○鑑定コラム
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国土交通省が、2003年(平成15年)1月〜12月の1年間の建築統計を、『建設統計月報』2004年3月号(財団法人建設物価調査会発行)に発表した。
日本の2003年の建築工事費の総額は26.4兆円である。
10年前の平成6年では41.3兆円であったから、この10年間の建築工事費総額の減少は、目をおおうばかりの状況である。
建築業はどしゃぶりの雨の中にあるといわざるを得ない。
公共事業を増やして景気を良くしようとしたケインズ政策をとって、国の予算を建設業にいくらつぎ込んでも、そんな政策でことが済む状態のものでなかったことが、上記建築工事費総額の著しい減少の現実を見れば分かろう。
それが顕徴にあらわれるのは、住宅金融公庫の融資を受けた持家の建築戸数に見ることが出来る。
住宅金融公庫の融資を受けた持家の建築戸数の割合は、平成6年は64.4%であったが、平成15年は10%を割って8.9%になってしまった。
住宅金融公庫の政策方針の転換の影響があるかもしれないが、この数値の甚だしい低落は、建築業の不況と全く無関係ではない。
新設住宅の床面積は、
持家 135.0u
貸家 48.8u
マンション 89.6u
である。
概略値として、持家135u、貸家50u、マンション90uとして、土地残余法適用の想定建物の規模決定に利用出来るのでは無かろうか。
想定建物の面積に対して、
「どうしてその面積を採用されましたか。」
の問いに対して、上記数値であれば、充分説明責任を果たすことが出来る数値である。
東京の木造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)、鉄筋コンクリート造(RC)の建設統計は、次のごとくである。
建築物の数 床面積u 工事費予定額万円
木造 41,193 4,454,579 78,474,219
SRC 549 2,320,220 48,274,187
RC 4,564 8,122,651 167,597,148
この建設統計の数値から一棟当りの面積とu当り工事費を求める。
工事費のu当り単価は、
工事費予定額÷床面積=工事費単価
の算式で求める。
その結果は、
一棟当り面積u u当り単価万円
木造 108 17.6
SRC造 4,226 20.8
RC造 1,779 20.6
である。
東京の建築工事費は上記のごとくである。
SRC造とRC造の単価の差が小さいが、SRC造の数値をそのまま採用することは危険である。RC造と比較して面積に大きな差が有り、この要因を考えて単価を考えなければSRC造建物の評価に失敗する。
この点に関しては、本『鑑定コラム』69
「2001年東京SRC造・RC造建築費」
で述べているから、そちらを見て頂きたい。
今年(2004年)1年間は、この建設データによるu当り工事費が、私の建物の鑑定評価の基礎の数字となる。
主建物に附属して建てられているコンクリートブロック造の危険物倉庫の建物をよく見かけるが、このコンクリートブロック造の倉庫の建設データ(全国)は次の通りである。
床面積 13,036u
工事費予定額 125,230万円
これより、u当り単価は、
125,230万円÷13,036u≒9.6万円
ということになる。
コンクリートブロック造の貯蔵庫等の建物の再調達原価の把握には、上記価格は参考になるのではなかろうかと思われる。
建築工事費については次の鑑定コラムがあります。
鑑定コラム 26)「2001年東京木造工事費」
鑑定コラム 69)「2001年東京SRC造・RC造建築費」
鑑定コラム 99)「2002年建築工事費」
鑑定コラム 212)「2004年東京のRC造の建築費は1平方メートル20.6万円」
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