最後の神戸で、夕方近く鑑定評価の資料の閲覧の為に訪れた社団法人兵庫県不動産鑑定士協会の女性職員に、
「テレビのニュースで見たが、神戸ルミナリエはどこで行っていますか。」
と尋ねたところ、きらきら輝く美しい目をした品の良い若い女性職員が、協会のすぐ近くで催されていると、場所を親切に教えてくれた。
そんなに近くで催されているのであるならば、折角神戸に来たのであるから、見ていこうと思った。
新神戸駅より新幹線に乗り、「のぞみ」に飛び乗り、東京駅までの時間と、東京駅から自宅までの時間を加算し、夜の12時までには自宅に帰れるかどうか検討した。何とか見る時間はありそうだった。
元町方向より大丸に向かい、神戸市役所の東側、三井住友銀行神戸本部(旧神戸銀行の本店か?)とルイ・ヴィトンの建物の間の通りを、北へ一方通行で「神戸ルミナリエ」は催されていた。
光の祭典を見ようと集まっている人々は、道幅一杯に長い行列を作っており、その数は半端なものでは無かった。万を超える人々がじっと立っていた。前の人が動き出すのを待っているのである。
電飾に飾られたアーチ型の模様が、光を放ちいくつも並んでいた。夜空に浮かび上がるまばゆいばかりの光の模様には、驚嘆せざるを得ない。
殆どの人々が、カメラ付き携帯電話やデジカメで、ルミナリエを撮影している。
マイクは、
「写真撮影で立ち止まらないでください。」
と叫ぶが、そのことなど守っている人などいない。立ち止まり空に向かって写真を撮っている。
「ルミナリエ」という名称、そしてその美術構造物の著作者は、ヴアレリオ・フェスティ氏という。
株式会社アイ・アンド・エフという会社と神戸ルミナリエ組織委員会が著作権等を継承しているという。
神戸ルミナリエは、1995年12月に発生した阪神・淡路大震災の犠牲者への哀悼と神戸等震災地の復興を願って開催されている。
神戸は震災より見事に立ち直った。
震災によって傷ついた人々の心の傷跡は消し去ることは出来ないであろうが、建物等を見る限りにおいては、震災以前より都市は活気を取り戻しているように見える。
ルミナリエは、今年で13回目というが、今や神戸の師走の一大イベントになってきている。それを見る目的に神戸を訪れる人の数も甚だ多い。
札幌の2月の雪祭りのごとく、観光客は集まりつつある。
一方通行で光の装飾アーチをくぐり抜けた付近で、神戸ルミナリエ組織委員会の人々と思われる人々が、
「資金難で、来年の開催が危ぶまれています。来年も開催出来るために募金をお願いします。」
と呼びかけていた。
心洗われる見事な光の芸術品を見ることが出来たことに感謝し、来年も開催出来ることを願って、募金箱にわずかであるが数個の100円硬貨を落とし込んだ。
神戸ルミナリエの美術構造物を作るのにどれ程の費用がかかっているのであろうか。安く無い費用と思われる。
互助の精神で催されてきた神戸ルミナリエである。最近の日本人の心から失われつつある互助の精神は失いたくない。
光の美しさを堪能した多くの人々が、募金に協力して、来年も開かれることを願う。
神戸ルミナリエの公式ホームページのアドレスは下記です。
http://www.kobe-luminarie.jp/
(注)ネットスケープでは7.1以上でないと見られない場合があります。
(追記) 2007年12月17日
私が神戸ルミナリエを訪れたのは、2007年12月7日であった。後日分かったのであるが、神戸ルミナリエ組織委員会の発表によれば、その日の神戸ルミナリエ見学者は255,000人だったという。行列の中にいた者としては、行列の長さは半端なものでないと思っていたが、25.5万人もの人が訪れたとは。
(追記) 2007年12月19日
2007年の神戸ルミナリエは、2007年12月6日〜17日に開かれました。17日に終了いたしました。
期間中に神戸ルミナリエに来訪された人々の人数は、神戸ルミナリエ組織委員会の発表によれば、4,043,000人とのことです。400万人の人々が神戸ルミナリエに訪れたのである。一大イベントの催しものであったといえる。
今回は兵庫県不動産鑑定士協会の名前が出てくる鑑定コラムですが、その他の府県不動産鑑定士協会の名前が出てくる鑑定コラムに、下記のものがあります。
山形県不動産鑑定士協会
鑑定コラム309）「山形天童ホテルでの東北会連合会の講演」
京都府不動産鑑定士協会
鑑定コラム448）「あんたはん もっと京都について勉強しなはれ」
神奈川県不動産鑑定士協会
鑑定コラム483）「横浜にて・2008年晩秋」
鑑定コラム611）「神戸ルミナリエ2009年が始まった」
鑑定コラム805）「神戸の昼食」