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2002)不動産業貸出 対前年同期比4.0%増

 日本銀行が2019年11月18日に、2019年第3四半期(2019年7月〜9月)の銀行の貸出先別貸出額を発表した。

 第3四半期の国内銀行の不動産業への貸出額は、2兆9896億円である。

 1年前の2018年第3四半期(2018年7月〜9月)の貸出額は、2兆8758億円(発表時、以下同じ。2019年11月18日の発表値は2兆8792億円に変更されている。)であった。

 貸出額は、対前年より1,138億円の増である。

                  2兆9896億円−2兆8758億円=1,138億円

 率にすると、4.0%の増である。

                        29896
                     ─────= 1.0395 ≒ 1.04                    
                        28758

 2019年9月直近1年間の貸出額は、

        2018年12月  2兆3890億円
        2019年03月  3兆3410億円
        2019年06月  2兆1381億円
        2019年09月  2兆9896億円
         計     10兆8577億円

10兆8577億円である。何度も言うが、金額は何れも発表時の金額である(後日どうした訳か知らないが変更しているのがある。発表後数値の変更を何度も見せられると、日銀への信頼性が徐々に無くなってくる。)。

 前年同期比1,138億円増、4.0%の増加の貸出増は、何故かということになるが、私には具体的に何が原因であるのかわからない。

 不動産業への貸出増加を裏づけるものは外に無いかと思い、同期間の建築統計の総計を計算して見た。

 国土交通省が、2ヶ月程度遅れて各月の建築統計データを発表している。現在は9月まで発表されている。

 その2019年7月〜9月の数値を求めて見た。下記である。


    床面積 u 工事費予定額 万円 
       
第3四半期 2018年7月 11869484 251549477
  2018年8月 10906425 215464494
  2018年9月 11159915 222349086
  小計 33935824 689363057
       
       
    床面積 u 工事費予定額 万円 
       
  2019年7月 11974346 259303635
  2019年8月 11167446 256026907
  2019年9月 10315997 214528940
  小計 33457789 729859482
       
  差額 -478035 40496425
  変動率 0.986 1.059


 2019年第3四半期の建築着工統計調査の建築面積の総計は、3345万7789uであり、前年同期より、47万8035u減少している。

 一方建築工事費は、7兆2985億9482万円であり、前年同期より4049億6425万円増加している。この工事費の増加率は5.9%である。

 不動産業は、分譲マンション、建売住宅、事務所ビル賃貸経営を行っている。不動産業は、建物建設工事とは密接な関係がある。

 その不動産の建物建設工事費は、銀行からの借入によって行われる。

 貸出金融機関は国内銀行だけでなく、信託銀行、地銀、信金等がある。増加した建築工事費4049億円のうちの幾ばくかが、国内銀行の不動産業貸出額に回っているのでは無かろうかと推定出来るが、その金額だと断定出来なく、はっきりとは私にはわからない。


  鑑定コラム1923)
「不動産業への国内銀行年間貸出額11兆円を割る」

  鑑定コラム1812)「不動産業への貸出減は続く(2018年6月)」

  鑑定コラム2059)「国内銀行の2019年不動産業貸出額 11.07兆円」


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