○鑑定コラム
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先の鑑定コラム2474)で、令和4年(2022年)7月1日〜令和4年(2022年)9月30日迄の3ヶ月間の鑑定コラムアクセス統計について述べた。
ネット業者とのアクセスログ記録保存の契約期間は3ヶ月であるため、それまでのアクセスログ記録は全て削除され、令和4年10月1日より新しくログ記録が始まる。
そうしたこともあり、10月1日から31日迄のログ記録は、10月1ヶ月のアクセス統計となる。
令和4年10月の1ヶ月の間に、どのコラム記事にアクセスがあったか調べて見た。
令和4年10月1ヶ月のアクセス1位〜20位は、下記である。
1位 鑑定コラム1110) 「新築パレスホテルの建築費はu42.9万円」
2位 鑑定コラム271) 「地先権」
3位 鑑定コラム1713)「不動産業売上高2位は飯田グループホールディングス 」
4位 鑑定コラム820)「火野正平自転車のこころ旅」
5位 鑑定コラム946)「ショッピングセンターのテナント賃料は坪当り16400円」
6位 鑑定コラム2462)「実務修習テキスト家賃評価例の実質賃料をXとする求め方は止めょ」
7位 鑑定コラム2467)「都心5区公示商業地の比準価格と収益価格の関係分析を終えて」
8位 鑑定コラム2463)「ロシア、ウクライナ侵攻7ヶ月目」
9位 鑑定コラム479)「ノーベル化学賞の下村脩の息子は映画化のモデルになった米の超有名なハッカー」
10位 鑑定コラム703)「建付減価は建物解体費相当が限度では無いのか」
11位 鑑定コラム2461)「港区商業地地価公示価格の鑑定書に見る比準価格と収益価格の関係」
12位 鑑定コラム2478)「少し考え直すべきでは無いか 世田谷区住宅地地価公示価格」
13位 鑑定コラム2465「新宿区商業地地価公示価格の鑑定書に見る比準価格と収益価格の関係」
14位 鑑定コラム1751)「住宅ローン金利の推移」
15位 鑑定コラム2459)「千代田区商業地地価公示価格の鑑定書に見る比準価格/収益価格の関係」
16位 鑑定コラム218)「330億円のホテルの売買」
17位 鑑定コラム2460)「中央区商業地地価公示価格の鑑定書に見る比準価格と収益価格の関係」
18位 鑑定コラム942) 「箱根の別荘地の売れ行きは悪いようだ(2012年夏)」
19位 鑑定コラム2464)「群馬県の住宅取得年収倍率5.2倍 群馬県不動産鑑定士協会発表」
20位 鑑定コラム2440)「借地権付建物の賃料を求める基礎価格についての考え方の推移」
令和4年7月〜9月の3ヶ月間のアクセスコラムと、10月1ヶ月のアクセスコラムと比較すると、アクセスコラムに随分と違いがある。
1位に「新築パレスホテルの建築費はu42.9万円」の記事がなるとは思いもよらなかった。何かパレスホテルの建築費について話題になることがあったのであろうか。突然1ヶ月とはいえ1位になったのであるから、何かあったのであろうが、その原因は私には分からない。
3位に「不動産業売上高2位は飯田グループホールディングス 」がなったが、飯田グルプに関する決算報告等の何か話題になることがあったのか。
コラム記事は、2017年12月5日にアップしたものである。約5年前のコラム記事が、何故突然3位になるほどアクセスがあったのか。
調べると、日本経済新聞が2022年9月14日に次のごとくのニュースを伝える。
「飯田グループホールディングス(GHD)は14日、連結子会社のアイディホームの宅地建物取引業法の免許と建設業許可について、監督官庁に自主返納を届け出たと発表した。同社元役員の違法行為などについて、宅建業免許と建設業許可の欠格事由に該当すると判断した。同社は土地の仕入れや物件の販売契約ができなくなる。飯田GHDは再発防止策を整え次第、再申請するとした。」
この子会社の不祥事によって、飯田GHDに関する私の鑑定コラムが読まれたのであろうか。私の鑑定コラムがそれ程の存在があるとは思われないことから、私には分からないが、何か別の要因でコラムアクセスが集中したのであろうと推定する。
なお、2022年10月14日付で、連結子会社のアイディホームは宅地建物取引業に係る東京都知事免許を改めて取得出来て、営業再開したと同社のホームページで発表している。
6位に「実務修習テキスト家賃評価例の実質賃料をXとする求め方は止めょ」が入った。この記事は、日本不動産鑑定士協会連合会に物申す内容である。
連合会が私の物申すのを受け入れるかどうか分からないが、同一時点の同一建物で、必要諸経費が3つも生じる様な賃料の求め方を適正であると認める方がどうかしている。
私の物申しに連合会の幹部連中は苦々しく感じているであろうが、苦々しく思っているだけでなく、早々に間違っているところを改定するべきである。
その様な求め方を実務修習テキストに採用・発表するという自らの考えの至らなさを反省するべきであろう。
8位に「ロシア、ウクライナ侵攻7ヶ月目」が入った。ロシアのウクライナ侵攻記事が上位に来るのは初めてである。
1ヶ月間のアクセス統計では、ウクライナ侵攻記事訪問者は多いと云うことか。
19位に「群馬県の住宅取得年収倍率5.2倍 群馬県不動産鑑定士協会発表」が入った。
19位に入ったと云うことは、その記事を読んだ人が多くいたということであり、群馬県不動産鑑定士協会の行っている活動を紹介して良かったと私は、ホッとしている。
7位、11位、12位、15位、17位は、東京23区の都心5区の地価公示価格商業地の公開鑑定書の比準価格/収益価格の関係について論じた記事である。
比準価格/収益価格の割合は、正規分布に従うと考え、統計学が許容する有意水準は5%である事から、出現率5%以下の地価公示価格があるかどうか分析したものである。
加えて10人中3人が求める割合は31.74%以下であるが、専門家である不動産鑑定士が10人中3人が求める価格なぞ求めてはいけない。
10人中7人が求める価格を求めるべきであろうと判断し、出現率31.74%以下の地価公示価格があるかどうか分析したものである。
有意水準5%を切る地価公示価格、31.74%を切る地価公示価格がぞろぞろ出てきたのには、私は驚いた。
上記分析を行ったのは、今迄に3価格は理論的には一致するが、資料等の不足で一致しないと云われるだけで、具体的に3つの価格の関係について全く研究されてこなかった。
しかし、一致しないからと云って、3つの価格がかけ離れて存在しても良いと云うことにはならない。理論上一致すると云う原則からすれば、価格開差の程度には、合理的な限界があるハズである。
その限界が、統計学が許容する有意水準の5%であると考え、正規分布を利用して比準価格/収益価格の割合より分析したのである。
比準価格/収益価格の割合分析をする動機になったものがある。その事については、鑑定コラム2485)で記しているから、その記述部分を転載する。
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「専門家であれば、本来求めるべきでない価格データであるものが、総件数の15.4%もあると云うことは、地価公示評価員の不動産鑑定士の方々の中には、収益価格を少し蔑ろにしている不動産鑑定士がおられるのでは無かろうかと思わざるを得ない。
収益価格を蔑ろにしてはいけないと何故云うのかと云えば、鑑定評価額を担保する役目があるという事の他に、現実の問題として、収益価格を求めるに際して使用する賃料、還元利回りが、鑑定書の公開によって利用される可能性があるためでもある。
特に賃料は、賃料増減額請求事件の訴訟に利用される可能性が高い。
それは、地価公示価格が、地価公示法で規程されている適正価格であるとして、適正土地価格の判断指標にされていることと同じ理由による。
裁判官は、不動産価格・賃料についての知識は殆ど無いに等しい。
鑑定書の土地評価額が、地価公示価格と同額であることは要求しないが、著しくかけ離れている場合には、かけ離れた鑑定書の土地価格評価に疑問を呈する。
同じことが賃料にも全く云える。
代理人弁護士が、地価公示価格の鑑定書に記載されている収益還元法に使われているu当り賃料が、地価公示価格の鑑定書が採用していることから、その賃料は、地域の適正な賃料水準であると判断主張して、そのu当り賃料との開差が大きいことを持って、当該賃料訴訟の適正賃料の証明として提出された賃料鑑定書を攻撃、批判してくる。
代理人弁護士が、地価公示価格の鑑定書の収益還元法採用の新規賃料を取り上げて弁論し始めれば、裁判官は地価公示価格鑑定書記載の新規賃料を無視することは出来なくなる。
裁判官は、賃料訴訟の賃料鑑定書の新規賃料が、地価公示価格の鑑定書の収益還元法採用の新規賃料と同額である事は要求しないが、著しくかけ離れた賃料鑑定書の新規賃料の場合には、疑問を呈することになる。
そうした無駄と思われる弁論の攻防を避ける為には、収益還元法の採用するu当り賃料は、その地域の適正賃料水準にある賃料であって欲しいと私は願うのである。
比準価格/収益価格の割合を私が分析し、見直し云々と主張しているのは、上記のごとくの賃料増減額訴訟に、地価公示価格の収益還元法の賃料が利用される可能性があるためである。
収益価格が比準価格よりも著しく低く求められることは、賃料が適正水準であっても還元利回りが高い場合にも生じる。その他に、建物配分利益が大きくて、土地配分利益(土地残余利益)が少ない場合にも収益価格が低く求められる。賃料の他にも、これらにも留意が必要であるが。
地価公示価格の鑑定書が公開されたことによって、それまでは発表土地価格の適正さのみ考えていればよかったのであるが、公示鑑定書の公開によって、新たな検討問題が出て来たのである。」
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各地価公示価格の比準価格/収益価格の分析結果が一覧表で表示されている。そして有意水準5%以下の割合、出現率31.74%以下の割合も分析表示されている事から、どの地価公示価格が該当するのか知ろうという気があれば分かる。
来年令和5年の地価公示価格では、統計学で否定される出現率5%以下、専門家としては恥ずかしい31.74%以下の地価公示価格など存在しないことを願う。
鑑定コラム2474)「鑑定コラム2419)が7位に入る 令和4年10月1日アクセス統計」
鑑定コラム2485)「収益価格を蔑ろにしているのでは無いのか 23区東西南北の4区公示住宅地の比準価格と収益価格の関係分析を終えて」
鑑定コラム2462)「実務修習テキスト家賃評価例の実質賃料をXとする求め方は止めょ」
鑑定コラム2459)「千代田区商業地地価公示価格の鑑定書に見る比準価格/収益価格の関係」
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