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1784)野村不動産HDの賃貸ビル還元利回り(償却後)は3.2%

 住友不動産、三菱地所、三井不動産の賃貸ビルの還元利回りは分かったことから、次の大手不動産の野村不動産の賃貸ビルの還元利回りはどれ程であろうかと思い、野村不動産ホールディング(以下「野村HD」とする)の決算書をみた。

 野村HDのホームページのIRライブラリーから、平成30年3月期の野村HDの決算短信を見た。

 決算発表の日時を見て、驚いた。平成30年4月26日の発表である。前期3社より約2〜3週間早い発表である。3月31日決算期日から26日後に決算を発表している。その速さに驚く。

 野村HDの平成30年3月期の売上高は、6237億円(平成29年3月期は5696億円)である。来期平成31年3月期の予想売上高は、7000億円である。

 野村HDの賃貸不動産の還元利回りは、どれ程であろうか。

 平成30年3月期の決算書の中の「連結財務諸表に関する注意事項」の(賃貸不動産等関係)の項目において、賃貸等不動産の期末時価等についての記載は下記である。単位百万円。

                      平成29年3月期     平成30年3月期

   期末簿価 892,524 946597 賃貸収益 27,787 30,409

 期末時価についての注書きとして、「期末の時価は、主として「不動産鑑定評価基準」に基づいて算定した金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)であります。」と記してあることから、適正時価と判断される。

 減価償却費については、賃貸部門のセグメントに記載されている数値を採用する。下記である。単位百万円。

      平成29年3月期    14,139
            平成30年3月期    15,809

 還元利回りは、下記のごとく求める。

 平成29年3月期は、

                    27,787  
             ────────────  = 0.031                     
                     892,524

である。3.1%である。

 平成30年3月期は、

                   30,409  
             ────────────  = 0.032                     
                      946,597

である。3.2%である。

 算式分子の利益は、減価償却費を含まない利益であるから、上記還元利回りは、償却後還元利回りである。

 償却前還元利回りは、下記である。減価償却費は、賃貸セグメントに記載されている金額を採用する。

 平成29年3月期は、

                  27,787+14,139  
             ────────────  = 0.047                     
                    892,524

である。4.7%である。

 平成30年3月期は、

                30,409+15,809  
             ────────────  = 0.049                     
                     946,597

である。4.9%である。


  鑑定コラム1775)
「住友不動産賃貸ビル還元利回り(償却後)2.5%」

  鑑定コラム1777)「三菱地所の賃貸ビル還元利回り(償却後)は2.4%」

  鑑定コラム1780)「三井不動産の賃貸ビル還元利回り(償却後)は2.5%」

  鑑定コラム1785)「東京建物の賃貸ビル還元利回り(償却後)は2.8%」

  鑑定コラム1786)「東京建物 23区1等商業地の土地還元利回りは2.4%」

  鑑定コラム1787)「不動産大手等5社の賃貸ビル総合還元利回り(償却後)は2.4%〜3.2%」


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