国土交通省が平成13年(2001年)1月〜12月の1年間の建設統計を『建設統計月報』2002年3月号に発表した。
それによると、東京の木造の建設統計データは次の通りである。
建築物の数 37,489棟
床面積の合計 4,118,152平方米
工事費予定額 74,750,806万円
これより一棟の建築面積は109.84平方米であり、工事費は、
74,750,806万円÷4,118,152平方米 =18.15万円
である。
平成13年の木造の工事費は平方米当り18.15万円である。
平成12年の木造の工事費は、同誌の2001年3月号によれば平方米当り18.32万円であった。
1年間に木造工事費は1%下落した。
それ以前の工事費は、
平成11年 平方米当り 18.55万円
平成10年 平方米当り 18.64万円
平成 9年 平方米当り 18.87万円
であり、
平成 5年 平方米当り 19.03万円
がピークである。
それ以前の昭和55年までの工事費は、
『賃料<家賃>評価の実際』
p159に分析されている。
ちなみに、昭和55年の工事費は平方米当り11.06万円である。
この建設統計データより、木造建物の価格を簡便に求める方法は、例えばアパート建物の場合は、
・アパートである。 0.9
・品等やや劣る。 0.9
・設計監理費 1.03
18.15万円×0.9×0.9×1.03 = 15.1万円
というごとく求めるのである。
求め方が荒っぽすぎるという批判が出る可能性は充分予測される。
そのために、この方法で求められた価格の妥当性について、その価格が精積算で求められた価格に当たらず遠からず、ほぼ妥当の範囲の価格であることを立証せんがために、同書p154〜p211まで57頁という膨大な頁を費やして、延々と証明分析が述べられている。
この膨大な頁数の証明分析があることにより、建設統計データの平均値から求める建物価格の求め方もかなりの信頼性を得られるものではないかと、自分で一人勝手に納得している。
一方、昨年(2001年)の後半頃から、建設業の不況を著しく反映した結果によるのか、大変低価格の木造住宅が出現してきた。
一種の木造住宅価格破壊の動きである。
坪当たり20万円台の住宅の出現である。
どうしてそのように安く建設出来るのか。
どういう住宅であるのか。
設備はどうなっているのか。
それらの疑問は、数字や文字によるのでなく、やはり実物を見て、今迄の住宅とどこがどう違うのか比較検討して、その差をしっかりと把握しておく必要がある。
坪当たり20万円台の住宅の建築中のもの、出来上がった建物を是非見てみたい。
建築工事費については次の鑑定コラムがあります。
鑑定コラム 69)「2001年東京SRC造・RC造建築費」
鑑定コラム 99)「2002年建築工事費」
鑑定コラム 152)「2003年建築工事費」
鑑定コラム 212)「2004年東京のRC造の建築費は1平方メートル20.6万円」
鑑定コラム246)「木造建物工事費・2004年」
鑑定コラム568)「2008年木造建物工事費はu15.6万円」
鑑定コラム 806)「2010年の木造建物の工事費はu当り15.7万円」
鑑定コラム923)「2011年鉄筋コンクリート造建物工事費」
鑑定コラム919)「木造建物の工事費はu当り15.7万円(2011年)」
鑑定コラム1080)「2012年木造建物工事費」
鑑定コラム1179)「平成25年木造の建築工事費 東京u当り17.35万円」
鑑定コラム1310)「平成26年木造の建築工事費 全国平均はu16.3万円」
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