2015年11月28日14時22分、時事通信が、「不動産向け融資、バブル期並み=金融庁、地銀の監視強化」のタイトルの記事を発信した。
その書き出しは、「金融機関の不動産業向け融資が高水準で推移している。」として始まる。
そして次の文章が続く。
「国内銀行の2014年度の新規貸し出しは10兆円を上回り、バブル絶頂期の1989年度やミニバブルと言われた07年度の水準にほぼ並んだ。金融庁は、融資の焦げ付きなどで各地の地方銀行や信用金庫の経営に影響を与える恐れがないか、監視を強めている。
日銀の統計によると、14年度の不動産業向けの設備資金の新規貸し出しは、銀行が10兆1549億円と7年ぶりに10兆円を超え、信用金庫も2兆1002億円と初めて2兆円を突破した。大手行では、都心の物件に投資する大手の再開発業者や不動産投資信託(REIT)向け融資がけん引。これに対し、地銀や信金は個人の資産管理会社など中小向け融資の伸びが高いのが特徴だ。」
時事通信の記事は、金融庁が監視に乗り出すと報じている。
金融庁が、金融機関の不動産融資の監視に乗り出すという報道は本当かいなと思い、金融庁のホームページを覗くとも、それらしきことは発表されていない。
金融庁のホームページのトップページは、何々に注意して下さいと詐欺被害の警告文ばかりである。
金融庁の不動産融資の監視のニュースは、時事通信独自の調査によるニュースのようだ。
それが事実とすれば、それは良いことと私は思う。
金融庁が乗り出すということを除くと、何だかどこかで見た記事内容である。
2015年6月6日発の鑑定コラム1350)「10兆円の不動産業貸出は続く(27年3月)」に、次のごとくの記事を私は書いた。
「国内銀行の不動産業への新規貸出は、危険水域を歩んでいる。
日本銀行が発表した平成27年3月直近1年間の不動産業への新規貸出額は、10兆1500億円余であった。
平成26年1月〜12月までの1年間の不動産業への新規貸出額は、10兆700億円であったから、それよりも800億円余増えて10兆円台の融資が続いている。
過去の国内銀行の不動産業への新規貸出額を記す。
2003年 68,132億円 2004年 77,841億円 2005年 93,978億円 2006年 91,591億円 2007年 100,859億円 2008年 84,072億円 2009年 69,587億円 2010年 77,248億円 2011年 76,826億円 2012年 82,784億円 2013年 95,488億円 2014年 100,700億円 2014年4月〜2015年3月 101,549億円