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1568)日銀ょ 12兆円も不動産業に金を流してどうするのか

 日本銀行が、平成28年第3四半期(平成28年7月〜9月)の貸出先別貸出額を、平成28年11月17日に発表した。

 国内銀行の不動産業の新規貸出額は、3兆3142億円であった。

 2015年9月の前年同期は、2兆9843億円であった。

 前年同期に対して、

               3兆3142億円
             ───────  = 1.377                              
         2兆9843億円

37.7%増である。無茶苦茶な金の増え方である。

 直近1年の各四半期の不動産業への新規貸出額は、下記である。

 
    27年第4四半期(10月〜12月)   2兆4071億円
    28年第1四半期(1月〜3月)    3兆7447億円
    28年第2四半期(4月〜6月)    2兆5801億円
    28年第3四半期(7月〜9月)    3兆3142億円

計 12兆0461億円

 平成27年10月〜平成28年9月の1年間の不動産業に流れた金は、ついに12兆円という金額になってしまった。

 不動産はそんなに儲かる業種であろうか。甚だリスクのある業種である。

 リスクの高い業種に、12兆円もの巨額の金を流して、日銀は大丈夫か。

 日銀は20年後、30年後の日本経済の姿をにらんで、現在の金融行政を行っているのであろうか。

 今から20年前、25年前の金融行政を思い出せ。現在55歳の日銀マン自身が35歳、30歳の時の日銀行政の姿である。

 平成28年9月直近1年間の全産業の新規貸出額は、47兆4851億円である。

 不動産業の占める割合は、

                 
          12兆0461億円
                 ───────  = 0.254                          
                    47兆4851億円

25.4%である。

 国内銀行の全産業の新規融資額のうち、リスクの高い不動産業が1/4の25%も占めるのは、異常であろう。

 前の鑑定コラム1566)「三井不動産今期売上高1.75兆円は大丈夫か」で書いたが、2016年11月13日の日本経済新聞のトップ記事は、同社調べの平成28年4月〜9月までの上場1501社(上場会社の95%)の前年同期の経営状況が、売上高6%減、経常利益13%減と記し、「上半期としては5年ぶりの減収減益になった。」と述べている。

 日本経済は、曲がり角に来ているのである。そうした状況にあるのに、日銀は、野放図に不動産業に全貸出額の25%の12兆円もの金を貸し出している。


  鑑定コラム1533)
「11.7兆円 不動産業新規貸出額(平成28年6月)」

  鑑定コラム1492)「不動産業新規貸出額年間11兆円の大台に」

  鑑定コラム1455)「衰えぬ年間10兆円の不動産業新規貸出額・平成27年」

  鑑定コラム1413)「地雷原を元気に進んでいる不動産業新規融資高(27年9月)」

  鑑定コラム1383)「まだ10兆円の不動産業貸出は続いている(27年6月)」

  鑑定コラム1350)「10兆円の不動産業貸出は続く(27年3月)」

  鑑定コラム1313)「不動産業新規融資額が10兆円を超えた」

  鑑定コラム1566)「三井不動産今期売上高1.75兆円は大丈夫か」

  鑑定コラム1593)「都心住宅地価格が下落し始めた」

  鑑定コラム1605)「12兆2800億円という巨額の不動産業貸出額」

  鑑定コラム1640)「不動産業貸出額に大ブレーキ掛かる」

  鑑定コラム1675)「不動産業貸出額対前年同期比▲7.2%」


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