香港発の20日ロイター(2010年1月20日14時19分)は、下記のごとくのニュースを伝える。
香港で開かれていた「アジア金融フォーラム」に出席していた日本の玉木林太郎財務官は、「2月の7カ国財務省・中央銀行総裁会議において、中国に人民元再評価に圧力をかける」という発言をしたことを伝える。
よくぞ玉木林太郎財務官は発言してくれた。
日本の財務省は、中国元のドルリンクによる世界経済の混乱に対して、行動を起こすことを決意したのである。
よく決意してくれた。
元の切り上げこそが、日本の国益を守る行為である。日本の産業を立ち直らせる大きな政策行為である。
私は、鑑定コラム580)「与謝野・二階・石破の各大臣は何故担当の国際会議に出席しないのか 」で、次のごとく述べた。
『日本の財務相と財務官僚は、何をしているのか。
この調子では、近い将来、中国がアジアの通貨体制と通貨市場の指導権を握りそうだ。
これから財務省の行うことは、中国に対して「元」の切り上げをさせることだ。
現在、1ドル≒6.8元で、半ドルペック化している中国元を、完全自由化制にさせ、1ドル=5元、4元、3元にまで切り上げさせることである。
2兆ドルもの外貨準備高を持っている「元」は、強すぎる。自由通貨流通市場で、価値相応のレートで取引されるべきであろう。
「そんなことは出来ない。」
と仕事の実行を強要されることになる財務官僚は逃げの言葉を言うであろうが、不当に安い「元」の為替レートによって、安い中国製品が日本市場に氾濫し、それによって壊滅的打撃を受けている日本の産業を守らなければならなく、それはやらなければならない大仕事であろう。
壊滅的打撃を受けている日本の中小企業を倒産から救い、その中小企業に勤める人々の職と生活を守らねばならないのでは無いのか。中国の不当に安い「元」を、日本の財務官僚が擁護する必要性は無いであろう。』
私の主張が通じたとは思わないが、財務省のいわゆる官僚の中の官僚は、何が国益を守るのか分かっていて、行動してくれた。私と同じ考えを持つ官僚がいてくれた。
大変嬉しいことだ。
このニュースは、外国メディアのロイターから知った。
日本の共同通信、時事通信、NHK、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞は、2010年1月20日午後5時現在では、このニュースを伝えていない。
このニュースの方が、日本国民に伝えるべき報道ニュースとして、大切ではないのか。
日本のマスコミは何をしているのか。
(追記)2010年1月21日
日本経済新聞の電子版2010年1月21日は、午前9時19分にワシントン発御調昌邦記者の記事として、下記のごとく伝える。
カナダの財務相は、2月5〜6日にカナダで開かれる7カ国財務省・中央銀行総裁会議に、「日本の新しい財務相から人民元問題について議論したいとの要望が寄せられた。(これを)議題に入れ、参加者で話会う」と述べたというニュースを伝える。
菅直人新財務相もなかなかやるではないか。
(追記2)2010年1月22日
ワシントン発21日ロイター(2010年1月22日 11時43分)は、下記のごとくのニュースを伝える。
アメリカのシンクタンクである「ピーターソン国際経済研究所」が、中国通貨は約30%の切り上げが必要という報告書を出したと伝える。
同報告書の著者の一人であるジョン・ウイリアムソン氏は、ロイターのインタビューで、元の切り上げを拒否する中国は、「他国に間違いなく多大な負担をかけている」と話すと伝える。
上の「他国に多大な負担」の「他国」の中には、「日本」が入って居るのである。
日本のマスコミ・メディアよ。何故こうした重要なことを新聞・テレビで、日本国民に伝えないのか。日本のマスコミ・メディアは、井の中の蛙か。
鑑定コラム580)「与謝野・二階・石破の各大臣は何故担当の国際会議に出席しないのか 」
鑑定コラム605)「驚愕 新日本製鐵の激しい売上高減」
鑑定コラム396)「マイナス17度Cの街から」
▲