東京オリンピックが1年延期になった場合、日本の不動産業界は多大な影響を受ける事になる。不動産不況が具体的に目に見えてくる。
それはオリンピック選手村の「晴海フラッグ」をかかえているからである。
東京オリンピックの選手の宿泊場所の選手村は、晴海の埋立地に再開発事業の一環として、45棟の高層、中層のマンション約5600戸の築造が計画され、そのうち21棟3850戸が選手の宿舎にあてがわれる。
選手の宿舎として使用後は、改修がなされ、分譲マンションとして分譲される。
この選手村のマンション建設が含まれる再開発事業は、「晴海フラッグ」と呼ばれるもので、大手不動産業者を含めて10社が参加して行われている。
選手宿舎の21棟のマンションは、2019年末に完成した。
東京オリンピックが1年延期となると、「晴海フラッグ」の事業もそれだけ遅れる。
オリンピック後の景気の落ち込みは、当初より予測されていた。
それに加えて、新型コロナウイルスの猛威の伝染が加わった。
新型コロナウイルスの日本経済は勿論、世界経済に与える影響は、日に日に大きくなっている。それはニューヨーク株式の大暴落によって数字で立証され、米国の国家非常事態宣言によって、事の重大さを世界に知らしめた。
「晴海フラッグ」を抱える不動産業界は、業界全体が不景気に突入する事になろう。不動産業と密接な関係のある不動産鑑定業も、今よりなお不景気になると云うことになろうか。
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