○鑑定コラム
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著書『賃料<地代・家賃>評価の実際』P33(プログレス 2005年12月10日発行)に、3階の効用を100として、新宿の商業地にある5つの事務所ビル(1階店舗)の階層別効用比の分析結果が記してある。下記である。
階 用途 A B C D E 平均
9 事務所 100 100
8 事務所 100 100
7 事務所 100 100
6 事務所 100 100 100
5 事務所 100 100 100 100 100
4 事務所 100 100 100 100 100 100
3 事務所 100 100 100 100 100 100
2 事務所 104 103 116 103 100 105
1 店舗 126 128 226 113 125 144
B1 店舗 109 106 108
2階事務所は、階段利用によってエレベータの待ち時間が省略出来ることもあって、賃料は上階よりも少し高い。地階は飲食店の用途があり、上階2階上の事務所の賃料より高い。人間の微妙な心理作用は、腹が減っている時に昇るよりか降りる方向に体を動かすようである。
上記効用比は、3階を100として求めているが、これを1階を100として変換する。
例えば、平均値の2階の効用比評点は、
105×100
────── =72.9 ≒ 73
144
である。
同様な求め方で、各階の平均効用比評点を求める。下記である。
9階 69
8階 69
7階 69
6階 69
5階 69
4階 69
3階 69
2階 73
1階 100
地下1階 75
鑑定コラム1483)で、市川・千葉の事務所ビルの階層別効用比を求めた。1階を100とした効用比である。
市川・千葉と新宿の事務所ビルの効用比を対比すると、下記である。1階店舗で、効用比100である。
新宿 市川・千葉
9階 69 67
8階 69 67
7階 69 67
6階 69 67
5階 69 67
4階 69 67
3階 69 67
2階 73 72
1階 100 100
地下1階 75 -
新宿と市川・千葉の事務所ビル(1階店舗)の階層別効用比を見較べると、効用比の差はほとんど無い。
新宿という東京を代表する商業地にある事務所ビルの階層別効用比と、市川・千葉のそれとはほとんど差が無い。
時間も違い、地域も違うにも係わらず、ほぼ同じである。不思議なことである。この現象の形成には、経済合理性というものが関与しているのであろうか。
価格形成を支配する経済合理性は、一般的には目には見えないが、こうした分析によって目に見えてくるのであろうか。
鑑定コラム1483)「市川・千葉の貸ビルの階層別効用比を求める」
鑑定コラム1689)「東京23区店舗併用住宅ビルの階層別効用比」
鑑定コラム1801)「10年前の2つの記事が今なおランク上位に入る(30年7月1日アクセス統計)」
鑑定コラム1804「上野4丁目御徒町駅徒歩2分程度の5階建店舗ビルの階層別効用割合」
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