○鑑定コラム
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ
政府の地震調査委員会はおっかない事をいう。知ること考えることを忌避したいが、自然現象の生起可能性大の現象なら仕方ない。
岐阜県東部、長野県境を右傾斜(北西から南東方向)で走る阿寺(あてら)断層が、東北大震災を受けて、阿寺断層の北部の萩原断層の地震の発生の確率が高まったと平成23年(2011年)9月9日に地震調査委員会が発表したと、NHK 、産経新聞の各電子版は伝える。
阿寺断層の北部の部分の萩原断層と呼ばれる断層は、マグニチュード6.9の地震が起きる可能性があり、その起きる確率は今後30年間で11%という。
阿寺断層がどうしたと思われるかも知れないが、阿寺断層は我が故郷の町を、北西から南東方向に遮断して走っているのである。
我が故郷は、阿寺断層の南部の部分の上にあり、北部の部分の萩原断層では無いが、阿寺断層の上にある事には変わりなく、北部の断層で地震があれば、南部の断層部分も影響を大きく受ける事になる。
地震調査委員会が地震の起きる可能性の高い断層として、阿寺断層の他に4つの断層を要注意としている。
その4つの要注意断層とは、下記の断層である。
・宮城県と福島県に延びる「双葉断層」
・長野県の「牛伏寺断層」
・埼玉県と東京の多摩地域に延びる「立川断層帯」
・神奈川県の「三浦半島断層群」
立川断層は、私が現在住んでいる場所に近く、どうも私の居住は断層と因縁があるのかと思ってしまう。
では、阿寺断層とはどういう断層かということについて、概略述べる。
場所は、岐阜県の東部で、断層が走る町村を南から北に順番に記すと、旧長野県山口村から、旧岐阜県坂下町、川上村、付知町、加子母村、下呂町萩原に抜ける断層で、長さ約70kmの断層である。
南端部の所在の緯度経度は、
北緯 35°30′東経 137°36′
である。
この緯度経度を、ジオコーディングgeocoding(http://www.geocoding.jp/)にデータ入力すると、中央道自動車道路の恵那山トンネル下り車線の上に表示される。
中央道自動車道路の恵那山トンネルは、阿寺断層の上を走っているということか。どうも私には分からない。
断層は、具体的に視覚的にどの場所を走っているのかと言えば、岐阜県教育委員会が発表している簡略図面がある。それを観ればわかる。
下記のアドレスをクリックすると見る事ができる。
http://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/kou_chigaku/dansou/gifudansou5.gif
我が故郷の坂下町の何処を断層が走っているのかと言うことも、同じ岐阜県教育委員会が簡略図面でしめしている。
下記のアドレスをクリックすれば見る事ができる。
http://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/kou_chigaku/dansou/atera/ateramap.gif
国土地理院が2006年10月30日に「阿寺断層とその周辺「萩原」「下呂」「坂下」「白川」」の研究成果を発表した。
その中の7.図1「空中写真判読法」として、坂下町の阿寺断層を上から見た航空写真が、判読の例示として載せられている。
その写真、2つ並べてあるが、2つの写真の同じポイントを決めて、左右それぞれの目で、そのポイントをジーッと見つめ、両目の黒目を真ん中一点に集中してくると、写真が立体的にみえてくる。慣れれば数秒で写真を立体的に見る事が出来る様になる。
少し苦労するが、少し訓練すれば、立体視が出来る様になる。
挑戦してみて下さい。一度立体視のコツを会得すれば、何かと役にたつと思います。
下記のアドレスです。
http://www.gsi.go.jp/common/000035569.jpg(注)立体視写真は削除されています(追記参照)。
断層が鮮やかに見える。
ぶっ切られた丘陵が垂直に切り立っている様子が、浮かび上がって、即ち立体的に見る事が出来る。
名古屋駅よりJR中央西線に乗り松本方向に向かう。
岐阜県のはずれの駅である坂下駅を出ると、すぐにトンネルに入る。
そのトンネルの入り口の崖が、阿寺断層によって出来た崖である。
つまり阿寺断層そのものである。
中央線の各駅停車の列車に乗って松本方向に行かれる時は、窓から瞬間であるが見る事ができる。
地震調査委員会は、阿寺断層の南部部分について、平成16年12月8日付の発表「阿寺断層帯の長期評価について」で、影響等について、下記のごとく発表した。
「(南部)
今後 30 年以内の地震発生確率 ほぼ 0 %
今後 50 年以内の地震発生確率 ほぼ 0 %
今後 100 年以内の地震発生確率 ほぼ 0 %
今後 300 年以内の地震発生確率 0.02 %」
阿寺断層の南部の地震発生の確率は、ほぼ0%であることから、それほど我が故郷のことは現実として心配することはないか。 但し阿寺断層北部の地震発生の確率は高い。
名古屋大学大学院環境学研究科の4人の研究者が、平成23年3月11日の東北大震災のあった3日後の3月14日に、東北大震災の中部地区への影響を分析した論文を発表した。
随分と臨機応変の手早い対応である。
論文名は、「東北地方太平洋沖地震による中部地方における地震発生促進の可能性の検討(第1報)」で、研究者の4人の名前は田所敬一・伊藤武男・渡部 豪・小澤和浩氏である。
その研究分析結果は、次のごとく警告する。
「阿寺断層北部での地震については,絶対値が極端に大きいというわけではないものの,他の地震と比較して応力増加がやや大きく,周辺で活発になっている地震活動の推移を注意深く見守りたい。
阿寺断層北部では,30年以内の地震発生確率が6%〜11%であり,我が国の主な活断層の中でも確率の高いグループに属する。地震への備えは怠らないでいただきたい。」
と。
政府の地震調査委員会が23年9月9日に発表したことを、名古屋大学は6ヶ月前に既に発表していた。
**** (追記)アドレスは削除された。2016年4月17日追記
岐阜県旧坂下町付近の阿寺断層空中写真の判読は、国土地理院地図センターの
「空中写真による活断層の判読法 -判読基準カード集」- - 地図センターネットショッピング
http://net.jmc.or.jp/books_aerial_handokuho.html
「4 空中写真判読4.1 空中写真と地形図4.2 空中写真の判読例4.3 活断層の判読の実例
4.3-1 福島盆地西縁の活断層
4.3-2 北伊豆地域の丹那断層
4.3-3 岐阜県坂下町付近の阿寺断層」
によって下さい。
何故削除するのか私には分からないが。削除するのであれば、初めからネットに載せるなと私は云いたい。
****(追記) 阿寺断層の立体視の写真掲載図書が見つかった 平成28年4月22日 鑑定コラム1476を転載
阿寺断層の立体視の写真掲載が削除されてしまったと嘆いていたが、ネットで捜したところ、写真掲載を見つけた。
平成28年1月発行の国土交通省国土地理院応用地理部が著作している『都市圏活断層図 利用の手引き−地震被害の軽減に向けて−』に掲載されている。
アドレスは、下記である。
http://www.gsi.go.jp/common/000112914.pdf
(上記アドレスをクリックすると、「このコンテンツはフレーム内で表示できません」の文言が表示されますが、5行下の対処方法:「このコンテンツを新しいウィンドウで開く」の個所をクリックすると、目的の図書に繋がります。)
この図書の6頁を捜す。6頁の1-4活断層の調査方法の項に掲載されている図5の写真が、坂下の阿寺断層の空中写真である。
写真が2枚並べて掲載されている。
この2つの写真の同じポイントを決めて、左右それぞれの目で、そのポイントをジーッと見つめ、両目の黒目を真ん中一点に集中してくると、立体的の写真が浮き上がって見えてくる。立体視である。
立体視を会得し、阿寺断層の凄さを見て下さい。
鑑定コラム772)「美知子という名のおばあちゃんが営む坂下駅前の小さな喫茶店」
鑑定コラム1473)「宇土市庁舎が半壊 熊本地震」
鑑定コラム1475)「阿寺断層の記事の鑑定コラム810)のアクセスが急増している」
▲
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ