2不動産鑑定士協会で講演をすることになった。
1つは、令和6年(2024年)2月26日(月)で、主催は千葉地方裁判所での裁判鑑定評価を行っている千葉県の不動産鑑定士の任意団体である千葉県不動産鑑定士会であるが、共催として、公益社団法人千葉県不動産鑑定士協会(会長は不動産鑑定士の佐藤元彦氏)が参加する共同開催である。
講演の題目は、
1部 「家賃の期待利回りの求め方」
2部 「システム賃料について」
である。
2つは、令和6年(2024年)3月15日(金)で、主催は一般社団法人神奈川県不動産鑑定士協会(会長は不動産鑑定士の高橋芳明氏)である。
講演の題目は、
「紛争事例に学ぶ! 賃料評価の論点〜新規地代の事例を題材にして〜」である。
1つ目の千葉県士会の講演の1部の家賃の期待利回りの求め方については、鑑定評価は実証科学であるという基本的な考え方から、「期待利回りを5.2%とする」という1行のみの記載はダメで、どうして5.2%であるか、論理的に、合理的に科学的に求め方を説明しなければならないことを述べる。
地価公示価格が採用している還元利回りを採用するという記述の鑑定書も見られるが、地価公示価格の還元利回りは新築建物の利回りであり、その利回りを築40年の建物の還元利回りに採用することなど非科学的過ぎる。
手前味噌になるが、粗利回り(賃料総収入÷土地建物価格=粗利回り)の算式を基礎にして、還元利回りの求め方の算式を論理的に作りあげた算式(田原算式と呼ぶことにする)の誤解、及び循環論である等の批判に対する反論を述べ、1行の記述よりも田原算式による還元利回りの方が科学的で論理性があると言うことを説明する。
2部のシステム賃料と云う用語は、私が勝手につけたもので、内容は、賃貸マンションの賃料を求めるのに、そのマンションのある駅勢圏のマンション賃料データの平均から、駅距離、面積、経年の3つより、各評点を求めて、その要因修正率を求めて、駅勢圏の平均の賃料に乗じて当該マンションの賃料を求める方法を説明する。
現在の賃料の求め方は、3つ、4つの賃貸事例から、個別に比較して求めているが、その考え方で無く、個の賃貸事例の集合した平均から当該賃料を求めようとするものである。
平均で賃料を求める考えは、現在の不動産鑑定評価基準には無いことから、現行鑑定評価の先を見据えた求め方の講演である。
時はAIの時代に入ろうとしている。田原のシステム賃料はAIの考え方であると喝破した人もいる。
千葉の講演のレジュメは、千葉県士会の研修の担当者の菅野幸作不動産鑑定士に渡した。
2つ目の神奈川県士会の講演は、地代の評価で新しく鑑定基準に取り入れられた賃貸事業分析法の求め方の説明を主として、継続地代の求め方について話す。
地代の公租公課倍率についても話すつもりである。
神奈川県士会の講演のレジュメは、これからとりかかるところであり、まだ詳しい内容について、構想中であり、書きあげていない。
研修の担当者の野入健一不動産鑑定士には、2月末には 神奈川県士会の講演のレジュメは渡すつもりである。
鑑定コラム2708)「賃貸事業分析法について神奈川鑑定士会にて講演」
鑑定コラム2719)「「家賃の期待利回りの求め方」千葉県不動産鑑定士協会講演レジュメ」
鑑定コラム2720)「「システム賃料について」千葉県不動産鑑定士協会講演レジュメ」
鑑定コラム2721)「千葉県不動産鑑定士協会講演レジュメ付記資料 千葉県賃貸売ビルの粗利回り」
鑑定コラム2746)「「賃貸事業分析法と継続地代」神奈川県不動産鑑定士協会講演レジュメ」
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