○鑑定コラム
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レオパレスの2020年3月期の第1四半期(2019年4月〜6月)の報告書が公表された。
3ヶ月前の2019年3月決算書では、「現金・預金」は845億3600万円であった。3ヶ月後の2019年6月末では、「現金・預金」は713億900万円となった。
もの凄い勢いで「現金・預金」が、流失している。
3ヶ月の間に、132.27億円(713.09億円−845.36億円=▲132.27億円)減少した。
1ヶ月で44億円の減少である。この調子で現金・預金が減少すると、16ヶ月(713.09÷44=16.2)で現金・預金が無くなってしまうことになる。その様なこと起こらないであろうと思うが、それは分からない。
鑑定コラム1903)「レオパレスの受注高が激減している」で、レオパレスの2019年3月までの受注額を記した。
2019年2月以降の受注額と入居率を、下記に記す。一部数値が鑑定コラム1903)と異なっている。
受注額 入居率
2019年2月 2,157百万円 85.57%
2019年3月 2,403 84.33%
2019年4月 1,089 82.35%
2019年5月 927 81.95%
2019年6月 763 81.40%
2019年7月 263 80.67%
2019年8月 378 80.21%
2019年8月の一ヶ月受注額は、3億7800万円である。一年前の2018年8月の受注額は、55億9900万円であったから、対前年比6.8%である。対前年比▲93.2%減の受注額である。この金額で従業員の人件費を果たして賄えるであろうか。
サブリースアパートの入居率が、いよいよ80%に近づき、2019年8月には80.21%になった。
2019年6月4日の日本経済新聞は、アパートのサブリース業者で建築基準法違反で問題を引き起こしたレオパレス21の新社長になつた宮尾文也氏にインタビューし、紙面の4段をさいて、そのインタビュー記事を載せていた。
インタビュー記事の見出しは、「新規の営業今期は停止」である。文脈途中の小見出しには「入居率回復見通せず」がつく。
記事の内容は、見出しの通りの内容である。
その中で、1つ目に止まった文章があった。それは、下記の文言のものであった。
「レオパレスは入居率が80%を下回れば、資金が流出する逆ザヤに陥るとされる。」
レオパレス21は、土地所有者に、賃貸アパートを建てさせ、それをある期間に渡り一括借り上げするというサブリース事業を営んでおり、それが主たる事業である。
その際、アパート所有者より借り上げるに際して、サブリース料金を決める必要がある。
それは、そのアパートの満室状態での賃貸収入の何%にするというものである。
例えば、満室状態の賃料収入の85%とした場合、空室が生じてもアパート所有者には、満室状態の85%のサブリース賃料が手に入るということである。
上記引用記事によれば、レオパレスは入居率80%を切ると、資金が流出するという。
2019年8月の入居率は、80.21%であり、資金の流出は生じていないことになる。資金の流出ギリギリの状況にある。
資金が流出すると云うことは、必要諸経費が収入を超過し、持ち出しが出るということである。
つまり、利益が出て来ないということである。
このことを考えると、レオパレスのサブリースの利益率は20%と云うことになる。
アパートのサブリース料金は、満室賃貸収入の80%で契約されているということを覗い知ることが出来る。
鑑定コラム1903)「レオパレスの受注高が激減している」
鑑定コラム1991)「レオパレス ホテル等所有不動産売却」
鑑定コラム1996)「 レオパレス入居率79.49% ついに80%を切った
」
鑑定コラム2007)「レオパレス入居率79.21% 2019年11月」
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