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2291) 菅首相 自民党総裁選立候補せず 日経平均株価 584円高

 菅首相が、2021年9月12日(日)告示、9月29日(水)投開票の自民党総裁選挙に立候補取りやめると、2021年9月3日(金)の午前11時過ぎの自民党臨時役員会で表明した。

 それまで、何度も総裁選に出ると自ら云い、下村博文政調会長が同総裁選に出ると表明すると、同政調会長を呼び付けて、総裁選に出るのであれば、党役員を辞めろと脅し、総裁選出馬を断念させた。

 その菅首相の行為を見て、菅首相は総裁選にでて、選挙に勝てる自信があるのだなと私は思っていた。

 しかし一方、ここ数日、毎日急に小泉進次郎氏と長時間会っているという新聞の記者報道の記事が引っかかった。

 小泉進次郎氏は環境庁長官であり、菅首相と会うことは何も不思議なことではない。しかし、ここ数日毎日、長時間会っていることが不思議であった。

 その証拠を、時事通信の首相動静報告記事から、小泉進次カ氏と首相との会談時間を示す。

   2021年8月25日(水) 無し
   2021年8月26日(木) 無し
   2021年8月27日(金) 無し
   2021年8月28日(土) 無し
   2021年8月29日(日) 無し
   2021年8月30日(月) 午前11時54分〜午後0時4分 小泉環境相
   2021年8月31日(火) 午後2時51分〜午後3時6分 小泉環境相
   2021年9月1日(水) 午前10時34分〜午前11時7分 小泉環境相
   2021年9月2日(木) 午前10時34分〜午前11時9分 小泉環境相

 8月30日に小泉進次カ環境相と会談が始まり、それが連続4日も続き、時間は長い。

 総理大臣と2分の会談をとるのさえ大変である。それすら出来ないのが普通である。

 それが10分〜30分時間を割いているのである。異常であり、何かあると見るのが当然であろう。

 私は、首相官邸の時事通信の首相動静を見て何かあるなと判断していた。

 小泉進次カ氏の行動を訝っていたが、まさか菅首相が9月3日の午前中の自民党臨時役員会で重大な発言をするとは予想もしていなかった。前日まで総裁選にでると発言し、その為の行動を精力的にしていたのであるから。

 9月3日の午前中の菅首相の時事通信の首相動静を見てみると、下記である。

****


  午前7時49分、東京・赤坂の衆院議員宿舎発。
  午前7時54分、官邸着。官邸の敷地内を散歩。
  午前9時9分から副官房長官、首相補佐官と打合せ(詳細省略、田原)。
  午前10時2分から同8分まで、閣議。
  午前10時9分から同11分まで、麻生太郎副総理兼財務相。
  午前10時12分から同13分まで、茂木敏充外相。
  午前10時26分から同45分まで、地球温暖化対策推進本部。
  午前11時13分、官邸発。
  午前11時16分、自民党本部着。
  午前11時17分から同30分まで、同党の二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理。
  午前11時34分、同党臨時役員会開始。
  午前11時40分、同党臨時役員会途中退席。
  午前11時41分、同所発。
  午前11時45分、官邸着。

****


 上記午前11時34分に自民党本部で開かれた自民党臨時役員会の席で、菅首相は自民党総裁選挙に不出馬すると伝えた。

 自民党臨時役員会は、菅首相が総裁選に立候補しないと宣言するための役員会であったのである。

 この報が東京証券取引市場に伝えられ、日経平均株価終値は、前日比584円60銭(2.05%)高の2万9128円11銭で取引市場は終えた。

 日経の株式概況氏は、「昼ごろに菅義偉首相が自民党総裁選挙への出馬を見送る意向を表明したと伝わると、日経平均は先物主導で上げ幅を急拡大した。」と市場の様子を記述する。

 自民党総裁選不出馬ということは、菅首相は辞め、首相交代があるということである。

 株式市場は、菅首相退出を歓迎したと云うことになる。

 菅首相が自民党総裁に選ばれた時、東証株価は▲104円下落を示した。菅内閣を株時市場は歓迎しなかった。

 辞めることがわかった今回も、株式市場は584円高で辞めることを歓迎する。

 株式市場は、菅首相に冷たかった。

 もっとも菅首相は株式が高騰する様な政策を行ったのだろうか。その疑問の方が大きい。

 優れた経済政策を行わなければ、株式市場から退出歓迎されるのは当然であろう。

 岸田総裁選候補が二階幹事長の5年と長く続く幹事長職務を批判するごとく、「党役員任期は1期1年、連続3年」を打ち出した。

 二階幹事長の5年の長きの幹事長独占に批判が当たると、菅首相は二階幹事長と会い、次は止めてくれと云い、二階氏もそれに同意した。しかし二階氏は面白く無いであろう。

 総裁選については、早々と菅支持を明言していた。それを幹事長を辞めてくれという。誰に首相にさせてもらったのかと云いたくなるであろう。

 菅首相は、総裁選前に党役員人事の刷新を口にし、あまつさえ衆議院解散を考え出した。

 11月に衆議院の任期が来る、今更、解散総選挙もあるまい。8月22日の横浜市長選挙は、菅首相のお膝元であるにもかかわらず大敗した。

 これまでの地方選挙でことごとく自民党は選挙で負けている。

 内閣支持率は、毎日新聞の調査では26%と今迄で最低の支持率となった。

 今総選挙をやれば、若い自民党の国会議員は落選するという危機感が芽生えたであろう。

 それは菅離れの心境である。

 小泉進次カ氏の4日間の長い菅首相との官邸での会談は、菅首相の総裁選出馬断念の説得であったようである。

 小泉進次カ氏の役割がそれであったとすれば、菅首相は、現実の具象について,自身の認知化と他人の認知化との間にかなり差があり、また周辺の人々がどう考えているのかと云うことがはっきりと分析出来ない、いわば自己中心の考えの人と云うことになる。

 オリンピック、パラリンピックを開く事ばかり考え、新型コロナウイルス感染に対して、口先ばかりで何もやっていなかった。ワクチン接種をやったと云うけれども、未だ国民全員は打ち終わっていない。

 コロナウイルスにかかったら、PCR検査もなかなか受けられず、やっと受けられて感染していると分かっても病院にも入院出来ず、自宅療養と云う名の自宅放棄で治療も受けれられず、治療薬も与えられず、重症化し、死亡する事になる。

 その様な政策は当然と云うがごとく行っている菅首相そして自公政権の長期化に、国民は怒っている事が本当に分かっていない。

 そうしたものの考え方で、安倍内閣の官房長官として、安倍首相の悪行を悪行と分からずに見てき、それを手助けして来たのであろう。

 毎日新聞社の内閣支持率26%には、それ等の要因も含まれている。

 前記したごとくコロナウイルスにかかったら、治療も受けられず、治療薬も全く与えられず、自宅療養という名前の自宅放棄でコロナウイルス感染症が重篤化し、死亡したとなった場合、残された家族から未必の故意で訴えられる可能性だってありうると私には思われるが。その危機感が都知事共々菅内閣及び自公政権にあるのであろうか。
 
 多くの国民に、第2次世界大戦以来初めて、息を吸うすぐ傍に、死への道が潜んでいるのでは無いかと恐れおののいて日常生活を過ごさせる政が歓迎されるハズがない。


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