○鑑定コラム
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ
不動産業への年間新規融資額が、10兆円台を突破し、11兆円台になった。
日本銀行が、平成28年第1四半期(平成28年1月〜3月)の貸出先別貸出額を、平成28年5月20日に発表した。国内銀行の不動産業の新規貸出額は、3兆7447億円であった。
前年同期は、3兆2183億円であったから、
3兆7447億円−3兆2183億円=+5,264億円
5,264億円増加した。
このこともあり、平成27年4月〜平成28年3月までの、直前1年間の不動産業新規貸出額は、11兆円台に乗せ、11兆1999億円になった。
直近1年の各四半期の不動産業への新規貸出額は、下記である。
27年第2四半期(4月〜6月) 2兆0638億円
27年第3四半期(7月〜9月) 2兆9843億円
27年第4四半期(10月〜12月) 2兆4071億円
28年第1四半期(1月〜3月) 3兆7447億円
計 11兆1999億円
平成27年の1月〜12月は、10兆6735億円であった。
28年3月直近1年間の国内銀行の全産業の新規貸出額は、44兆1442億円である。
不動産業の占める割合は、
11兆1999億円
─────── = 0.254
44兆1442億円
25.4%である。
国内銀行の全産業の新規融資額のうち、不動産業が1/4の25%も占めるのは、異常であろう。
不動産業の国内総生産に占める割合が1/4程度あれば、不動産業が新規貸出額の1/4を占めると云うことも、経済合理性で納得出来るが、1/4あるのか。無いであろう。
四半期ごとの直前一年間の貸出額を見ると、下記である。
2014年4月〜2015年3月 10兆1549億円
2014年7月〜2015年6月 10兆4052億円
2014年10月〜2015年9月 10兆8485億円
2015年1月〜2015年12月 10兆6735億円
2015年4月〜2016年3月 11兆1999億円
2015年9月直前1年間が10兆8485億円であり、2015年12月の1年間は、それよりも1750億円減少している。
このことから、2015年9月が不動産融資の最高で、それ以降国内銀行も不動産融資にブレーキをかけ始めたと判断し、不動産価格は下がるであろうと、3ヶ月前の鑑定コラムに書いた。
しかし、貸出額が逆に増えてしまい、私の予測は見事に外れてしまった。
国内銀行は不動産融資にブレーキを掛けていなかった。
さあこれから不動産業に12兆円の融資をするぞと、ねじりはちまきをして国内銀行は不動産業への融資に邁進するのであろうか。
不動産業への貸出増は何が原因か。
予想外の日銀のマイナス金利政策出現による影響なのか。
マイナス金利政策によって不動産会社の資金調達がよりし易くなったことは確かである。それが原因なのであろうか。
不動産業新規融資額11兆円台に入ったから、バブル崩壊の危険性がなくなったと云うことにはならない。バブル崩壊した場合の傷が大きくなっただけである。
全産業の新規融資額の25%が不動産業であるということ自体が、異常で、危険信号の点滅の状態である事には変わりがない。
鑑定コラム1533)「11.7兆円 不動産業新規貸出額(平成28年6月)」
鑑定コラム1455)「衰えぬ年間10兆円の不動産業新規貸出額・平成27年」
鑑定コラム1413)「地雷原を元気に進んでいる不動産業新規融資高(27年9月)」
鑑定コラム1383)「まだ10兆円の不動産業貸出は続いている(27年6月)」
鑑定コラム1350)「10兆円の不動産業貸出は続く(27年3月)」
鑑定コラム1313)「不動産業新規融資額が10兆円を超えた」
鑑定コラム1544)「リートバブルの終焉は近いか」
鑑定コラム1568)「日銀ょ 12兆円も不動産業に金を流してどうするのか」
鑑定コラム1640)「不動産業貸出額に大ブレーキ掛かる」
鑑定コラム1675)「不動産業貸出額対前年同期比▲7.2%」
▲
フレーム表示されていない場合はこちらへ
トップページ
前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ