○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1687)小売売上高8280億円の企業も出店しくじる

 プロでも出店をしくじるというニュースを、ヤフーニュースが報じていた。

 2017年9月15日7時31分更新のヤフーニュースの経済ニュースのヘッドラインは、下記であった。

         

****


        東芝半導体売却 20日にも契約new

        ベビーカー騒動 経産省が謝罪new
        空飛ぶクルマ 試作機案を公開new
        神保町ドンキ 8カ月で閉店
        新iPhone 日本企業には好機?
        22時退社に混乱 電通社員の今
        でかいハイラックス売る狙い
        たった2商品 パン屋の経営術

       
****


 上記ニュースのヘッドラインの上から4番目に、「神保町ドンキ 8カ月で閉店」というニュースがある。

 「ITmedia NEWS」の配信記事を、ヤフーニュースが取り上げたものである。

 ニュースの内容は、下記である。

 「ドン・キホーテは、東京・神保町に2月にオープンしたばかりの店舗「ドン・キホーテ神保町靖国通り店」を10月13日に閉店する。

 同店は、神保町駅から徒歩7分、「ヴィクトリアゴルフ 神田店」跡に2月17日にオープン。古書店街のイメージに合わせて本をモチーフにした演出を店内に施し、食品や日用品、生活雑貨などをそろえていた。」

 今年(2017年)2月に開店したのに、10月には閉店すると云うニュースである。

 営業期間8ヶ月で閉店である。

 あまりの閉店までの期間の短さにニュース性があると判断して、ヤフーはニュースとして取り上げたのであろう。

 店舗の閉店には、閉店するからにはそれなりの理由がある。

 最も考えられるのは、売上高が予想より大きく外れ、今後も売上高の伸びが期待出来なく、赤字が大巾に続くと判断されることであろう。

 そうした場合は、出店の失敗をあっさりと認め、赤字の傷を大きくしないためのとる手段は、即撤退である。

 これが商売の鉄則である。

 ドン・キホーテを経営する株式会社ドンキホーテホールディングスは、この商売の鉄則に従って、8ヶ月間の営業店をあっさりと閉店したのであろう。

 株式会社ドンキホーテホールディングスは、総合デイスカウントストアの企業である。
 
 株式会社ドンキホーテホールディングスの売上高は、同社の発表している有価証券報告書によれば、平成29年6月期は、828,798百万円(8287億9800万円) 総店舗数368店舗(29年6月末現在)である。

 平成28年6月末の店舗数は341店舗であった。直近1年間では27店舗を開店している企業である。

 小売店舗出店に関しては、プロ中のプロの企業である。
 
 出店のプロ中のプロの企業でも、出店にしくじることがあるということである。

 本ニュースは、出店が失敗と分かった時は、躊躇無く素早く撤退するのが商売の鉄則ということの例となろう。

 折角総合デイスカウントストアの株式会社ドンキホーテホールディングスの有価証券報告書を見たことから、私にとってより興味のある数値を記す。

 それは同有価証券報告書に記されている売上高と支払賃料の金額である。下記である。

                    28年6月期                 29年6月期

 売上高 759,592百万円 828,798百万円 地代・家賃 20,838百万円 23,357百万円

 地代・家賃は、ほぼ賃借している支払家賃であると推定される。

 上記数値から求められる売上高に占める支払家賃の割合は、次の通りである。

 28年6月期は、

                    20,838百万円
                ──────── = 0.027                          
                   759,592百万円

2.7%である。

 29年6月期は、

                    23,357百万円
                ──────── = 0.028                          
                   828,798百万円

2.8%である。

 まとめると、

            平成28年6月期   2.7%
            平成29年6月期   2.8%

である。

 売上高に占める家賃割合について、鑑定コラム18)、鑑定コラム1462)に、その割合が記されている。

          「スーパーマーケット     2.7%」

である。

 ドン・キホーテの業種も「スーパーマーケット」に入ろう。

 上記鑑定コラムの2.7%の分析割合は、総合デイスカウントストア「ドン・キホーテ」を経営する株式会社ドンキホーテホールディングスの有価証券報告書からの家賃割合で比較してみれば、あながち不確かな分析割合ではないと云えるのではなかろうか。


  鑑定コラム18)
「店舗売上高と家賃割合」

  鑑定コラム1462)「店舗の売上高に対する家賃割合の求め方」

  鑑定コラム298)「ドン・キホーテの店舗買収」

  鑑定コラム1663)「ある不動産鑑定の書籍から」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ