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1989) ゴルフ場売買例

 ゴルフ業の情報会社である一季出版株式会社(東京・日本橋馬喰町)の調査によれば、最近のゴル場の売買価格の分かったゴルフ場売買事例は、下記である。

 売買価格は約の金額である。

 u当り単価は、売買価格を土地面積で除した価格である。

 この価格には建物価格等が含まれていることになるが、それらは無視することとする。u当り価格の計算は田原による。


  ゴルフ場名 所在県 平成年月 面積u 総額 約 円 u単価 円
1 クリスタルゴルフ 群馬 平成29年1月 770000 333330000 433
2 フジ天城GC 静岡 平成29年2月 2120000 800460000 378
3 新・西山荘カントリークラブ 茨城 平成28年11月 1190000 730000000 613
4 西東京ゴルフクラブ 山梨 平成28年11月 1550000 833000000 537
5 鹿島の杜カントリークラブ 茨城 平成28年9月 940000 1550000000 1649
6 水府ゴルフクラブ 茨城 平成28年3月 920000 500000000 543
7 越前カントリー 福井 平成27年10月 1150000 370000000 322
8 鷹彦カントリー 茨城 平成27年6月 1230000 156000000 127


 上記8ゴルフ場の売買事例の土地価格の平均は、u当り575円(標準偏差460)である。

 ゴルフ場の市場性ある土地価格というものは、上記程度の価格である。

 都市近郊のゴルフ場ではu当り1,000円程度のゴルフ場もある。

 但し、東京の小金井カントリーなどは、東京郊外とはいえ、住宅地の中にあり、周辺土地価格は坪当り100万円近いことから、上記の価格水準にない。

 固定資産税の適正な時価については、最高裁判所が平成15年6月26日(民集57巻6号723頁、判タ1127-276)に次のごとく判示した。

  「適正な時価とは、正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうと解される。」

 即ち、不特定多数の人々の間で自由に取引されたことによって決められる価格が客観的な交換価値であり、それが適正な時価というのである。

 u当り575円は、ゴルフ場の不動産市場において形成された経済価値と判断される価格である。つまり適正な時価といえる。

 適正な時価とは、不動産鑑定評価の云う適正価格と同じ概念である。

 u当り575円は平均であるから、これに標準偏差1倍の460を加える。

      575+460=1,035円

 u当り1,035円が確率68%の範囲で出現する価格である。この価格内でほぼゴルフ場の68%の価格が存在するということである。

 この価格が適正な時価の上限と考えられる。

 固定資産課税価格は、適正な時価の7掛けと決められている。

      1,035円×0.7=725円

 725円が課税標準価格となる。

 これに0.014を掛けたのが固定資産税である。

      725円×0.014=10円

 ゴルフ場の固定資産税は、u当り10円程度である。

 ゴルフ場経営の企業は、自分の会社が支払っているゴルフ場の固定資産税を一度みた方がよい。

 10円を大きく越えている場合は、課税している役所に「うちのゴルフ場の固定資産税は少し高いのでは無いのか」と聞いて見ることである。


  鑑定コラム174)
「ゴルフ場の固定資産税は高すぎる」

  鑑定コラム933)「ゴルフ場クラブハウス固定資産税価格58%の需給事情修正を認める判決」

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  鑑定コラム1519)ゴルフ場の地代は年間u211円

  鑑定コラム1987)「令和元年10月1日アクセス統計」


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