○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

981)「ホテルが良く取れましたね」と言う京都のタクシー運転手

 平成24年(2012年)11月の下旬に京都に行って来た。

 不動産鑑定の仕事である。

 現地確認、役所等の調査で京都市内をタクシーに乗り、駆け巡った。

 その都度、流しのタクシーを捕まえる。

 乗り合わせたタクシーの運転手が、

 
 「お客さん、今日は京都でお泊まりですか。
 ホテルは取ってありますか。」

と聞いて来る。

 「ええ、京都のホテルで泊まります。
 ホテルは予約してあります。」

と私は答える。

 「ホテルが良くとれましたね。
 今の時期ホテルが取れないとこぼすお客さんが多いですょ。
 お客さんは良く取れましたね。」

 11月下旬に京都市内でホテルが取れたことについて、二人のタクシー運転手から、同じことを聞かれ、ホテルが確保してあることを同じく褒められる。

 タクシーの運転手の口ぶりから推測すると、11月の京都のホテル確保は、相当難しい様だ。

 富山ではホテルに全て断られ、特急で35分ほどかけて金沢に行き、金沢のホテルで泊まったが、京都はうまい具合にホテルが取れた。料金は安くない。

 タクシーの運転手が11月の京都のホテルは混んでいると云うことから、本当かいなと思い、京都のホテルの客室稼働率を調べて見た。

 日本銀行京都支店が、京都市内の主要ホテルの各月の客室稼働率を発表している。
 その中の11月の稼働率をピックアップして、下記に記す。

    2000年11月     95.8%
    2001年11月     94.2%
    2002年11月     94.2%
    2003年11月     96.0%
    2004年11月     94.6%

    2005年11月     96.4%     2006年11月     95.3%     2007年11月     93.7%     2008年11月     94.0%     2009年11月     91.8%
    2010年11月     92.9%     2011年11月     95.0%

 各年の11月の客室稼働率は、いずれも90%を越え、95%前後が多く、その年の最高の稼働率である。

 客室稼働率95%というのは、ほぼ満室状態と云って良い数値である。

 タクシーの運転手二人が、揃いも揃って、

 「ホテルが良く取れましたね。」

と驚くことも、上記各年の11月の客室稼働率を知れば、理解出来る。

 タクシーの運転手とよもやま話をしながら、

 「景気はどうですか。実入りは良いですか。」

と聞けば、異口同音に、

 「良くない。
 尖閣諸島問題が発生して、中国人の観光客がぱたりと止まってしまった。」

というぼやきの返事が返ってくる。

 京都のホテル客室稼働率、京都の景気判断については、稿を改めて記したい。


  鑑定コラム931)
「富山・高岡のホテル・旅館に嫌われた」

  鑑定コラム448)「あんたはん もっと京都について勉強しなはれ」

  鑑定コラム594)「京都・建仁寺垣」

  鑑定コラム449)「京都嵐山の住宅地の還元利回りは4.4%」

  鑑定コラム982)「平成21年、22年、23年の3ヶ年の京都ホテル客室稼働率の平均は78.0%」

  鑑定コラム983)「京都の景気は良いのか、悪いのか」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ