プログレス社から『賃料(地代・家賃)評価の実際』の本名の著書が発行された。A5版、ハードカバーで376頁の書物です。
前著『賃料<家賃>評価の実際』のうち、基礎価格の土地建物の評価部分をカットし、家賃評価部分に手を加え、地代評価の部分を書き下ろしで付け加えて一冊の本になっている。
地代の評価、新規家賃の評価、継続家賃の評価という賃料評価を全てカバーする本となった。
実務で賃料をどの様にして求めているか、具体的にその求め方を説明している内容の本である。
不動産鑑定評価基準の賃料基準部分を手厳しく批判している部分もある。
鑑定理論、求め方は常に進歩の過程にあるものであり、15年前に改正されたものが、現在においても全て正しいというものでは無い。時代の変化と共に賃料理論も求め方もどんどん進化、進歩している。
不動産鑑定評価基準の賃料基準部分のある部分は、実務とかけ離れた空論的な部分や間違っている個所もある。それらの個所を指摘し、どう基準をよりよく改定していくべきかということを、実務から見た目線で理論を展開している。
私の理論展開に首肯出来るところも、或いは首肯出来ないところもあろうと思われるが、それらはまず本著書を読まなければ分からないことである。
前著の書物は多くの人に購入して貰ったが、買い損ねた人も多かった。
特に若い不動産鑑定士の中に多く見られた。
2次試験、3次試験に忙しくて賃料の勉強どころでは無かった人が、試験に合格して実務に携わり、特に賃料評価に直面した時に、どの様にして賃料を求めるのか全く分からないという経験をしたようである。先輩に聞いても分からない。何か賃料に関する実務書は無いかと探して、私の著書の存在を知ったが、絶版で手に入らないという人が多くいたようである。
鑑定評価基準を解説した程度の賃料についての本はあるが、その程度の書物の知識では、継続賃料のしっかりした鑑定書など書くことは出来ない。
腕の良い弁護士にかかったら、その様な継続賃料鑑定書は血祭りに上げられてしまう。
本書は法廷で弁護士に批判され、或いは準備書面で間違っている、不当鑑定だと不本意に書かれ、又、判決でたたかれ、或いは不勉強な不動産鑑定士に批判された内容に対して、それらの考え方は間違っている正しいのはこうだと例示して自分の考えを主張しつつ、再考して書かれた内容が殆どである。
不動産鑑定は専門家の意見であり判断だと云う人が多いが、今時そんな甘ちょろい論理は通用しない。データで実証される客観的な判断であり意見で無ければ、信頼性は無い。
期待利回り6%を採用するならば、何故6%なのだ。そのデータ根拠・求めた客観的な合理的判断根拠を示せという反論が出される時代である。不動産鑑定評価は実証科学の分野に属するものであり、実証性が大切である。
そうした実証性の考えに立って本書は書かれている。
不動産鑑定士・弁護士の方々は、手許に一冊おいていても良い本と、著者は自画自賛して購入を勧める。
書店の店頭には2005年12月の第2週目頃にでるという。
但し文芸書ではなく専門書であるから、店頭にうずたかく積まれて販売される書物では無い。加えて、配本する書店も丸善、書泉グランデ、紀伊国屋書店、三省堂等の大きな書店にしか配本されない。
最寄り書店に注文するか、発行元のプログレス社に直接購入申し込みをされたい。
頒価は4200円+消費税+送料です。
書店での書物注文の本番号は、
ISBN4-901431-39-0 c2034 ¥4200E
です。
プログレスの電話番号、FAX番号、Eメールアドレスはつぎの通りです。
電話 03-3341-6573 FAX 03-3341-6937
Eメール info@progres-net.co.jp
前著はアマゾンでも取り扱ってくれ、インターネットで購入申し込みが出来ました。
今度の新著も取り扱ってくれると思いますが、私にはその取り扱いの仕組みがどうなっているか分かりませんから、何とも言えません。
紀伊国屋書店のブックウエブには、下記著書名をクリックすれば繋がります。
『賃料(地代・家賃)評価の実際』
鑑定コラム359)「著書『賃料<地代・家賃>評価の実際』の増刷」
鑑定コラム551)「著書『賃料(地代・家賃)評価の実際』が3刷」
鑑定コラム552)「著書『賃料(地代・・・・』のはしがき」
鑑定コラム898)「著書『賃料<地代・家賃>評価の実際』4刷発行」
鑑定コラム1553)「脱稿・改訂増補『賃料<地代・家賃>評価の実際』」