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不動産仲介、不動産情報会社の三鬼商事が、都内の事務所賃料を毎月発表している。それによれば、渋谷区の既存事務所の新規賃料は下記である。
2014年1月 坪当り 17,059円
2月 〃 17,121円
3月 〃 17,054円
4月 〃 17,216円
5月 〃 17,244円
6月 〃 17,335円
7月 〃 17,463円
8月 〃 17,463円
9月 〃 17,582円
10月 〃 17,925円
11月 〃 18,123円
12月 〃 18,063円
18,063円
───── = 1.0588 ≒ 1.06
17,059円
2014年1月〜12月までの上昇率は+6%である。
2014年の年始と年末では、平均で坪当り1,000円値上りしている。
渋谷の事務所賃料が値上り始めた。
渋谷の事務所賃料が値上りし始めたから、渋谷の商業地の土地価格が値上りし始めたと錯覚しないで欲しい。
土地価格の上昇と事務所賃料の上昇の間には、時間差(タイムラグ)が存在している。時間差が1年なのか、2年なのか、或いは3年なのか、それは分からない。
銀座の店舗賃料のごとく、ほぼ地価と連動している地域もあるが、一般的には、賃料は、土地価格の変動から遅れて動き出す。
これを、賃料の遅行性と呼んでいる。それは賃料が持つ硬直性、粘着性という性質によるものである。
それ故、地価が下落しているのに、賃料が値上りし始めたという現象は、ごく自然に起こりうる現象である。
鑑定コラム972)「不動産ファンドバブルのビル賃料の遅行性は12ヶ月」
鑑定コラム1106)「丸の内のビル賃料は土地価格と4年のタイムラグ」
鑑定コラム1218)「丸の内のビル賃料は底を脱したか」
鑑定コラム279)「事務所賃料の底は2006年1月か」
鑑定コラム1464)「渋谷区の事務所賃料が大巾に値上りしている」
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