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2706) 地価LOOK全国・令和5年第4四半期の地価DI値は99

 国土交通省が、2024年2月22日に、2023年第4四半期(令和5年10月1日〜令和6年1月1日)の「主要都市の高度利用地地価動向報告」(地価LOOKレポート)の調査結果を発表した。

 地価LOOKレポートは、三大都市圏とその他主要都市の高度商業地及び高度土地利用の住宅地から調査地80地点を選び、四半期毎に、価格数値ではなく、土地価格の状況傾向を調べるものである。

 地価は上昇している、横ばいである、下落しているの傾向を調査するものである。

 その調査は不動産鑑定士によって行われている。

 令和5年第4四半期の地価LOOKレポートによると、全調査地点80地点のうち、上昇が79地点(前回78)、横ばいが1地点(前回2)、下落が0地点(前回0)となった。
 
 この地価変動種別の変動地点数を、一つの数値で現す地価動向DI値に変換する。

 算式は、

              上昇地点数−下落地点数
           ─────────────   ×100  = 地価動向DI値      
                   全体の地点数
である。

 令和5年第4四半期の地価動向DI値(以下「地価DI値」と呼ぶ)は、
                 79−0
             ───── ×100 = 99                                
                  80
99である。

 地価DI値の最高値は100である。

 令和5年第4四半期の地価DI値99は、ほぼ100と同じである。土地価格は日本全国上昇していると判断される。

 過去2年の四半期の地価DI値を記すと下記である。
    令和4年第1四半期    41
    令和4年第2四半期    66
        令和4年第3四半期    80
        令和4年第4四半期        89
        令和5年第1四半期        91
        令和5年第2四半期        93
        令和5年第3四半期        98
        令和5年第4四半期        99

 ここ2年間、地価上昇している地点が大幅に拡大している。

 地価上昇地点数が拡大していると云うことは、地価が上昇している事の裏返しであることから、地価は上昇していると判断される。

 DI値100にならないのは、調査80地点のうち1地点が、「横ばい」である為である。その横ばい1地点は、何と東京の「青海・台場」の1地点である。

 1/80=0.0125、出現確率1%台の土地・地域が、東京に存在する。

「青海・台場」は何処にあるかと云えば、品川駅の東方の東京湾の中にある13号地埋立地と呼ばれた埋立地である。

 立地的には、港区或いは品川区に所属しても良いが、江東区が地先権領海の所有を強く主張したのか江東区に属する。

 江戸時代末期、ペリー艦隊来航に危機感を抱いた幕府が、品川沖の海上に築いた洋式砲台場を、臨海副都心として平成初めに13号地として埋め立てた土地である。

 平成9年(1996年)に フジテレビの本社が新宿区河田町から移転して来て、地域の人気が出て来た。

 新橋駅より地上高架軌道を走るゆりかもめ線(東京臨海新交通臨海線)で、東京湾岸を南下し、レインボーブリッジを渡り、お台場海浜公園駅・台場駅・東京国際クルーズターミナル駅・テレコムセンター駅・青海駅のある地域を「お台場・青海(あおみ)」と呼んでいる。

 地価LOOKレポートは、各地点を調査した不動産鑑定士のコメントが掲載されている。「青海・台場」の不動産鑑定士のコメントを、転載すれば、下記である。

****


 「当地区は大型商業施設が集積し、国内外から多数の観光客が訪れる観光スポットであるとともに、都心のサブマーケットとしてオフィスも集積するエリアである。

 近年、当地区及び周辺においては、東京国際クルーズターミナルや都心部と臨海部を結ぶ環状2号線の整備、選手村の建設といった東京五輪開催のために様々な開発が行われた。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、来街者数は減少したが、渡航制限や感染症法上の位置付けの見直し等を受け、来街者数は持ち直し基調にある。 当地区内の大型商業施設では、飲食フロア、物販フロアともに当期も空き区画が散見されるものの、飲食店舗の売上高やホテルの稼働率は回復基調にある。

 また、青海ST区画における開発計画の公表等、当地区の活性化への期待感が見られることから、取引需要は底堅く推移している。これらの状況を反映して、オフィス賃料、店舗賃料いずれも概ね横ばい傾向が続いており、取引利回りも横ばい傾向が続いたことから、当地区の地価動向は横ばいで推移した。

 今後については、大規模開発計画への期待感とともに開発素地に係る取引需要は安定的に推移し、引き続き来街者数の持ち直し等による賑わいの回復が予想されるが、当面は当期の賃貸市場等の市況が続くと見込まれることから、将来の地価動向は横ばいで推移すると予想される。」

****


 青海・台場の土地価格の地価横ばいの主な理由は、「オフィス賃料、店舗賃料いずれも概ね横ばい傾向が続いており、取引利回りも横ばい傾向が続いたことから、当地区の地価動向は横ばいで推移した。」と云うことであるようである。

 横ばい1地点であるが、残り79地点の地価は値上がりしている事から、今月の21日頃に発表される地価公示・令和6年1月1日時点の地価公示価格は、全面的な土地価格アップと発表されるであろう。これによって東京証券取引所の日経平均株価は更に上がることになるか。

 平成19年(2007年)第4四半期〜令和5年(2023年)第4四半期までの地価DI値をグラフにすれば、下記グラフである。




地価LOOK 全国地価DI値 平成19年〜令和5年第4四半期


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  鑑定コラム2740)「地価LOOK全国・令和6年第1四半期の地価DI値は100」


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