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日本銀行が、2009年1月〜3月の期間の国内銀行業種別貸出額のデータを発表した。
不動産業の2009年1月〜3月(第一四半期)の新規貸出額は、23,227億円と発表された。
前年同期と比べると、7,138億円の新規貸出額の減である。
過去3年の第一四半期の新規貸出額を下記を記す。
2006年1月〜3月 29,378億円
2007年1月〜3月 29,654億円
2008年1月〜3月 30,365億円
2009年1月〜3月 23,227億円
上記数値を見れば、2006年〜2008年の各第一四半期の不動産業への新規貸出額は、各年毎に増えているが、2009年の第一四半期になって、それまでの増額傾向から大幅な減少基調になっている。
直近の1年間、2008年4月〜2009年3月までの1年間の不動産業への新規貸出額は、76,934億円である。
年間新規貸出額を、過去3年と較べると、次のごとくである。
2006年1月〜12月 91,591億円
2007年1月〜12月 100,859億円
2008年1月〜12月 84,072億円
2008年4月〜2009年3月 76,934億円
2007年の10兆円の金額をピークにして、不動産業への新規貸出額の減少は著しい。
2007年が、不動産ファンドバブルの絶頂期である。
新規融資高10兆円の金額を付けた途端に、不動産の価格の下落が始まった。
不動産業者・不動産ファンド会社は、所有不動産を売ろうとするが、高値覚えがあって、価格を安くして見切り売却することに躊躇した。
そうしている間に、不動産価格はドンドン下がる。
赤字覚悟で価格を下げて不動産を売ろうと決意した時は、もはや不動産市場は崩壊状態にあって、不動産が全く売れなくなってしまった。
不動産が売れなければ金は入ってこない。
金が入ってこなければ、資金繰りに困る。
銀行に借り入れをお願いしても、銀行は一切貸してくれなくなってしまった。
不動産業者・不動産ファンド会社は、資金繰りが出来なくなり、ついに倒産せざるを得なくなってしまった。
金が無くては、不動産は買えない。
不動産を買う人がいなければ、土地価格は下がる。
銀行の不動産業への新規貸出額の減少が続いていることは、地価はまだまだ下落することを意味する。不動産会社・不動産ファンド会社・不動産開発会社等の不動産業者の倒産が続く事を意味する。
プレーヤーが違っただけで、全く同じごとく、いつか来た道を歩んでいる。
「収益価格で求められているから、不動産価格バブルは発生しない」と発言する人がいた。
この発言に対して、私はその発言は間違っていると指摘した。
このことは鑑定コラム272)(2006年4月16日発表)で述べている。一読されたい。
鑑定コラム515)「2008年の不動産業新規貸出額8.4兆円」
鑑定コラム257)「危険ゾーンに入った都心一部の貸ビル利回り」
鑑定コラム168)「渋谷商業地価は2002年が底だった」
鑑定コラム316)「不動産ファンドへの貸出規制」
鑑定コラム272)「金融庁のある信託銀行への行政処分」
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