○鑑定コラム
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ
京都嵐山まで行ったのであるから、その住宅地の還元利回りを求めてみる。
4m道路に面する土地面積165u(50坪)とする。
この土地に木造2階建の共同住宅を想定する。
第一種低層住居専用地域であり、建蔽率50%、容積率80%の地域である。
建築可能な建物面積は、
165u×0.8=132u
である。1階66u、2階66uとする。3LDK、2戸のアパートを想定する。
つまり次のアパートを想定する。
土地面積 165u
構造 木造2階建
延べ床面積 132u
戸数 3LDK 2戸
建築工事費は、国土交通省発表の『建設統計月報』2008年4月号(財団法人建設物価調査会発行)によれば、京都の平成19年1月〜12月1年間の木造建物の統計データは次の通りである。
戸数 8,146棟
のべ床面積 945,312u
工事費予定額 15,588,744万円
このデータより一棟当りの床面積は、
945,312u÷8,146=116u
である。
u当り建築工事費は、
15,588,744万円÷945,312=16.490万円≒16.5万円
である。
京都の木造の標準建築費をu当り16.5万円とする。
この数値を採用し、次の要因修正を行う。
・共同住宅の建物である。 0.9
・設計監理費 1.05
16.5万円×0.9×1.05≒15.6万円
建築工事費をu当り15.6万円とする。
賃料は、阪急電鉄嵐山線沿のアパートの募集賃料に次のものがある。
・嵐山駅 徒歩11分 41u 1989年築 u当り1,340円
・松尾駅 徒歩10分 45u 1993年築 u当り1,740円
・松尾駅 徒歩10分 44u 1993年築 u当り1,820円
これより、駅徒歩5分新築の面積66uのアパートの賃料を、u当り1,800円とする。
礼金は6ヶ月、敷金は2ヶ月とする。
共益費は支払い賃料に含まれているとする。
運用利回りを1.5%とする。
敷金の運用益は、
1,800円×2ヶ月×0.015÷12≒5円
である。
礼金の償却額は、期間2年として、
1,800円×6ヶ月×0.5112÷12≒460円
である。
支払賃料に対する運用償却額の割合は、
(5円+460円)÷1,800円≒0.26
である。
空室率は、はっきりと分からないがとりあえず10%とする。
容積率は、
132u÷165u=0.8
である。
経年賃料修正率は無いものとして1.0とする。
賃貸面積率は100%である。
必要諸経費率は、減価償却費を考えなく、木造アパートであることを考え0.25とする。
土地価格はu当り212,000円(坪当り70万円)とする。
上記をまとめると、下記の通りである。
土地単価 u当り212,000円
建物工事単価 u当り156,000円
建物価格 u当り156,000円
償却修正率 156,000円/156,000円=1.0
u当り支払賃料 1,800円/月
共益費修正率 1.0
運用償却額修正率 1.26
空室率 0.90
経年賃料修正率 1.0
容積率 0.8
賃貸面積率(レンタブル比) 1.0
必要諸経費率 0.25
上記条件を鑑定コラム19)の還元利回りの求め方の公式に代入する。
還元利回りの求め方の公式は、再掲すると次のごとくである。
@ 標準粗利回りの公式
標準粗利回り=
(u当り支払賃料×12×共益費修正率×運用償却額修正率×空室率修正率×経年賃料修正率×容積率×賃貸面積率)÷(土地単価+建物工事単価×容積率×償却修正率)
A 還元利回りの公式
還元利回り=標準粗利回り×(1−必要諸経費率)
前記条件を上記2つの公式に代入すれば、京都嵐山の住宅地の総合還元利回りは、
4.4%
と求められる。
上記で引用した鑑定コラム19)は、下記をクリックすれば見られます。
鑑定コラム19)「還元利回りの求め方」
鑑定コラム448)「あんたはん もっと京都について勉強しなはれ」
鑑定コラム594)「京都・建仁寺垣」
鑑定コラム981)「「ホテルが良く取れましたね」と言う京都のタクシー運転手」
鑑定コラム983)「京都の景気は良いのか、悪いのか」
▲
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ