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1974) 講演「還元利回り・期待利回りの求め方」の内容(1)

 2019年8月23日に、千葉県の不動産鑑定士の団体である千葉県不動産研究会(会長結城敏勝氏 幹事長鈴木聡氏)・千葉県不動産鑑定士協会(会長増間真一氏)主催の講演の講師に呼ばれた。

 千葉県不動産鑑定士協会の入っているビルの1つの中規模会議室で、「還元利回り・期待利回りの求め方」の課題で話をした。

 参加者は40名程度であった。中規模の会議室の席は、満席で埋まっていた。

 千葉県不動産研究会・千葉県不動産鑑定士協会で講演するのは、今回で5回目である。

 過去に話した講演内容は、下記である。

        1.明渡立退料について
        2.26年改正鑑定基準に伴う継続賃料について
        3.家賃と地代の具体的な鑑定例
    4.正規分布・回帰分析について   
        5.還元利回り・期待利回りの求め方(今回)

 いずれの講演も3時間の講演時間である。

 今回の講演のレジュメを下記に記述するが、その内容は、著書『改訂増補 賃料<地代・家賃>評価の実際』(プログレス 2017年2月)で還元利回り・期待利回りについて記述されている部分を断片的に使用して、又、私のホームページの鑑定コラムに記述されている内容に手を加えて、それらをつなぎ併せ、起承転結の1つの論文型式に仕上げたものであり、著書及び鑑定コラムを読んでおられる人にとっては重複内容のものがかなりあると思う。

 とはいえ、還元利回り・期待利回りについてまとめて理解するには、まとまって記してあることから良い機会と思われる。

 レジュメは、45頁と長いものである。5分割程度に分けて、鑑定コラムに載せる。

 レジュメを分割することも有り、全体のレジュメ内容はどういう構成になっているか分からないと読むのに困ると思われるので、レジュメの各章の課題のみ下記に記す。

    1章 はじめに
    2章 還元利回りの源は田の還元利回りでは無かろうか
        3章 こうした還元利回りの記載で理解出来るのか
    4章 Jリートの還元利回りは賃料評価の期待利回りにはならない
    5章 還元利回り・期待利回り
    6章 還元利回り=標準粗利回り×(1−必要諸経費率)の証明
    7章 標準粗利回り算式    
    8章 必要諸経費率
    9章 具体的数値例による算式の証明
    10章 還元利回り
    11章 批判
    12章 反論
    13章 企業決算書に記されているデータから還元利回りを求める
    14章 土地・建物の個別還元利回り・期待利回り
    15章 終わりに

****



講演レジュメ

還元利回り・期待利回りの求め方


2019年8月23日


講師 不動産鑑定士


桐蔭横浜大学法学部客員教授


田原 拓治

千葉県不動産研究会


1. はじめに

 不動産鑑定評価において大変重要な還元利回り・期待利回りについて述べたい。
 私の考え方は、還元利回りと期待利回りは、貨幣の表・裏の関係にあり、その値は、
     還元利回り=期待利回り
であるとしており、この論文もその考え方で論ぜられていることをご了承下さい。
 期待利回りを直接求めることは甚だ困難であることから、還元利回りを求め、それを貨幣の表裏の関係から、期待利回りとするという考え方で記述されています。

 本論文は、著書『改訂増補 賃料<地代・家賃>評価の実際』(プログレス 2017年2月)で還元利回り・期待利回りについて記述されている部分を断片的に使用して、又、私のホームページの鑑定コラムに記述されている内容に手を加えて、それらをつなぎ併せ、起承転結の1つの論文に仕上げています。

2.還元利回りの源は田の還元利回りでは無かろうか

@ 田の還元利回りが源か
 不動産の還元利回りの起源はいつなのか。
 私は、日本の不動産の還元利回りは、お米を作る農地価格と、取れるお米の関係から生まれているのでは無かろうかと思う。
 日本はもともとは農業国家であり、主食はお米である。
 このお米を抜きにしては、経済が成り立たなかった。

 それ故、田の還元利回りが、不動産還元利回りの源では無かろうか推測する。  田の還元利回が基本還元利回りであり、その利回りから、住宅地の還元利回り、商業地等の還元利回りは、発生変化して形成されているのではないだろうかと私は考える。

A 田の収穫量
 コメの収穫量は土質、気候、耕作条件、地域等によって異なっている。反当り5俵の田もあれば10俵の田もある。
 各農地耕作者は、自分の田の収穫量がどの位か必ず把握しているが、一応、反8俵の収穫量とする。
 反とは10aである。一俵とは60sの米を指す。

B 田の収入
 コメの卸売価格はいくらしているのか。
 農林水産省の卸米業者相対取引価格は、2015年産米の平成28年5月取引は、60kg当り13,329円である。
 これより反8俵の田の収入は、
     13,329円×8 = 106,632円
である。

C 田の価格
 全国平均の田(普通品等)の価格はどれ程か。
一般社団法人日本不動産研究所調査の『田畑価格及び賃借料調』(平成27年3月末現在)によれば、全国平均の普通品等の田の10a当り価格は、762,323円である。

D 田の粗利回り
      田の収入÷田の価格=田の粗利回り
とすると、田の粗利回りは、
      106,632円÷762,323円=0.1398≒0.14
14.0%である。

E 稲作の経費率
 農林水産省が『平成15年農業組織経営体経営調査』という調査報告書を発表している。
その調査の「稲作経営収支」の全国数値は、下記である。

     稲作収入    33,157千円
     稲作経営費   23,113千円

 稲作経営費とは、種苗費、肥料費、農薬費、修繕費、光熱動力費、賃借料、販売経費、租税公課、負債利子、雇用労賃、支払地代、その他費用、減価償却費である。
 この数値から、経費率は、
           23,113千円
                 ──────  = 0.697                            
                   33,157千円
69.7%である。
 経営規模の大きい農業経営体の農業経営の統計調査であるが、その中の稲作経営についての稲作経費率は69.7%である。

F 田の還元利回り
 田の粗利回りは14.0%であったから、田の還元利回りは、
     14.0%×(1−0.697)=4.24%
              ≒4.2%
4.2%である。

 田の土地還元利回りは4.2%と求められた。

 これがコメ主食の日本の土地の基本還元利回りであり、住宅地の還元利回り、商業地等の還元利回りは、この田の還元利回りから発生変化して形成されているのではないだろうかと私は考える。
  (著書『改訂増補 賃料<地代・家賃>評価の実際』(以下「著書」と呼ぶ)P574 プログレス)

3.こうした還元利回りの記載で理解出来るのか

 不動産鑑定書の還元利回り・期待利回りの記述で、下記の様な記述をよく見かける。

@ 文言の羅列によるもの
 イ、「期待利回りを5.8%とする」
 利回りの5.8%の根拠の説明は一切無い。一行で終わりである。

 ロ、「類似の取引事例に係わる取引利回りの実勢、投資対象としての評価不動産の個別性等を総合的に勘案のうえ、還元利回りを7%とする。」

 類似取引事例の利回りと記しているから、その類似の取引事例利回りの記載があるのかと鑑定書を見ても、類似の取引事例の記載は全く無い。

 ハ、「期待利回りとして、地域性、種別等総合的に考慮した総合期待利回りを以下と判断した。

        土地  4.3%
        建物 8.5%  と査定した。」

 4.3%、8.5%はどの様にして求められたのか、この文章の説明では分からない。
 4.3%、8.5%は個別期待利回りであり、総合期待利回りでは無い。

 ニ、「不動産投資家調査」((財)日本不動産研究所調査)等の公表資料を中心に一棟の事業用投資物件の売買事例等を参考とし、JR**駅周辺地区における事業用賃貸物件に対し投資家が通常要求する償却後期待利回りを4%と判断した。」

 公表資料の利回りがどれ程かの提示も無い。参考としてと言う一棟の事業用投資物件の売買事例のデータ提示も無い。証拠提示も無い文言の羅列のみによる利回りを妥当と認めよ云われても、それをそうですかと認めることは出来ないであろう。

 ホ、「対象不動産の投資対象としての危険性・流動性・管理の困難性・資産としての安全性、昨今の金融市場の推移・動向、(財)日本不動産研究所が実施している「不動産投資家調査」による期待利回りの水準等を総合的に考量して、対象不動産の期待利回りを5.0%と査定した」

 対象不動産の危険性等はどれ程のものか、その割合を具体的根拠を示して説明しなければ、この利回りを妥当であると認めることは出来ないであろう。
 昨今の金融市場の推移と云うが、その推移データの提示が無く、鑑定書を読む人には推移がどうなっているか全く分からない。

 ヘ、還元利回りは、「類似の不動産の取引事例との比較から求める方法を採用し、割引率との関係や不動産投資家の結果を参考にして、還元利回りを5.5%と査定した。」

 類似不動産の還元利回りはどれ程なのかの例示は無い。不動産投資家調査の利回りの例示も無い。
 5.5%の妥当性、正当性を担保する証拠の提示は全く無い。これでは5.5%の還元利回りが妥当かどうか分からない。

 この文例の記述が多く見られる。何故だろうと思い、ひょっとすると実務修習のテキストで教えているのでは無かろうかと思い、日本不動産鑑定士協会連合会発行の『第11回実務修習・指導要領テキスト』(2016年)を購入して見てみた。

 その書物の91頁に、全く同じ記述内容の記述例があった。下記である。

 「類似の不動産の取引事例との比較から求める方法を採用し、割引率との関係や不動産投資家の結果を参考にして、還元利回りを5.5%と査定した。」

 ト、「一般財団法人日本不動産研究所「第33回不動産投資家調査」では、**駅周辺取引利回りは4.0%となっている。これはグロスベースの利回りであるので、対象物件の諸経費等の率を17%と仮定し修正すると、4%×(1−0.17)≒3.3%と純収益ベースの還元利回りが求められる。」

 一般財団法人日本不動産研究所が発表している不動産投資家調査は、純収益の還元利回りである。必要諸経費は含まれていない。それ故、この鑑定書は必要諸経費をダブルで控除している。

A リスク数値の説明が出来ずにリスク数値を加算して求める還元利回り
 価格及び賃料の鑑定書で、積み上げ利回りによる還元利回り・期待利回りを使用して価格・賃料を求めていた鑑定書に出会う。

 以下のものが、例えば求められている期待利回り(還元利回りに同じ。)である。
       国債利回り  非流動性リスク     管理困難性リスク
    1.5%  +  2.0%     +   2.5%    = 6.0%
 期待利回りを6.0%と求める。

 国債利回りは、カントリーリスクを反映したものとして認める。
 分からないのは、非流動性リスク2.0%、 管理困難性リスク2.5%である。
 どのようにして、このリスク値が求められたのか。

 期待利回りは、積算賃料を求めるのに大変重要なものであることから、この様な求め方で求めたのが正しいとされては甚だ迷惑であることから、鑑定書を作成した不動産鑑定士に、リスク数値の根拠を説明せよと事件担当の代理人弁護士を通じて裁判所に意見書を送った。

 裁判所を通じて、返って来た回答の内容には唖然とした。

 投資家やアセットマネージャーからヒアリングし求めたものであり、不動産投資市場を反映した適切な利回りであり、リスク数値には十分な合理的根拠を有するものであるという内容である。
 挙げ句に、当社は、J-REITや私募ファンドなどの投資用不動産の評価を多数行っていることから鑑定評価は適正であると。

 リスク数値を算出根拠となる算式等を使った説明は一切ない。
 文言で適正と云うだけである。

 いくら適切な利回りであると云われても、その求められる数値根拠の説明が全くなされていなくては、適切な利回りであるということは信用することは出来ないであろう。
 リスク数値の算出根拠が、合理的に説明出来なければ、そうした数値を使った鑑定書を書くな。リスク数値を使用するなといいたい。

 つまり、はっきり言えば、鑑定書を書いた不動産鑑定士及び鑑定書発行の鑑定会社は、2%、2.5%の数値の求め方が、そもそも根本的に分かっていないのであろう。
 リスク数値の求め方が全く分かっていなくて、我社は、J-REITや私募ファンドなどの賃貸不動産の評価を多数行っていると豪語する。

 担当不動産鑑定士及び鑑定書発行会社は、J-REITの不動産鑑定評価を多く行っているから、担当不動産鑑定士及び所属する鑑定会社の鑑定評価は適正であるという考え方が根底にあるようだ。

 積み上げ方式のリスク数値の利回りの求め方を全く知らずに、説明すら出来ずに、平然として使用している不動産鑑定士の存在に肌寒さを感じることから、リスク数値の求め方の概要を簡単に下記に記す。

 不動産鑑定の積上げ方式の還元利回り(期待利回りに結果として同じ)の求め方は、事業会社の価格や、工場機械・設備装置の価格を求める時に使われるCAPMの公式を援用したものである。

   CAPM利回りE = I1+β(M−I2)+a

I1 : 無リスク利回り (M−I2): 一般的な株式リスクプレミアム M   : 特定期間に渡る株式市場全体の利回り    I2 : Mに用いられる期間の無リスク利回り β : ベータ値(市場全体と比較した価格変動率の尺度) a : 特定企業リスク調整

 上記CAPMの公式を不動産還元利回りに置き換えて考えると、下記のごとくとなる。但し、これは私の考え方である。
            I1    : 無リスク利回り = 10年物国債利回り
            M   : 特定期間に渡る賃貸不動産全体の利回り
          I2    : Mに用いられる期間の国債利回り
            β     : 賃貸不動産市場全体と比較した利回りの変動率の尺度
            a     : 特定賃貸不動産のリスク
            b     : 当該不動産の属する地域のリスク
            c     : 当該不動産の所有する個別的リスク
とすると、
            不動産還元利回り=I1+β(M−I2)+a+b+c
の公式となる。

 β値、(M−I2)、a、b、cの値は、数多くの賃貸不動産のデータ分析によって求められるものである。
 特にMは、あらゆる賃貸不動産の利回りから求められるものである。
 ホテル、事務所ビル、マンション、アパート、店舗、ショッピングセンター、工場、倉庫等、用途ごとの、かつ北海道から沖縄まで日本全国に存在する賃貸不動産の利回りである。
 これらのデータ分析によってM値が求められ、M値よりβ値が求められる。そして、a、b、cの値も求められることになる。
 これら数値を決定するには、しっかりした理論の論文の存在と莫大な利回りのデータが、それもごく直近のデータが必要である。
 そうしたことによって、積み上げ方式の不動産の還元利回りが求められるものである。

 現在、日本において、CAPMを応用した不動産還元利回りは完成されている段階ではないし、β値、M値、a、b、cの値も全く未完成であり、発表されていない。

B 借入金割合と金利で求める利回りに疑問あり
 還元利回り、期待利回りを、借入金割合と借入金利で求める方法がある。
 その求め方で求められた利回りで、価格や賃料を求めた鑑定書を多く見かける様になった。
 それは、次の様な利回りの求め方である。

 算式は、
    (借入金比率×借入金利)+(自己資金×自己資金期待利回り)
である。

 例えば、数値を次のごとくとする。

 借入金比率(割合)を60%とする。
 自己資金比率(割合)は、40%(100%−60%=40%)となる。
 借入金利を3%とする。
 自己資金期待利回りを5%とする。

 上記数値を算式に代入すれば、還元利回り、期待利回りは、次の通り求められる。
    (60%×3%) + (40%×5%) = 3.8%
 3.8%として、利回りが求められる。

 この3.8%で純賃料を割れば、収益価格が求められる。
 基礎価格に3.8%を掛ければ、純賃料が求められる。この純賃料に必要諸経費を加えれば、家賃(積算賃料)が求められる。
 この様にして、価格、賃料が求められるのである。

 私は、こうした借入金割合と借入金利で求める還元利回り、期待利回りの求め方に、甚だしく疑問を持つ。
 私は、利回りは、その不動産が所在する地域の地域要因(地価水準、賃料水準を含む。以下同じ)そして土地建物の個別性等が反映されて形成されるものであり、地域要因、個別性の要因を抜きにしては形成されるものではないと思っている。
 上記借入金割合と借入金利等で決められる利回りには、その不動産の所在する地域要因、個別性が全く反映されない。
 その求められる利回りは、日本全国どこでも同じであり、どんな地域に所在する不動産でも同じである。どんな賃料水準の地域でも同じである。どんな地価水準の地域でも同じである。
 そうした地域要因、個別性を無視して、地域要因、個別性が強い不動産の価格や賃料を求めるべきでは無いと、私は思う。

 ある貸ビルが、7.8億円で求められている不動産鑑定書があった。それは収益価格を採用した価格であった。  還元利回りは、借入金割合、借入金利等の前記の例で示したものと全く同じやり方と数値で、3.8%と求められていた。
 その貸ビルの年間収入は3,500万円である。
 中古ビルであり、経済的残存耐用年数は10年であった。
 必要諸経費は、525万円である。
 純収益は、
       3,500万円−525万円=2,975万円
である。

 鑑定評価額は、
       2,975万円÷0.038≒78,000万円
である。

 では、この求められた不動産価格78,000万円を是として、その不動産価格の60%を借入金とし、金利を3%として、78,000万円が適正であるかどうか検討する。

 78,000万円の金額は、3.8%の還元利回りで求められたものであり、その3.8%の利回りは、購入金額の60%を借入金とすると云って求められた利回りである。
 購入金額は、求められた78,000万円となることから、借入金は、その60%ということになる。
 借入金60%の金額は、
      78,000万円×0.6=46,800万円
46,800万円である。

 借入期間は、残存経済的耐用年数から、10年とする。
 金利は3%である。
 借入金(元金)と金利の返済は、住宅ローン返済でよく使われる元利均等償還とする。
 金利3%、期間10年の元利均等償還率は、0.11723である。
 これは金利3%、返済期間10年で、1円借りたら、毎年払う金額は0.117円ということである。
 本件の借入金60%、46,800万円を、元利均等で10年間で支払い終えるための毎年の支払額は、
      468,000,000円×0.11723=54,863,640円≒54,860,000円
である。

 ここで、78,000万円と求めた鑑定書に戻る。
 その鑑定書の純収益(運営収益)は、2,975万円である。

 上記純収益2,975万円は、元利均等支払額である5,486万円に満たない金額である。
 つまり、年間純収益で、借入金元金と金利を支払うことが出来ない。
 賃料総収入は、3,500万円である。賃料総収入の金額ですら、借入金元金と金利が返済出来ないのである。

 この鑑定書では、何処の金融機関から借入を考えているのか知らないが、都市銀行では46,800万円を貸し出さない。
 別の金融機関が貸し出したとしても、返済が滞ることから、2年目で設定抵当権による強制債権回収の法的処置がなされ、競売に付されることになる。

 借入金60%、金利3%から求められた3.8%の還元利回りは、借入金が返済出来ない事態を招くという甚だしく杜撰な想定の還元利回りということになる。
 その様な還元利回りで求められている収益価格及び鑑定評価額をいくら適正であると云っても、適正と認められないであろう。

 借入金割合、借入金利から求める還元利回りは、その設定条件で借入した場合、借入金が返済出来ない事態を招くことも有り得る。
 こうした求め方は、止めた方が良い。(1回目終了 (2)に続く)

****



  鑑定コラム1817)
「千葉県不動産研究会での正規分布・回帰分析の講演」

  鑑定コラム1679)「2017年千葉県不動産研究会の講演」

  鑑定コラム1975)「講演「還元利回り・期待利回りの求め方」の内容(2)」

  鑑定コラム1976)「講演「還元利回り・期待利回りの求め方」の内容(3)」

  鑑定コラム1977)「講演「還元利回り・期待利回りの求め方」の内容(4)」

  鑑定コラム1978)「講演「還元利回り・期待利回りの求め方」の内容(5)」


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