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帝国ホテルが、平成23年3月期第1四半期(平成22年4月〜6月)の決算を、2010年7月30日に同ホテルのホームページに発表した。
例年では、7月の25日前後に発表するのであるが、今年は何故か月末まで遅れた。
日本を代表するホテルの平成23年度第1四半期の業績はどうなっているのか。
それを知ることは、日本のホテル業界の今年(2010年)1年の状況を予測することが出来る。
帝国ホテルの平成22年4月〜6月の売上高は、12,872百万円であった。
対前年同期は、12,399百万円であった。売上高は少し増加した。
セグメントとしてのホテル事業の売上高と営業利益は、下記の通りである。
ホテル売上高 営業利益
平成21年4月〜6月 10,881百万円 ▲364百万円
平成22年4月〜6月 11,920百万円 648百万円
対前年同期比で、売上高で10.39億円(+9.5%)、営業利益は赤字から6.48億円の黒字である。
帝国ホテルの業績の回復は、完全回復とは云えないが、底を脱してかなり回復基調にあると云えそうだ。
帝国ホテル決算短信では、定性的情報として、ホテル業界の状況について、次の3つを挙げる。
@ 日本経済は未だ本格的な回復局面に達していない。
A ビジネス需要の低迷により、単価の回復には至っておらず、厳しい経営環境が続く。
と、あまり良い経済状況、業界状況を述べない。
しかし、最後の3つ目として、希望ある状況を述べる。
B アジアを中心とした観光客の増加に伴い、稼働率は上昇傾向にある。
訪日観光客の増加が、業績回復に大きく影響を与えていると予測出来る。
訪日外客数は、日本政府観光局(JNTO)の発表数値によると、下記のごとくである。
2008年 8,350,835人
2009年 6,789,658人
2009年の訪日外客数が、前年比で156万人の減、率では▲18.7%である。
これだけの減少の影響をホテルが受けないということはあり得ない。
帝国ホテルの平成21年4月〜6月が赤字になったのは、そうした事由によるものであった。
では、今年(2010年)はどうであろうか。
日本政府観光局(JNTO)発表の訪日外客数を見ると、下記の通りである。
平成21年 平成22年 伸率
1月 580,673人 640,346人 +10.3
2月 408,628人 664,982人 +62.7
3月 568,586人 709,684人 +24.8
4月 626,313人 788,395人 +25.9
5月 485,713人 722,000人 +48.6
6月 424,427人 678,000人 +59.7
(平成22年5月、6月の数値は未確定概数である。)
上記、訪日外客数の著しい増加数字を見れば、ホテル業界の立ち直りは早いと判断できる。
日本の一つの部門の景気は良くなりそうだ。
下記に、平成16〜22年までの決算期末帝国ホテルの売上高、営業利益と各第1四半期の売上高、営業利益の一覧を記す。単位は百万円である。
決算期
|
売上高
|
営業利益
|
第1四半期売上高
|
第1四半期営業利益
|
22年3月期
|
50117
|
709
|
12399
|
26
|
21年3月期
|
55785
|
3091
|
14512
|
1314
|
20年3月期
|
58080
|
3539
|
14562
|
1411
|
19年3月期
|
57061
|
4214
|
14504
|
1609
|
18年3月期
|
55395
|
3877
|
13864
|
1071
|
17年3月期
|
53296
|
2872
|
13505
|
747
|
16年3月期
|
53400
|
3231
|
13342
|
1048
|
|
|
|
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鑑定コラム564)「2009年ホテル業界に何が起こっているのか」
鑑定コラム572)「東京のホテル客室稼働率67.7%(2009年上半期)」
鑑定コラム662)「帝国ホテルの黒字決算発表(平成22年3月期)」
鑑定コラム681)「京都のホテルに客足が戻った」
鑑定コラム936)「平成24年4〜6月の帝国ホテルの業績は著しい回復」
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