鑑定コラム1192)「銀座の土地の動き」の続きである。
この「銀座松坂屋は銀座に戻ってこない」という記事が無いと、「銀座の土地の動き」の課題の記事にならない。
1192)は、課題記事の前半部分で、銀座の土地価格の動きの記事と思って下さい。
久しぶりに銀座7丁目のビヤホール「ライオン銀座7丁目店」の6階で開かれる「北の都会」に顔を出した。
旧制四生の参加は少なくなってきた。
京都大学助教授から最高裁の裁判官になられたS先生は、参加されていた。
昭和16年4月に琵琶湖で遭難した旧制四ボート部の方々の冥福を祈る黙祷から、「北の都会」の月例会は始まった。
「ライオン銀座7丁目店」の小路を挟んだ隣は、「銀座松坂屋」であったが、その建物の地上部分はもう無い。現在は地階部分を解体中のようであった。
J.フロントリティリング株式会社が、2014年(平成26年)4月2日に、銀座松坂屋の土地利用についてプレスリリースした。
それによれば、旧銀座松坂屋跡地と隣接する街区を含めて、『銀座六丁目10地区第一市街地再開発事業』という再開発事業を行うと発表した。
土地面積は、約1.4ヘクタール(14,000u)である。
そこにSRC造地下6階、地上13階、延べ床面積147,900uのビルを建てる。
地下2階〜地上6階(面積約46,000u)は、ラグジュアリーブランド、ファッション、レストラン等の高品位、高品質の物品を販売、提供する250〜300のテナント店舗を誘致した商業空間とするという。
7〜13階(約6,100u)は、事務所階とする。
地下3階には「観世能楽堂」を設置するという。
この事業の主体は、J.フロントリティリングであるが、共同事業社として、森ビル、住友商事、L Real Estate の3社が加わるという。
L Real Estate(エル リアル エステート)という聞き慣れない企業の名があるが、それはルクセンブルグの不動産投資ファンドで、LVMHグループの企業という。
LVMHグループとはどういう企業グループかと云えば、ワイン、ファッション、化粧品、時計、宝石等の有名ブランドを有し、世界で3,300店舗余を持って事業展開している企業グループである。
具体的にはどういうブランドを持つ企業グループかと云えば、ワイン事業では、「ドン・ペリニヨン」、「ヘネシー」、ファッションでは、「ルイ・ヴィトン」、「セリーヌ」、「フェンディ」、「ジパンシィ」等のブランド名で事業を展開している企業グループである。
ブランド名を聞いて、私は驚いた。
L Real Estateとは、そのグループの不動産投資ファンド会社ということである。
総事業費は、2014年4月3日の日本経済新聞は、830億円と伝える。
83,000,000,000円 ────────── = 561,000円 147,900uu当り561,000円である。