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土地の価格は、その土地を利用し活用して得られる利益を反映して形成される一つの経済現象である。土地から得られる利益相当が、環境という価値に置き換えられて形成されてもいる。
その経済現象の土地価格であるが、全て同一の価格になるというものではない。
経験則で言えば、東京の地価は、皇居を中心にして形成されている。皇居より遠ざかるにしたがって土地価格は安くなっている。
そして、価格の変化は都内の城南地区に最初に現れ、皇居を中心にして時計回り、即ち右回りに鉄道沿線ごとに変化していく。
都内城南地区に現れた地価の変化が、時計回りしながら右回りの端の千葉市郊外の住宅地に影響を現すのは、1年から1年半後である。
この土地価格の変化状況が何故こうした現象を引き起こしているのか、私にははっきりした理由は分からない。経験則でそうした現象が見られるのである。
皇居を中心にして土地価格は変動しているが、実際に距離と土地価格を分析するには、皇居の玄関口の南正面に位置している「東京駅」を中心にして変動していると置き換えて考えてよい。
この土地価格の現象を、国土交通省が発表した平成18年の地価公示価格で見てみる。
東京駅を中心にして、直線距離30km前後の主要駅の住宅地の価格で検討する。
それぞれの土地価格は、当該駅よりおよそ1kmの住宅地のu当り価格である。
時計回りに記す。
沿線 駅名 土地価格
京浜急行線 上大岡 219,000円
東海道本線 保土ヶ谷 206,000円
田園都市線 長津田 235,000円
小田急線 町田 235,000円
京王線 聖蹟桜ヶ丘 206,000円
中央線 国立 287,000円
西武新宿線 所沢 160,000円
東武東上線 上福岡 186,000円
高崎線 上尾 134,000円
東武伊勢崎線 春日部 137,000円
常磐線 我孫子 124,000円
京成線 八千代 129,000円
総武線 千葉 173,000円
同じ東京駅から直線距離で30km前後の距離で有りながら、中央線の国立(「くにたち」と読む)駅勢圏の住宅地価格は、京浜急行線の上大岡駅勢圏の住宅地価格より高いのは、時計の右回り現象を否定する現象では無いかと思われるかもしれないが、それは右回り現象の上に、地縁的選好性の要因が大きく影響している為である。
地縁的選好性とは何かと言うことになるが、それは、その沿線・地域に住みたいか住みたくないかという人間の好みのことをいう。居住希望者が多ければ、それは競争を生じ土地価格は高くなる。
東京の郊外の住宅地では、JRでは中央線が最も人気がある。
ある人が言うには、朝の出勤時の新宿或いは東京駅等のターミナル駅で乗客が降りた後、車内網棚に読み残された新聞で、日本経済新聞が最も多いのは中央線だと言う。
沿線人気は、私鉄では、今回30km圏沿線で漏れている(距離が30km無いため)東横線、小田急線、京王線の人気が高い。
これら沿線の地縁的選好性が反映されているために、上大岡より国立の土地価格の方が高い現象を示しているのである。
更に国立の場合、戦前に日本人としての発想離れした都市計画で作られた住宅地である。駅を中心にした放射状の道路が走り、メーン通り沿に一橋大学を据えて、あたかも一橋大学の学園都市として、閑静で良好な、品の良い住宅地であるという要因が加わっている。
東京の23区、市の住宅地のu当り土地価格の金額についての記事については、下記の鑑定コラムがあります。
鑑定コラム344)東京の平成19年地価公示住宅地価格の変動率
鑑定コラム1196)「東京23区住宅地価26年4月のDI値は+22.4」
鑑定コラム1225)「東京23区住宅地価26年7月のDI値は+20.7」
鑑定コラム1632)「東京住宅地価、潮目が変わる」
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