平成22年(2010年)最初の鑑定コラムである。
一つの説を述べる。
平成19年(2007年)が、不動産ファンドバブルの地価高騰の時であった。その後現在まで地価は下落している。
その前の地価高騰は、平成バブルと呼ばれる平成2年(1990年)であった。
この間の時間差は、
2007年−1990年=17年
である。
それ以前の地価高騰時は、日本列島改造論による地価高騰で、昭和48年(1973年)であった。
この間の時間差は、
1990年−1973年=17年
である。
それ以前の地価高騰時は、昭和36年(1961年)と昭和32年(1957年)がある。
昭和32年、36年と地価高騰があるが、それは地価高騰するがその後地価が下落すると云うことはしなく、ずっと上昇のしっぱなしである。
地価が高騰の後に下落したのは、1973年の高騰を示した後のみである。
それ故、地価の周期を上昇、下落の繰り返し現象と定義付けすれば、上昇、下落を繰り返したのは、昭和48年、平成2年、平成19年の3つの時期のみである。
この地価ピークの時間差は、前記したごとく17年である。
このことから「地価17年周期説」と云うことが云えそうである。 甚だ簡単な地価高騰・下落の分析による説であるが。
但し、土地価格も経済現象の一つであるから、周期性があるであろうと云うことは予想されうることであるが、地価高騰の最大の要因は、先の鑑定コラムでも述べているごとく、「金融こそ地価変動の最大の要因」であることを無視出来ない。
このことから、現在の日銀の相変わらずの超低金利、超量的緩和政策が続けば、金余り現象は益々続き、余った金が何時又不動産に向かうか分からない。
今は不動産ファンドバブル崩壊による不動産会社の倒産によって、銀行は貸金の焦げ付きで懲りており、不動産会社への融資を厳しく手控えているが。
いつまで銀行のその融資抑制我慢が続くことか。
余った金が不動産に向かった時は、地価17年周期を待たずに地価暴騰が生じる可能性は大きい。そして暴落を再再再度繰り返すことになる。
鑑定コラム615)「『土地総合研究』掲載の「的中した土地総研のDI値」という論文」
鑑定コラム724)「北の都会講演『地価17年周期説』」
鑑定コラム944)「 商業地価は底(2012年7月)」
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