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2527) 岸田首相 正月休みに『カラマーゾフの兄弟』を読むのか

 2023年1月1日の日本経済新聞の朝刊に、次のごとくの記事が載っていた。

 「岸田文雄首相は31日、東京・八重洲の書店を訪れ、裕子夫人とおよそ1時間かけて書籍を15冊ほど選んだ。ロシアの作家ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」1〜5巻のほか」と伝える。

 そして購入の目的について「首相は1月3日までの年始の休暇中に読むとみられる。」と記す。

 「東京・八重洲の書店」とあるが、八重洲ブックセンターであろうと思われる。

 岸田首相が、正月休みの短い間にしろドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読む気になって、購入されたことは喜ばしいことである。

 私も、今から10年程前に、同書を再読した。再読したと云うが、最初に読んだのは校1年生の時であり、50年余後の再読である。

 このことについては、鑑定コラム958)「『カラマーゾフの兄弟』を読み始めた」に記してある。このコラムは、2012年10月1日に発表した記事である。

 どうして60歳をとうに過ぎて、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を再び読む気になったのか、頁数は半端なものでは無い超長編の小説を何故読もうとして、読み始めたのか。

 『カラマーゾフの兄弟』を読んだからといって、人生が変わるわけでもない。何故、『カラマーゾフの兄弟』を読もうと思ったのであろうか。自分でも読もうとした動機が分からない。

 内容などすっかり忘れているドストエフスキーの超長編の『カラマーゾフの兄弟』を、もう一度読んで見るかと思って読み始めただけである。

 ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』には、年齢を過ぎたら読んで見ようかと云う気を起こさせる魔性の様なものがあるのであろうか。
   
 鑑定コラム1099「落合ダムと小説」は、NHK-BSで放送していた火野正平の「こころ旅」の一つを綴ったコラムであるが、その中に葉山嘉樹の短編小説『セメント樽の中の手紙』について述べており、その中でドストエフスキーについて、私は次のごとく記している。以下に引用転載する。

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 『セメント樽の中の手紙』後半、女工の手紙が綴られる。

 愛しい人を無くした女の悔しさ、切なさを一気呵成に折りたたんで独白するくだりがある。

 その独白は長い。小説の主要部分である。

 この女の人の独白の文章スタイルは、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に登場する女の人の長い独白の書き方にどこか似ている。

 葉山嘉樹は、ドストエフスキーの作風の影響を受けているのであろうか。

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  鑑定コラム958)
「『カラマーゾフの兄弟』を読み始めた」

  鑑定コラム1099)「落合ダムと小説」

  鑑定コラム820)「火野正平自転車のこころ旅」


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