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19)還元利回りの求め方

 還元利回りのデータが整備されていない地域(還元利回りのデータが整備されている地域などどこにもないのが実情であるが)の不動産を評価する場合、還元利回りをどのように決定すべきか判断に迷う時がよくある。
 土地価格、平方メートル当り賃料はわかったが当該土地、当該地域の還元利回りが不明である場合が多い。

 国債利回り2.5%、リスクa%、その他要因b%等々で総合して云々という求め方なぞ止めた方がよい。(もつとも論理的にそれら各割合によって還元利回りが実証できれば話は別だが)

アメリカの投資銀行のある人がこんなことをいっていた。
 「うちの会社でハーバード大学を出た優秀な人々が、国債の利回りと不動産の還元利回り(キヤップレート)の関係を何十年もかかって分析しているが、今なお両者の関係を説明できない」と。

 私はこの言葉を、日本の不動産鑑定士が還元利回りの説明に何の実証もせず、国債の利回り云々といって、さも関係があるごとく鑑定書に書き、説明している態度への痛烈な皮肉と解釈した。

 還元利回り(総合還元利回り)は次の2つの公式で求めることができる。

(1) 標準粗利回りの公式

  標準粗利回り= (平方メートル当り支払賃料×12×共益費修正率×運用償却額修正率×空室率修正率×経年賃料修正率×容積率×賃貸面積率)÷(土地単価+建物工事単価×容積率×償却修正率)

この公式の求め方の詳細は、 『賃料<家賃>評価の実際』 p265 清文社を参照されたい。

(2) 還元利回りの公式

  還元利回り=標準粗利回り×(1−必要諸経費率)

 上記(1)と(2)の公式を使って、下記の任意設定の条件で還元利回りを求めてみる。

    土地単価        平方メートル当り200,000円
    建物工事単価   平方メートル当り180,000円
        建物価格         平方メートル当り135,000円
    償却修正率       135,000円/180,000円=0.75
    平方メートル当り支払賃料    2,000円/月
    共益費修正率          1.05
    運用償却額修正率   1.01
      空室率                0.95
    経年賃料修正率    1.0
    容積率           300/150=2.0
    賃貸面積率(レンタブル比)0.8
    必要諸経費率     0.35

 上の数値を(1)の公式に入れて計算する。
 (2000×12×1.05×1.01×0.95×1.0×2.0×0.8)÷(200,000+180,000×2.0×0.75)=0.0823

 標準粗利回りは0.0823と求められた。

 還元利回りは、
      0.0823×(1−0.35)=0.053
5.3%と求められる。

 上記2つの公式を利用すれば、還元利回りは日本全国どこの物件でもほぼ求められる。

 鑑定書の内容の説明の時、「還元利回りはどのように求められましたか。」の質問にも論理的に説明できる。

 「それはあなたの個人的で独断的な判断理論ではないのか?。その求め方を担保するものは?。」という意地悪な質問に対しては、『賃料<家賃>評価の実際』清文社発行の本のp265に、不動産鑑定士の誰それが理論分析していると言って、理論担保の反論ができる。
 収益還元法および不動産鑑定評価額に対する信頼性は、これでぐっと増す。(この辺りはかなり我田引水ですが)

 パソコンに上記(1)(2)の公式を一度覚え込ませておけば、あとは数値を打ち込めばたちどころに還元利回りは求められる。簡単である。

 ものは試し、一度利用されてみたら。

 上記還元利回りは総合還元利回りのことをいい、その求め方である。

 還元利回りは総合還元利回りの外に、土地の還元利回り、建物の還元利回りがある。

 それら2つの還元利回りは総合還元利回りから求めるのであるが、その求め方は日を改めて述べたい。早く知りたい人は前掲書p260を読まれたい。

貸ビル・マンション等利回り、還元利回りに関して、本ホームページの『鑑定コラム』に次の記事があります。参考になると思います。

  鑑定コラム   28)「日本プライムリアルティ投資法人のリート」

  鑑定コラム   41)「田の還元利回り4.2%」

  鑑定コラム  154)「不動産の利回り(割引率とターミナルレート)」

  鑑定コラム  179)「ある投資法人の購入ビルの利回り」

  鑑定コラム  186)「沖縄の家賃と不動産利回り」

  鑑定コラム  189)「東京の賃貸ビルのフアンドバブル化」

  鑑定コラム  149)「積み上げ方式の割引率に実証性はあるのか」

  鑑定コラム  256)「平成16年東京マンション利回り」

  鑑定コラム  257)「危険ゾーンに入った都心一部の貸ビル利回り」

  鑑定コラム  264)「単身者用マンションの利回りも危険ゾーンに」

  鑑定コラム  270)「ススキノの利回り22%」

  鑑定コラム  544)「銀座の利回り2.0%、表参道、新宿、渋谷、池袋は?」

  鑑定コラム  733)「還元利回りを求めるある大学の期末試験課題」

  鑑定コラム  1104)「Jリートの還元利回りは賃料評価の期待利回りにはならない」

  鑑定コラム1111)「丸の内にあるビルのキャシュフローの還元利回りは2.8%」

  鑑定コラム1523)「丸ビルの還元利回りは2.51%(28年3月)」

  鑑定コラム1581)「借入金割合と金利で求める利回りに疑問あり」


 本鑑定コラムには上記以外に還元利回りに付いての多くの記事があります。鑑定コラムの中の還元利回りに関しての記事を検索する場合には、グーグル或いはヤフーの検索窓に下記をコピーして貼り付け、検索実行すれば関連記事の一覧が表示されます。又「還元利回り」の検索日本語の所の言語を替えて検索すれば、その関係の記事一覧が検索されます。

      還元利回り site:www.tahara-kantei.com

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