○鑑定コラム
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ
帝国ホテルの平成25年3月期の決算が、平成25年5月10日に発表された。
売上高は、
平成24年3月期 486.76億円
平成25年3月期 516.33億円
である。
売上高は、
516.33億円
─────── = 1.06(+6%)
486.76億円
のアップである。
売上高は6%のアップであるが、営業利益はその比では無い。
下記のごとくの大幅なアップである。
平成24年3月期 23.24億円
平成25年3月期 33.40億円
33.40億円
─────── = 1.437
23.24億円
約44%のアップである。
帝国ホテルの決算短信は、平成24年の1年間のホテル業界の状況を次の様に総括する。
@ 日本人を中心とした宿泊が好調になった。
A 企業の宴会利用が好調になった。
とプラス面を指摘する。
一方、憂うべき要因として、
B 訪日外国人客数が本格的に回復しない。
C 近隣ホテルのリニューアルで販売競争が激化した。
と述べる。
訪日外国人の客数が本格的に回復しなかったということは、原子力災害の影響、尖閣諸島問題による中国人客の減少と竹島問題による韓国人客の減少を指すものと思われる。
このことは、政治とホテル業界とは無関係ではないということを教える。
去年(24年)の10月に、IMF・世界銀行年次総会が、48年ぶりに日本で開かれ、帝国ホテルが1つのメーン会場になったと、帝国ホテルの決算短信は述べる。
そしてその関係の人々の宿泊によって満室が続いたという。
結構なことである。
世界のバンカーと称される銀行家が来たのである。
銀行員ではない。銀行家である。
金に糸目を付けずに高額の宿泊費を落としてくれたであろう。
お金を持っている人からは、それなりの対応をして、十分なお金をもらうのが商売の一つのやり方でもある。
帝国ホテルでIMF・世界銀行年次総会が開かれているということなど知らずに、夜の10時頃、私は帝国ホテルの前を通り、地下鉄丸の内線の銀座駅に向かった。
帝国ホテルの南隣、鹿鳴館の跡地に26階程度のビルが建っている。
その地下に英国風パブレストランがあり、そこで毎月1回、15名前後の中堅の不動産鑑定士が集まり、賃料の評価の勉強会を開いている。
そこで、賃料の求め方の話を私は行っている。
人は田原会とも云い、田原塾とも云っている。
継続賃料評価の基礎訓練が殆どなされていなく、ド素人に近い人が鑑定書を書いているのでは無かろうかと思われる無茶苦茶な賃料鑑定書が、大手を振って罷り通っている現状に我慢出来ず、中堅どころの不動産鑑定士に適正な賃料の求め方を教えているのである。
その田原塾を終えて、自宅に帰るために、地下鉄丸の内線の銀座駅に向かった。
通行人の検問は無かったが、帝国ホテルの前には、警察の機動隊と思われる警護車がエンジンを掛けて止まっている。
いつもなら、客待ちを順番に待っているタクシーが道路脇に、長い列を作って止まっているが、その日は貸し切りの観光バスが数珠のごとく並んでいる。
観光バスは、新宿方面ヒルトンホテル行き、赤坂方面ホテルニューオータニ行き、溜池方面ホテルオークラ行きというごとくの看板を掲げて止まっている。
IMF・世界銀行年次総会参加者を、宿泊先のホテルに送迎する貸し切りバスである。
物々しい警察の警備姿勢、ホテル送迎の貸し切りバスの多くを見て、同総会が開かれているのだと分かったのである。
世界各国の金融界の指導者が、東京に一堂に会して会議を開いたのであるが、一体、そこで何が話合われ、決められたのか。
日本経済新聞の経済記者の書く記事は、内容に実のある事項を伝えていない。
新聞記者が、記者たる仕事をしていないのでは無いのかと思いたくなるごとくの内容のものばかりであった。
東京大会で、何が決められたのであろうか。
平成25年のホテル業界の見通しとして、帝国ホテルの決算短信は、次の要因を挙げる。
@ 法人需要の増加
A 個人消費の回復による利用増
B 円安による訪日外国人客数の回復
C 原油・原材料の価格上昇
を挙げる。
Cを乗り越えれば、帝国ホテルの利益増は、期待出来るということである。
鑑定コラム1050)「帝国ホテルの24年1月〜12月の売上高は517億円」
鑑定コラム936)「平成24年4〜6月の帝国ホテルの業績は著しい回復」
鑑定コラム778)「平成23年のホテル業界は震災により厳しい経営環境に」
鑑定コラム1067)「売上高の2.8倍のホテル価格」
鑑定コラム1204)「帝国ホテル営業利益率6.7%(平成26年3月期)」
鑑定コラム1360)「帝国ホテル営業利益率7.2%(平成27年3月期)」
▲
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ