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1474)平成28年熊本地震と東証株価

 2016年4月14日午後9時26分頃の「平成28年熊本地震」(以後「熊本地震」と呼ぶ)の前震と、4月16日午前1時25分頃の同地震の本震が、日本経済に及ぼす影響を、東証株価で見てみる。

 前震のあった翌日の東証株価は、「熊本地震の影響は限定」と、2016年4月15日15:34発の日本経済新聞ウエブ版は伝える。

 2016年4月15日(金)の東証一部日経平均株価終値は、16,843円03銭で終わった。前日比63円02銭安である。

 4月16日土曜日にマグニチュード7.3の本震が発生した。

 家屋の損壊、山崩れ、道路の損壊等、前震と比較して大きく拡大した。本震で亡くなった人は、33人(2016 年4月18日現在)である。

 寸断された道路、閉鎖された九州高速道路、脱線して動かぬ九州新幹線、阿蘇くまもと空港の閉鎖等がテレビで放映される。

 熊本地震による企業の生産活動への影響が出始めてきた。

 部品の生産工場への搬入が出来ないのである。

 熊本地震によって部品が届かず、製品生産出来ないと云って、トヨタ自動車が、日本全国の工場を停止すると発表した。

 ソニーも、熊本県菊陽町の半導体工場を停止すると発表した。

 ダイハツ工業も、大分県中津工場と、福岡県久留米工場、京都府大山崎町の京都工場の生産停止を発表した。

 これら生産工場の停止発表が、2018年4月18日(月)の東証株価に影響を与え、終値は、16,275円95銭と先週末比572円08銭の大巾下落となった。

 下落の原因は、熊本地震の他に、原油価格安、円高進行の要因を挙げているが、原油価格安、円高進行の要因は株価変動のたびに毎度上げられる要因である。

 今回の大きな株価下落要因は、熊本地震の要因であり、熊本地震の経済活動の悪影響が見込まれ、無視出来ないと判断されたためである。

 下落率は、

                   ▲572.08
               ──────  = ▲0.034                            
                  16,843.03

▲3.4%である。

 熊本地震の日本経済への影響は、▲3.4%と分析される。

 トヨタ自動車の株価で見ると、熊本地震の悪影響がはっきりとわかる。東証での終値である。

     2016年4月13日(水)   5,623円
     2016年4月14日(木)   5,806円
     2016年4月15日(金)   5,740円
     2016年4月18日(月)   5,467円

 4月14日の株価は、前日比で値上がりしている。前震は4月14日の午後9時26分頃であり、株式取引は終了しており、熊本地震の要因は株価には織り込む余地は無い。

 4月15日には、前震の状況が分かり、その要因は株価に織り込まれている。
 しかし、その織り込まれ方は僅かである。

 織り込まれ方が僅かであると云うことは、投資家及びトヨタ自動車は、当初地震の影響は軽微と判断していたという証拠となる。

 軽微である数値の証拠は、
                 5,740
               ──── = 0.989 (▲1.1%)                        
                 5,806

▲1.1%の下落である。

 日本経済新聞が、熊本地震の影響は僅かと伝えたが、上記数値を見てもその報道は首肯できる。

 それが、本震4月16日(土)を知った後の初めての株式取引である4月18日(月)は、

                 5,467
               ──── = 0.952 (▲4.8%)                        
                 5,740

▲4.8%の下落である。

 全工場の生産停止に追い込まれたことによる株価影響である。

 トヨタ自動車が、2016年4月17日にプレスリリースした「工場稼働に関するお知らせ」は、下記である。

 「4月14日以降に発生した、熊本県を震源とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 トヨタ自動車は、このたびの地震の影響による部品の供給状況等から、4月18日(月)〜4月23日(土)の間、国内における完成車組み立てラインの稼働を、段階的に停止することといたしましたので、お知らせいたします。
 稼働再開については、今後、部品の供給状況等を見ながら判断してまいります。

 被災地の一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。」

 生産停止するトヨタ自動車の工場は、下記である。

 4月19日(火)1直〜23日(土)
     高岡(第1、第2)
     堤(第1、第2)
     田原(第1)
     元町(LFA工房)

 4月20日(水)1直〜23日(土)
     元町(第1)
     田原(第3)

 この他にボデーメーカーであるトヨタ自動車九州(宮田第1、第2)、 トヨタ車体(いなべ第1、第2、富士松第1、吉原第1、第2)、トヨタ自動車東日本(東富士)、豊田自動織機(301、302)、トヨタ車体(富士松第2)、岐阜車体、日野自動車(羽村第1)、日野自動車(羽村第2)、ダイハツ工業(京都)、トヨタ自動車東日本(岩手第1、第2、宮城大衡)の各企業の工場が生産停止に入る。


 ソニーとダイハツの各プレスリリースは、下記である。

 ソニー 2016年4月18日 「平成28年(2016年)熊本地震の影響について」

 「熊本地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
4月14日以降に発生した熊本地震の影響につき、以下お知らせいたします。

 ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社熊本テクノロジーセンター(熊本県菊池郡)は、主にデジタルカメラや監視カメラ向けのイメージセンサー及びディスプレイデバイスなどを生産しておりますが、地震発生直後より現在まで、生産活動は停止しています。現在、建屋や生産装置の被害状況は確認中で、余震が続いていることもあり生産再開は未定です。」


 ダイハツ 2016年4月18日「 工場稼働に関するお知らせ」

 「4月14日以降に発生した、熊本県・大分県を震源とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 ダイハツ工業ならびにダイハツ九州は、このたびの地震の影響による部品の供給状況等から、4月18日(月)〜4月23日(土)の間、国内における各工場の生産ラインの稼働を、段階的に停止することといたしましたので、お知らせいたします。
 稼働再開については、今後、部品の供給状況等を見ながら判断してまいります。
 被災地の一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。

 <稼働停止となる期間とライン>

 [4月18日(月)〜22日(金)]
  ダイハツ九州 大分(中津)工場、同 久留米工場

 [4月20日(水)〜23日(土)]
  ダイハツ工業 京都工場 」


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