今年(2011年)2件目のゴルフ場の評価を行った。
ゴルフ場の景気は悪そうだ。
不動産ファンドバブルの影響で、ゴルフ場の入場者は少し増え、それに伴いゴルフ場の景気は上向くのかと思った。
しかし、不動産ファンドバブルがはじけるとともに、入場者は再び減少し、ゴルフ場は不景気に戻ってしまった。
信じがたいことであるが、ゴルフ場で株式上場している企業がある。
アメリカの投資銀行ゴールドマンサックスが、倒産した日本のゴルフ場を次々と購入し、資本補強し経営を再建した。
経営再建したゴルフ場を株式上場し、莫大な上場利益を得て、ゴルフ場の経営を日本の会社に渡して、撤退した。
このやり方は、アメリカ資本主義市場経済の考え方、そのものである。
金、金、金と金儲け第一主義の考え方は、私は好きではない。
しかし、倒産企業を購入し、その企業に資本投入し、その企業を建て直し、株式上場して利益を得るという金儲けのやり方は、資本主義の正道のやり方であって、それを批判出来るものでは無い。
ゴールドマンサックスから経営権を取得したアコーディア・ゴルフという企業が、ゴルフ場会社として、日本で唯一株式上場している。
そのアコーディア・ゴルフは、決算に伴ってゴルフ業界の業況を次のごとく伝える。
平成23年3月期決算では、
「次期の見通しは、平成23年3月11日に発生いたしました東日本大震災と計画停電等による消費動向や経済活動への影響、及びそれらが当社業績に与える影響を一部見込んでおりますが、現段階では合理的な算定が困難である」
という。
そして3ヶ月後の平成23年6月期短信では、
「震災直後に生じたゴルフプレーに対する自粛ムードは、当第1四半期連結累計期間の後半には和らいだものの、ゴルフコンペについては開催の自粛が引き続きました。また、被災地周辺や放射性物質の拡散による風評が生じた北関東地域などを中心に、プレー需要は大きく落ち込みました。」
という。
日本で唯一株式上場している日本最大のゴルフ場経営会社が述べるゴルフ場業界の状況が、現在の日本のゴルフ場の状況を現していると考えてよいであろう。
日本のゴルフ場数はどれ程であろうか。
経済産業省は、以前3〜4年ごとに全ゴルフ場の経営状況を調査していたが、最近は行っているのか、いないのか知らないが、調査結果が発表されない。
全国のゴルフ場全てを調査するのでなく、一部のゴルフ場を抽出してその経済動向を探る動態調査は行っているが。
平成16年の経済産業省の全ゴルフ場の調査では、日本のゴルフ場の数は、2067個所であった。
社団法人日本ゴルフ場事業者協会の調査によると、日本のゴルフ場数は、
平成16年 2,453 平成17年 2,446 平成18年 2,442 平成19年 2,442 平成20年 2,442 平成21年 2,445
売上高百万円 利用者数人 平成16年 108,895 9,435,379 平成17年 101,887 8,950,252 平成18年 101,101 9,033,931 平成19年 104,513 9,385,504 平成20年 102,318 9,310,063 平成21年 96,993 9,131,250 平成22年 93,628 8,959,445
売上高 89,039百万円 利用者数 8,707,618人
売上高百万円 利用者数人 平成22年 93,628 8,959,445 平成22年8月〜平成23年7月 89,039 8,707,618
平成16年 11,541円 平成17年 11,384円 平成18年 11,191円 平成19年 11,136円 平成20年 10,990円 平成21年 10,622円 平成22年 10,450円 平成23年 10,225円 (平成22年8月〜平成23年7月)