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1640)不動産業貸出額に大ブレーキ掛かる

 国内銀行の不動産業への貸出に大きな変化が現れた。

 融資額に大ブレーキが掛かった。貸出額の縮小が始まった。

 日本銀行が、平成29年第1四半期(平成29年1月〜3月)の貸出先別貸出額を、平成29年5月18日に発表した。

 平成29年1月〜3月の3ヶ月間の国内銀行の不動産業の新規貸出額は、3兆7702億円であった。

 前年同期(平成28年1月〜3月)の貸出額は、3兆7447億円であった。

 対前年同期比の増加率は、

                  3兆7702億円
               ───────  = 1.007                            
                  3兆7447億円

0.7%の増加率である。

 各年の第1四半期の不動産業への融資額を、下記に記す。単位億円

    2013年1月〜3月     29,905
    2014年1月〜3月     31,334
    2015年1月〜3月     32,183
    2016年1月〜3月     37,447
    2017年1月〜3月     37,702

 各年確実に融資額は増加して来ている。

 ここ1年間の各四半期の対前年同期比の貸出額の増加率は、下記である。

        28年第1四半期(1月〜3月)       1.164
    28年第2四半期(4月〜6月)     1.250
    28年第3四半期(7月〜9月)     1.111
    28年第4四半期(10月〜12月)    1.097
        29年第1四半期(1月〜3月)       1.007

 各四半期は、9%〜25%の増加率であったのが、29年第1四半期になって一気に0.7%の増加率に縮小した。

 不動産業への貸出の縮小が始まった様である。

 平成28年4月〜平成29年3月までの直近1年間の国内銀行の不動産業への貸出額は、12兆3061億円である。まだまだ12兆円の貸出額が続いている。

 過去の不動産業への貸出額を記す。金額は日銀発表時の金額である。その後の確定による変更があるかもしれない。単位億円

          2006年    91,591億円
          2007年    100,859 (不動産ファンドバブル崩壊)
          2008年     84,072 (リーマン・ブラザーズ倒産)
          2009年    69,587
          2010年        77,248
          2011年    76,826
          2012年        82,784
          2013年        95,488   (リートバブル突入)
          2014年       100,700    
        2015年       106,735
          2016年       122,806
          2016年4月〜2017年3月       123,061

 何度でも云う。金余りとはいえ、不動産業への集中貸出は、もういい加減やめょ。他産業への融資に振り替えょ。


  鑑定コラム1568)
「日銀ょ 12兆円も不動産業に金を流してどうするのか」

  鑑定コラム1492)「不動産業新規貸出額年間11兆円の大台に」

  鑑定コラム1313)「不動産業新規融資額が10兆円を超えた」

  鑑定コラム1675)「不動産業貸出額対前年同期比▲7.2%」


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