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1868)日銀ETF(J-REIT含む)の買入残高は24兆円

 2019年1月3日、第95回東京箱根間往復大学駅伝は、東海大学が、10時間52分09秒の大会新記録で初優勝した。青山学院大学の5連覇はならなかった。

 これで、私の正月三ヶ日は終わった。

 おせち料理を酒の魚にして日本酒を飲みながら、元旦は、前橋を起点として上州路を駆け巡る社会人駅伝大会、2日、3日は、大学生が走る箱根大学駅伝を、テレビで見て過ごす私の正月三ヶ日である。

 先の鑑定コラム1867)で、大納会の株価等について、「ザラ場の動きを見ると、大引けに掛けて2万円台という大台の価格確保を意識した買いが入っているのではなかろうかという、意図的な価格操作が感じられる。

 日本銀行のETF買いが入っているのでは無かろうかと、日銀のホームページで「指数連動型上場投資信託受益権(ETF)及び不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果」を見ると、2018年12月28日に715億円の日銀の買い入れが、やはり行われている。

 日銀のETF買い入れについては、稿を改めて論じたい。」

と記した。

 日銀が購入しているETFとは何か。

 ETFとは、Exchange Traded Fund の頭文字をとって作られた造語で、「上場投資信託」と訳されて使われている。

 上場投資信託とは何かと云えば、投資家からお金を集め、投資運用のプロが、投資家に変わって上場している株式等を投資先として資金運用して、運用利益を出し、出資した投資家に運用利益を配分する金融商品を云う。

 日本銀行がこのETFを2010年から行いだした。信託銀行に運用を委託していると聞くが、どこの信託銀行が委託先か私は知らない。

 ETFには、J-REITも含まれている。

 日銀が何故株式等の購入をするか、私には分からないが、株式購入の目的は、日本銀行の金融政策の理念が「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」であることから、その政策理念目的達成の一つとして、ETFを購入するというようである。

 株式の購入で、物価が果たして安定するのか。

 私には、「物価の安定を図る」を大義名分にして、別の目的があるのではなかろうかと勘ぐりたくなる。

 東証株式の株主構成、東証株価とニューヨーク株価の連動性、ドルと円の関係を見れば、グローバリズムの名を借りて、日本の富・利益が合法的に巧みに海外の投資家に吸い上げられているように思われる。その立証には、その道の分析専門家がいるであろうから、そちらにまかす。
 
 2018年12月1日〜30日までの日銀が購入したETFの金額と日時一覧は、日銀がホームページで発表している「指数連動型上場投資信託受益権(ETF)及び不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果」によれば、下記である。


年月 ETF 億円 うち設備投資等企業 億円 J-リート億円
2018年12月1日       0
2018年12月2日       0
2018年12月3日   12   12
2018年12月4日 703 12   715
2018年12月5日   12   12
2018年12月6日 703 12   715
2018年12月7日 703 12   715
2018年12月8日       0
2018年12月9日       0
2018年12月10日 703 12 12 727
2018年12月11日 703 12   715
2018年12月12日   12   12
2018年12月13日   12   12
2018年12月14日 703 12   715
2018年12月15日       0
2018年12月16日       0
2018年12月17日   12   12
2018年12月18日 703 12 12 727
2018年12月19日   12 12 24
2018年12月20日 703 12 12 727
2018年12月21日 703 12 12 727
2018年12月22日       0
2018年12月23日       0
2018年12月24日       0
2018年12月25日 703 12 12 727
2018年12月26日   12   12
2018年12月27日   12   12
2018年12月28日 703 12   715
:計 7733 228 72 8033



 2018年12月の日銀購入のETF買入額は、8033億円である。1ヶ月で8033億円の大金を株式購入に注ぎ込んでいる。1年では無い。1ヶ月である。で物価は安定しているのであろうか。

 日銀が2018年12月3日に発表した『日銀当座預金増減要因と金融調節(2018年11月実績)』によれば、ETF(J-REITを除く)の残高は、22兆8959億円である。

 J-REITの残高は、4970億円である。

 この金額に12月分を加算したのが、2018年末のETF残高となる。

         22兆8959億円+4970億円+8033億円=24兆1962億円

 24兆1962億円が、2018年末の日銀が保有するETFの買入残高である。

 但しこの金額が保有株式の時価とは必ずしもいえない。株価が下落していれば、時価は下落したその金額と云うことになる。


  鑑定コラム1867)
「2018年末の東証株価は20014円77銭」

  鑑定コラム1864)「日経平均株価が2万円を割った」

  鑑定コラム1705)「日本の株価はこうして上がっているのか」

  鑑定コラム1704)「外国人保有株式30%以上の企業」

  鑑定コラム1698)「日本の株価は日本経済を本当に反映しているのか」

  鑑定コラム1869)「2019年大発会株価▲452円の暴落」


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