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新日鉄興和不動産株式会社(港区 成川哲夫社長)が中心となって、再開発事業を進めている「赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業」は、2014年9月9日起工式を行い、工事着手したと、同社のホームページが同日付けで、プレスリリースした。
場所は、地下鉄南北線「溜池山王」駅の南側に近く、六本木通りに面する。六本木アークヒルズの北方近くである。
溜池山王駅には、地下通路を造り結ばれるという。
同社ホームページによれば、建物の規模等は下記である。
敷地面積 16,088.32u(4,866.71坪)
建物延べ床面積 175,266.99u(53,027.33坪)
鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
地下3階、地上37階
完成 2017年4月予定
同社のホームページは、事業費がどれ程かについて言及していないが、東京都都市整備局のホームページの公表によれば、総工事費は約798億円である。
再開発事業建物と地下鉄溜池山王駅とを結ぶ地下通路を、六本木通りの下を横断して建設するという。この工事費が相当かかるのでは無いかと私には思われる。
u当り工事費は、
79,800,000,000円
───────── ≒455,000円
175,266.99u
45.5万円である。坪当り150万円である。
求められた工事費は、再開発事業に伴う超高層ビルの価格評価や賃料評価する時の、再調達原価を把握するためのデータとして参考になるであろう。
以前、地下鉄駅に地下道で結ばれている高層建物が、u24万円で出来るという不動産鑑定書にぶっかり、そんな安く出来ないょと指摘しても、「建築出来る」とその鑑定書を書いた不動産鑑定士は主張し、家賃を甚だ安く出されたのにはあきれたことがある。
その再調達原価の説明は、唯の一行のみである。
「建物の再調達原価は、類似の建物の工事費を参考にu当り24万円とする。」の一行である。これでu24万円を信用せよといわれても、ハイそうですかと云って、鑑定書を信用することは出来ないであろう。
土地価格評価には、エクセルを使って5ページほどを費やして説明しているにも係わらずである。
土地価格評価と建物価格評価との間に、価格分析の関心度、分析度の格差がありすぎ、ひどすぎる。
「類似と云っている類似建物の価格等の詳細を示して下さい。」
と云っても無しのつぶてである。
そして「当方の鑑定は、不動産鑑定評価基準に則って評価していますので適正です。」と何度もオウム返しのごとく文書で回答してくるのみである。
その鑑定評価基準のどこに、何頁の何行目に「建物の再調達原価はu当り24万円」と書いてあるのか。
不動産鑑定士の信頼性が無くなる。
東京銀座6丁目で、現在建設中の「銀座松坂屋」の再開発ビル建築工事費は、u当り56.1万円である。
鑑定コラム1193)「銀座松坂屋は銀座に戻って来ない」
鑑定コラム823)「ある超高層事務所ビルの建築費」
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鑑定コラム1249)「新グランドプリンスホテル赤坂の建築工事費はu43.2万円」
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