分かれば、帝国ホテルの平成24年1年間の売上高が分かる。
平成24年1月1日〜3月31日までの3ヶ月の売上高は、
A 平成24年3月期の決算書
B 平成24年3月期の第3四半期の決算短信
があれば、
A−B
から求めることが出来る。
帝国ホテルの平成24年3月期(平成23年4月1日〜平成24年3月31日 A)の売上高等は、下記である。
売上高 48,676百万円
営業利益 2,324百万円
帝国ホテルの平成24年3月期の第3四半期(平成23年4月1日〜平成23年12月31日 B)の売上高等は、下記である。
売上高 35,615百万円
営業利益 1,912百万円
A−Bより、平成24年1月1日〜平成24年3月31日までの数値が求められる。
売上高 48,676百万円−35,615百万円=13,061百万円
営業利益 2,324百万円− 1,912百万円= 412百万円
帝国ホテルの平成24年1月〜12月の売上高、営業利益は、下記である。
売上高 13,061百万円+38,702百万円=51,763百万円
営業利益 412百万円+ 3,252百万円= 3,664百万円
帝国ホテルの平成24年の売上高は、
517億円
である。
同様にして、平成23年の売上高、営業利益を求めると、下記である。
23/1〜23/3 23/4〜23/12 23/1〜23/12
売上高 11,929百万円+35,615百万円=47,544百万円
営業利益 ▲372百万円+ 1,912百万円= 1,540百万円
帝国ホテルの平成23年の売上高は、475億円である。
まとめると、帝国ホテルの売上高は、
平成24年 517億円
平成23年 475億円
である。
平成23年1月〜3月の営業利益は、▲372百万円である。
これは、平成23年3月11日の東日本大震災の影響によるものである。
東日本大震災のホテル業界に与えた影響が如何に大きかったのか、数字がはっきりと示している。
平成24年のホテル業界の状況について、同ホテルの平成25年3月期の第3四半期決算短信は、次のごとく述べる。
「新しい観光スポットの開設や大型国際会議の開催などによる需要の高まり」があった。
しかし、「訪日外国人客数の本格的回復には至らず」、「既存ホテルのリニューアルなどによる販売競争の激化」の年であったと。
新しい観光スポットの開設とは、東京スカイツリーの開設を云うであろう。
大型国際会議の開催とは、IMF・世界銀行年次総会の東京開催を云うであろう。
既存ホテルのリニューアルとは、パレスホテルと東京駅ホテルのリニューアルオープンを云うのであろう。
平成24年11月後半の民主党政権の崩壊以降に出現した自民党の安倍政権登場による株価の上昇、為替の円安現象については、帝国ホテルの決算短信は言及していない。
ということは、安倍政権再登場による株価上昇、円安は、日本経済の実業への景気上昇には未だ及んでいないということか。
株価と為替の金額を記しておく。
民主党の野田首相が解散を国会で発言した平成24年11月14日と、自民党安倍政権の平成25年2月15日現在の株価と為替である。
平成24年11月14日 平成25年2月15日
東証日経平均株価 8,664.73円 11,173.83円
1ドル対円 79.89円 93.48円
1ユーロ対円 101.70円 124.87円
平成25年のホテル業界は、どういう年になるのであろうか。
鑑定コラム564)「2009年ホテル業界に何が起こっているのか」
鑑定コラム908)「平成24年ホテル業界は既存ホテルのリニューアルで競争が激化する」
鑑定コラム604)「SRC造ホテルは48年しか持たない」
鑑定コラム1079)「帝国ホテル営業利益44%アップ(平成25年3月期)」
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