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1049)不動産業への新規融資8.2兆円 要注意だ

 不動産業への銀行の新規融資額が増えて入る。

 日本銀行が発表している国内銀行の新規貸出額の中で、不動産業への融資額が、2012年(平成24年)1年間は、8.2兆円になった。

 前年より7.9%増加している。

 3ヶ月ごとの融資額は、下記のとおりである。(直近発表の数値であり、後日確定数値として変更する場合がある。)

     2012年1月〜3月     25,762億円
     2012年4月〜6月     16,566億円
     2012年7月〜9月     22,755億円
     2012年10月〜12月    17,701億円
             計                   82,784億円

 過去の融資額を見れば、

      2006年    9.1兆円
      2007年    10.0兆円 
            2008年    8.4兆円
            2009年    6.9兆円
            2010年    7.7兆円
            2011年    7.6兆円

である。

 2007年は、不動産ファンドバブルを引き起こした年である。
 新規融資額が10兆円越えると、不動産バブルが生じる。
 不動産バブルは長く続かない。
 必ず破裂崩壊する。

 そのバブル崩壊による日本経済の打撃と悲惨さは、今更云う必要は無かろう。
 企業はもちろんのこと、銀行すら倒産に晒されることになる。

 8.2兆円という融資額は、10兆円という金額に近づきつつある。
 危険信号である。

 全産業への新規融資額は37.6兆円である。
 そのうち不動産業への融資が8.2兆円である。

       8.2
           ──── ≒ 0.22                                        
       37.6
 
 一産業にしか過ぎない不動産業への融資割合が、22%を占める。
 異常である。

 銀行ょ。
 企業に融資することは良い。

 しかし不動産業へのこれ以上の融資は止めて欲しい。
 他の産業に融資を振り向けて欲しい。

 このまま不動産業への融資を増やすことは、いつか来た道を3たび進むことになる。

 それは止めて欲しい。
 監督官庁もしっかりせい。


  鑑定コラム291)
「バブル時に迫る銀行の不動産業への新規貸出額」

  鑑定コラム388)「日本は不動産業国家ではない」

  鑑定コラム507)「不動産業の業況の分水嶺は2007年7月だった」

  鑑定コラム1054)「商業地価は値上り始めた(2013年1月)」

  鑑定コラム956)「直近年間不動産業への新規貸出額8兆円」

  鑑定コラム1055)「東京住宅地価が底に近づきつつある(25年1月)」

  鑑定コラム1078)「不動産融資増加の記事コラム(2013年4月1日コラムアクセス集計)」

  鑑定コラム1082)「不動産業新規融資前年同期比16.1%アップ(2013年1〜3月)」

  鑑定コラム1083)「土地総研不動産流通業(住宅地)のDI値はプラスに(25年4月)」

  鑑定コラム1114)「25年6月直近年間不動産業新規融資額8.8兆円」

  鑑定コラム1141)「リートバブルだ」


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