○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

2511) 東京商業地価上昇鈍る 地価LOOK令和4年第3四半期

 国土交通省が、土地価格の予測として土地の高度利用地区の土地価格を調査し、発表している。通称「地価LOOK」と呼ばれるものである。

 地価LOOK調査は年4回、四半期ごとに行われている。三大都市圏と地方圏と分かれて発表されている。但し傾向値の結果をDI値としては発表していない。

 調査結果をDI値として求め、グラフ化して発表しているのは私の思いつきであり、私だけである。

 地価LOOK調査設定地点は、高度利用の地域の商業地と住宅地区に設定されている。

 東京を中心とする地区は、「東京圏」として発表されている。

 東京圏は、埼玉・千葉・東京・神奈川の地域を云い、地価LOOK調査地点数は2022年第1四半期から、以前は43地点であったが、35地点となった。そのうち東京地区は、以前は25地点だったが、2022年第1四半期から21地点になった。

 東京地区21地点のうち、商業地は18地点から16地点になった。無くなった地点は、日本橋商業地と赤坂商業地である。

 東京商業地の令和4年第3四半期の地価の動きの一覧は、下記である。

 一覧の矢印は、↑が地価上昇、→は地価横ばい、↓は地価下落を意味する。


地域 令和4年第1 令和4年第2 令和4年第3
丸の内
有楽町・日比谷
銀座中央
八重洲
六本木
虎ノ門
新宿三丁目
歌舞伎町
渋谷
表参道
池袋東口
上野
品川駅東口周辺
青海・台場
中野駅周辺
立川


 令和4年第3四半期で上昇の地域地域は、銀座中央、八重洲、虎ノ門、新宿三丁目、渋谷、池袋東口、上野、中野駅周辺の8地域である。池袋東口は横ばいから上昇に転じた。

 地価横ばいの地域は、丸の内、有楽町・日比谷、六本木。歌舞伎町、表参道、池袋東、品川駅東口周辺、青海・台場、立川の8地域である。立川は上昇から横ばいに転じた。

 値下がりしたのは0地点で、前期は六本木が1地域あったが、六本木は横ばいに転じた。

 令和4年第3四半期の東京商業地の地価変動状況をまとめると、下記である。()内は前期の地点数である。

       上昇    8(8)
       横ばい     8(7)
       下落    0(1)
              計     16

 前期唯一の地価下落地域であった六本木が、地価横ばいに転じた六本木地域について、地価LOOKを調査した不動産鑑定士の担当者は、同地価LOOK調査報告書の「各地区の詳細情報」の中の「不動産鑑定士のコメント」欄P38に次のごとく述べている。

   「当期のオフィス賃料は横ばい傾向で推移した。・・・・・・当期の店舗賃料は横ばい傾向で推移した。・・・・投資需要は底堅く、取引利回りは横ばい傾向で推移した。・・・・優良物件の供給は限定的で、これら需要者の取得意欲は底堅く、当期はオフィス賃料が横ばい傾向で推移したことから、当期の地価動向は横ばいで推移した。」
(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001572149.pdf 「主要土地の高度利用地地価動向報告〜地価LOOKレポート〜」令和4年第3四半期 国土交通省地価調査課 P38)
 
 東京商業地の地価DI値は、下記である。
                     8−0
                ──────  × 100  = +50                        
                     16
 東京商業地の地価DI値は、+50となり、前前期は-6であり、前期は+48であった。地価上昇の勢いは急ブレーキが掛かり鈍化して来た。

 令和元年から令和4年第1四半期までの、四半期ごとの東京商業地の地価LOOKのDI値を求めると、下記である。
      令和元年第1四半期    94     
      令和元年第2四半期    94     
      令和元年第3四半期    94     
      令和元年第4四半期    94     
      令和2年第1四半期    78     
      令和2年第2四半期   −22     
      令和2年第3四半期   −44     
      令和2年第4四半期   −56     
      令和3年第1四半期   −50     
      令和3年第2四半期   −50     
      令和3年第3四半期   −56     
      令和3年第4四半期   −33     
      令和4年第1四半期    −6     
      令和4年第2四半期    +48
      令和4年第3四半期    +50
     
 東京の商業地は、令和2年にDI値が+94から一気に-56まで下落した。

 令和3年から回復傾向になり、令和4年第1半期にはDI値は-6となり薄日が差し込んできた。

 そして令和4年第2四半期は、薄日のDI値0を一気に突き抜け、太陽が明るく輝くDI値+48となる。東京商業地の地価上昇の地域が急激に拡大した。

 しかし、令和4年第3四半期はDI値は+50となり、前期の勢いに急ブレーキがかかり、上昇は鈍化した。

 上記数値をグラフにしたのが、下図である。




東京商業地DI値 令和4年第3





  鑑定コラム2407)「地価LOOK 東京圏令和4年第1四半期地価DI値は+45」

  鑑定コラム2406)「地価LOOK全国の2022年第1四半期のDI値は前四半期より+3」

  鑑定コラム2453)「東京商業地価上昇地域の拡大が激しい 地価LOOK令和4年第2四半期」

  鑑定コラム2500)「地価LOOK全国の2022年第3四半期の地価 DI値+80」

  鑑定コラム2637)「東京商業地地価DI値63 地価LOOK令和5年第2四半期」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ