○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1541) 法人企業の売上高の推移

 財務省が発表している『法人企業統計調査』の法人企業の売上高が、2015年度は2014年度に比し減少した。そのことについては、鑑定コラム1539)「2015年度の法人企業の売上高は1431兆円」で述べた。

 そして平成28年度の第一四半期(平成28年4〜6月)も、前年同期で比較すると、

          2015年4〜6月     3,185,957億円
          2016年4〜6月     3,073,674億円

3,073,674億円 ───────── = 0.964 3,185,957億円

▲3.5%のダウンである。

 法人企業の売上高が、対前年同期比でダウンが生じたのは、2015年10〜12月以降である。

     2015年4〜6月   対前年同期比  +1.1%
     2015年7〜9月   対前年同期比  +0.1%
     2015年10〜12月  対前年同期比  ▲2.7%
          2016年1〜3月      対前年同期比    ▲3.3%
          2016年4〜6月      対前年同期比    ▲3.5%

 去年(2015年)の10月から売上高ダウン、即ち景気後退が始まっていた。

 GDPがコンマ1%あがった云々と騒いで、そちらの方に目を奪われてしまいがちであるが、企業の売上高減の事実の方が重要であろう。

 企業の売上高と土地価格とは相関関係がある。

 平成バブル前の昭和58年度(1983年度)から2015年度までの法人企業の売上高を、財務省の『法人企業統計調査』発表の数値を記す。財務省の数値は年度の数値である。


年度 売上高 億円
1984 9910182
1985 10590679
1986 10573421
1987 11167574
1988 12717253
1989 13078501
1990 14281807
1991 14747749
1992 14650594
1993 14391120
1994 14389845
1995 14846977
1996 14483830
1997 14674240
1998 13813377
1999 13834639
2000 14350278
2001 13382065
2002 13268020
2003 13346737
2004 14203559
2005 15081207
2006 15664328
2007 15801713
2008 15082072
2009 13680196
2010 13857426
2011 13810469
2012 13745105
2013 14091572
2014 14478425
2015 14318341
2016  



 上記売上高をグラフに図示したのが、下記である。



法人企業売上高推移


 平成バブルの始まる前の昭和59年度の法人企業の売上高は、991兆円である。それが、平成3年度に1474兆円と売上高のピークを付ける。それは不動産価格がバブった平成バブルの時期である。

 法人企業の売上高は、平成9年度まで高原状態が続き、その後平成14年度の1326兆円まで下落する。

 法人企業の売上高は、平成14年度から売上高増となり、平成19年度に1580兆円とピークを付ける。

 平成19年度は、不動産価格では不動産ファンドバブルの時である。

 法人企業の売上高は、平成19年度以降売上高減となり、平成21年度には1368兆円まで落ち込むが、再び売上高は盛り返し、平成26年度に1447兆円とピークを付ける。そして翌年度(平成27年度)に1431兆円と下落する。

 平成26年は、不動産価格では、リートバブルと呼ばれている地価高騰の時期である。現在もリートバブルにあると思われている。

 不動産価格バブルである平成バブル、不動産ファンドバブル、リートバブルの時期と、法人企業の売上高のピークとは妙に一致する。

 両者の間には相関関係があると判断できる。

 平成27年度に法人企業の売上高が下落に転じたことは、地価高騰のリートバブルも終了するということになるのではなかろうか。

 次の稿では、東京の商業地の最高地価の推移を見てみる。


  鑑定コラム1539)「2015年度の法人企業の売上高は1431兆円」

  鑑定コラム1542)「東京の最高地価と推移」

  鑑定コラム1543)「不動産業新規貸出額と推移」

  鑑定コラム1544)「リートバブルの終焉は近いか」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ