○東京マンション利回り


『平成14年東京マンション利回りについて』

                             2003年10月25日

 不動産の価格・賃料を研究・調査して、発表している不動産鑑定士の研究会である「不動産鑑定士市場賃料研究会」が、平成14年の『東京マンション利回り(15年版)』を発表した。

 平成14年の東京のマンション利回り(築5年のマンション)は、

     23区  住宅地    4.2%
         商業地  7.1%
     市   住宅地  4.7%
         商業地  6.4%
である。

 賃料は都内2万件に近い成約事例から求め、土地価格は平成15年1月1日の地価公示価格、建物価格は国交省の建設統計による平成14年1月〜12月のRC造の建築費によって、求めたものである。

 23区および市の住宅地上位5位までは次のごとくである。
              23区                          市
 1位     足立  5.1%             八王子   5.6%
 2位     江東    4.9%            町田        5.4%
 3位     墨田   4.8%             三鷹        5.4%
 4位     江戸川 4.6%            多摩    5.2% 
 5位     目黒  4.5%             武蔵野      5.1%

 23区および市の商業地上位5位までは次のごとくである。
              23区                          市
 1位     杉並  8.0%             武蔵野   8.3%
 2位     江東    7.9%            国立        7.4%
 3位     中央   7.8%             三鷹        7.1%
 4位     目黒  7.7%            狛江    7.1% 
 5位     大田  7.6%             八王子      7.0%
           世田谷 7.6%             東大和      7.0%

 主要駅勢圏の平均賃料は次の通りである。(単位は平方メートル当たり円)
     表参道        5022
     六本木              4734
          麻布十番            4402
          新宿                3613
          渋谷                4278
          池袋                2872
          上野                2838
          田町                3308
          蒲田              2610
          田園調布            3240
          成城学園前          2489
          府中               2183
          中野        3058
          立川                1966
          上井草              2233
          大泉学園            1970
          北千住              2221
          錦糸町              2610

 平成14年東京マンション利回りは、各区・市ごとに、住宅地と商業地のマンションの新築(0年)から20年の利回りを、容積率ごとに求めている。
 住宅地は60%〜200%、商業地は200%〜400%まで10〜20%刻みで細かく求められている。

 求められている利回りは必要経費込の賃料によって求められており、粗利回り(グロス利回りとも、あるいは取引利回りともよばれている。)である。

 必要諸経費を控除した純賃料に対する利回り(ネット利回りと呼ぶ)を求める場合には、次の算式によって求める。
   グロス利回り×(1−必要諸経費率)=ネット利回り
   ネット利回りは、時には還元利回りとも呼ばれるものである。

 利回り表は、各区・市の容積率60%から400%と、経年は0年から20年までに対応する利回りの数値の羅列であり、最初見た時は戸惑うでしょうが、見方の説明を読めばすぐ理解出来る。

 例えば次の様な場合の利回りの求め方を説明します。
 「立川市で3階建ての築7年のマンションがある。土地面積は250uで、延べ建築面積は210uである。地域は住宅地である。このマンションの投資利回りが知りたい。」
 この例の利回りの求め方は、最初に容積率を求めます。
        210÷250=0.84
 容積率は80%の欄となります。
 立川市の表を選びます。住宅地マンション容積利回り表のうち容積80%の表の築年7年の欄の個所を見ます。その欄に0.0378の数値が記してあります。
 この3.78%が求める利回りです。

 「東京マンション利回り(15年版)」は23区、市ごとの利回り、容積率、経年ごとの利回り一覧、そして都内の主要駅勢圏400強の平均賃料とデータ数が載せてあります。
 前記の割合等は、記載内容のわずかな一部分です。

 販売は、プログレス( 03-3341-6573)か、下記ホームページから購入申込が出来ます。

      http://www.progres-net.co.jp/
     
 なお、この平成14年東京マンション利回りについて、本ホームページの『鑑定コラム』128)に 「14年東京マンション利回り4.2%」という記事が載っています。著者の「あとがき」の様なもので、作成のぼやきと裏舞台の状況が述べてあります。一読して頂ければ、この利回り表に少し理解が深まるのでは無いかと思います。

貸ビル・マンション等利回り、還元利回りに関して、本ホームページの『鑑定コラム』に次の記事があります。参考になると思います。

鑑定コラム  19)還元利回りの求め方
鑑定コラム  28)日本プライムリアルティ投資法人のリート
鑑定コラム  41)田の還元利回り4.2%
鑑定コラム 154)不動産の利回り(割引率とターミナルレート)
鑑定コラム 179)ある投資法人の購入ビルの利回り
鑑定コラム 186)沖縄の家賃と不動産利回り
鑑定コラム 189)東京の賃貸ビルのフアンドバブル化

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