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1675)不動産業貸出額対前年同期比▲7.2%

 日本銀行が、平成29年第2四半期(平成29年4月〜6月)の貸出先別貸出額を、平成29年8月10日に発表した。

 平成29年4月〜6月の3ヶ月間の国内銀行の不動産業の新規貸出額は、2兆3954億円であった。

 対前年同期の平成28年4月〜6月の3ヶ月間の国内銀行の不動産業の新規貸出額は、2兆5801億円であったから、

                 2兆3954億円
             ────────  = 0.928                             
                 2兆5801億円

▲7.2%のダウンである。

 対前年同期比で、▲7.2%のダウンは大幅な減少である。

 前期29年1月〜3月の貸出先別貸出額の時は、微増に留まった。その微増に留まったことについて、鑑定コラム1640)「不動産業貸出額に大ブレーキ掛かる」の記事にした。

 翌期の29年4月〜7月の対前年同期比の貸出先別貸出額は、▲7.2%ダウンである。

 国内銀行の不動産業への貸出に、はっきりとした大きな変化が、目に見えて来た。

 融資額の縮小が始まった。

 最近の各四半期の対前年同期比の貸出額の増減率は、下記である。

        28年第1四半期(1月〜3月)       1.164
    28年第2四半期(4月〜6月)     1.250
    28年第3四半期(7月〜9月)     1.111
    28年第4四半期(10月〜12月)    1.097
        29年第1四半期(1月〜3月)       1.007
        29年第2四半期(4月〜6月)       0.928

 平成28年7月〜平成29年6月までの直近1年間の国内銀行の不動産業への貸出額は、12兆1214億円である。まだまだ12兆円の貸出額が続いている。

 過去の不動産業への貸出額を記す。金額は日銀発表時の金額である。その後の確定による変更があるかもしれない。単位億円

          2006年    91,591億円
          2007年    100,859 (不動産ファンドバブル崩壊)
          2008年     84,072 (リーマン・ブラザーズ倒産)
          2009年    69,587
          2010年        77,248
          2011年    76,826
          2012年        82,784
          2013年        95,488   (リートバブル突入)
          2014年       100,700    
        2015年       106,735
          2016年       122,806
          2016年7月〜2017年6月       121,214

 直近1年間の国内銀行の不動産業の貸出額は12.1214兆円であり、2016年の12.2806兆円よりも減少している。

 前期の直近1年間(2016年4月〜2017年3月)の貸出額は12.3061兆円であったから、2017年3月末が年間過去最高の貸出額となるかもしれない。

 今迄、日本銀行は貸出先別貸出金については、すべての計数をマトリックス形式の計表で公表していたが、2017年8月10日の発表データからは、各係数を時系列表で発表することになった。

 2017年8月9日現在の日銀発表のマネタリーベース等を記しておく。

  ・マネタリーベース     463兆1600億円(2017年8月9日現在)
    ・日銀当座預金残高   357兆6600億円(2017年8月9日現在)
    ・基準貸付利率     0.3%
  ・補完当座預金制度適用利率   −0.1%


  鑑定コラム1568)
「日銀ょ 12兆円も不動産業に金を流してどうするのか」

  鑑定コラム1492)「不動産業新規貸出額年間11兆円の大台に」

  鑑定コラム1313)「不動産業新規融資額が10兆円を超えた」

  鑑定コラム1640)「不動産業貸出額に大ブレーキ掛かる」


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