2015年最後の鑑定コラムです。
本年1年間、マイナーな当鑑定コラムを訪問していただき有り難うございました。
感謝いたします。
黒田日銀の金融の超超超ど緩和によって不動産と株式に多額な金が流れ込んだ。
国内銀行の不動産業に流れ込んだ金は、ついに10兆円という金額になってしまった。
アメリカのFRBは、金融の引き締め政策に7年振りに転換しようとしているのに、日本銀行は未だ金融緩和をして、金をばらまこうとしている。来年は11兆円というとんでもないお金が不動産業に流れ込みそうである。
平成26年5月に不動産鑑定評価基準が改正された。
出版社から、10年前に出版した『賃料<地代・家賃>評価の実際』の改訂版を出したいから、書き直して欲しいという要望が、今年の夏頃にあった。10月始めという原稿締めきりというのが、ややこしい賃料鑑定などが入り、それを優先していたため、原稿締め切りを11月の初めに伸ばしたが、書く気が起こらなくなり、12月の初めに伸ばした。
しかし未だ出来上がらない。
来年の1月早々と云うことで、歳末の暮れから正月休み返上で原稿を書いている。
平成26年の改正不動産鑑定評価基準には、私が鑑定評価基準は間違っていると主張していた個所の幾つかがどうしてか取り上げられて、その部分の基準が改正された。
1つは、更地の評価手法が変更した。
更地の求め方は、鑑定評価の中心の中心のものである。変わるものでは無い。
昭和44年の統一基準になってから、更地の求め方は変わっていない。それが変更になった。配分法による事例が、「自用の建物及びその敷地」の事例しか使え無かったものが、貸家及びその敷地の事例も使える様になった。
これは、私が東京地裁の裁判所鑑定人として評価した時に、証人喚問されて代理人弁護士から法廷で、鑑定書の間違いを激しく批判されたことの下記添付鑑定コラム記事(2002年4月20日発表)が、改正の動機になったのでは無かろうかと勝手に思っている改正である。
2つは、地代の求め方に、収益分析法が、「賃貸事業分析法」という名前になって、正式な手法として取り入れられたことである。私が主張していた「家賃あっての地代」の考え方が、鑑定基準に正式に取り入れられた。
これも、私が、裁判鑑定で何度も屈辱を味わった手法の採用改正である。
3つは、継続賃料の利回り法で、従前合意賃料の純賃料より求めた継続賃料利回りを「標準とし」は間違いであると、私は主張していたが、それが削除され「踏まえて」の文言に変わった。
4つは、鑑定基準の継続賃料のスライド法と利回り法の求め方は、同じ求め方であると私は指摘して来た。これについて、その意見を発表後現在まで10年間、賃料訴訟の法廷や業界において、多くの批判を浴びてきた。
今回の基準の改正に伴い、基準改正に携わった関係者が編纂する権威ある基準解説書(住宅新報社発行)で、
スライド法の求め方=利回り法の求め方