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1847)大和ハウス工業は4兆円企業になりそうだ

 2018年11月8日に、大和ハウス工業株式会社は、2019年3月期の第2四半期の決算(2018年4月〜9月)を発表した。

 それによると、決算前半の6ヶ月の売上高は、1兆9833億円である。

 前年同期の売上高は、1兆8097億円であったから、前年同期比9.6%のアップである。

 同決算は、定性情報として、大和ハウス工業の属する業界の景況として、次のごとく述べる。

 「当業界におきましては、住宅市場では新設住宅着工戸数で持家・貸家・マンションが共に減少し、全体で前年比マイナスとなりました。
 一般建設市場では、建築着工床面積で、病院・倉庫・店舗等がそれぞれ減少し、全体でも前年比マイナスとなりました。」

と云う。

 そうした業界の景況の中にあって、大和ハウス工業は、前年同期比9.6%と売上高を伸ばしている。

 その理由として、賃貸住宅、商業施設、事業施設の3事業を中心にして成長経営を考えていることによると述べている。

 前期2018年3月期の売上高は、3兆7959億円であった。その第2四半期の売上高は、1兆8097億円であった。

 第2四半期の売上高に対する通年売上高の割合は、

                 3兆7959億円
                ─────── =2.098                              
                 1兆8097億円

2.098倍である。

 この割合倍率を使って、2019年3月期の売上高を予想すると、

                 1兆9833億円×2.098=4兆1610億円

4兆1610億円となる。4兆円を越える売上高になる。

 大和ハウス工業の過去の売上高を、同社の有価証券報告書から転載すると、次のごとくである。

          平成26年3月期    2兆7003億円
          平成27年3月期    2兆8107億円
          平成28年3月期        3兆1929億円
          平成29年3月期    3兆5129億円
          平成30年3月期    3兆7989億円

 来期4兆円の売上高となると、3年で1兆円の売上高を増加させることになる。

 とてつもない営業力を持つ会社である。

 売上高4兆円の企業となると、日本の上場会社にあってそうそうあるものでは無い。

 日本経済新聞の調査発表によれば、2018年11月6日現在で、上場企業の売上高は、下記の通りである。

        1位  トヨタ    29兆3795億円
        2位  ホンダ    15兆3611億円
        3位  日本郵政   12兆9203億円
        4位  日産自動車  11兆9511億円
        5位  NTT          11兆7995億円
        6位  JXTG          10兆3010億円
        7位    日立製作所     9兆3686億円
        8位  ソフトバンク  9兆1587億円
        9位  ソニー         8兆5439億円
        10位  イオン        8兆3900億円
        11位  バナソニック  7兆9821億円
        12位  三菱商事    7兆5673億円
        13位  丸紅           7兆5403億円
        14位  豊田通商    6兆4910億円
        15位  セブン&アイ  6兆0378億円
        16位  東電HD         5兆8509億円
        17位  新日鉄住金   5兆6686億円
        18位   伊藤忠商事   5兆5100億円
        19位  デンソー    5兆1082億円
        20位  KDDI      5兆0419億円
        21位  三井物産    4兆8921億円
        22位  住友商事    4兆8273億円
        23位  NTTドコモ   4兆7694億円
        24位  三菱電機    4兆4311億円
        25位  三菱重工業   4兆1108億円
        26位  富士通     4兆0983億円
        27位  キャノン    4兆0800億円
        28位  東芝      3兆9475億円
        29位  アイシン       3兆9089億円

 4兆円企業は、上記のごとくであり、大和ハウス工業が4兆円企業になると、売上高は、東芝を抜き、三菱グループの中心企業の1つであり、日本の重工業業界の代表である三菱重工業に比肩する企業となる。

 大和ハウス工業が、何故ここまで売上高を伸ばす企業になったのか。

 それは、大和ハウス工業の会社の沿革を読めば分かる。

 1つの手法は、M&A、即ち企業買収である。

 建設会社で云えば、藤田組も小田急建設も大和ハウス工業の傘下になってしまった。

 投資法人で云えば、ビ・ライフ投資法人、ニューシティ・レジデンス投資法人を買収し、大和ハウスリート投資法人にして、上場企業に育てた。

 その他多くの子会社がある。

 11、12年位前になるであろうか。東京の企業から、地方のある土地の鑑定評価を頼まれた。

 その土地は、海を埋め立てて築造された大規模工業団地の中にあり、準工業地域で、面積5,000u程度の貸地であった。巾員25メートル程度の道路に面する土地であった。

 現地に行ったところ、その土地には大きな倉庫が建っていた。

 何台かのトラックが出入りしている。その倉庫全部を1つの会社が製造した商品の出荷置場として使っている様であった。

 看板が出ていて、土地賃借人の名前の会社と違う会社が倉庫建物全部を使用している。

 土地賃借人が建物を建てて使っているとばかり思っていたので、おかしいな場所を間違えたのかと思い、公図、土地登記簿を見直した。そして土地賃貸借契約書と建物登記簿を見直した。場所は間違っていなかった。

 土地の賃借人、建物所有者は、大和ハウス工業株式会社という会社であった。しかし建物を使用している企業は、大和ハウス工業株式会社では無い。

 とすると・・・・。

 大和ハウス工業株式会社が、私の鑑定の依頼者である土地所有会社から面積約5,000uの土地を定期借地権で借り、賃貸倉庫を建てて第3者に貸していたのである。

 大和ハウス工業は、物流事業も行っているのかと、その時初めて知ったのである。

 定期借地権制度を上手く利用して事業経営をやっているなと、現地を見ながら大和ハウス工業の商売上手、目の付け所が違うということを実感したことを想い出す。


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「大和ハウスが3兆円企業になりそうだ」

  鑑定コラム909)「木造住宅建物の寿命は34年と伸びる」


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