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2607) 東京・帝国ホテルの客室料金過去最高47,989円、経常利益16.52億円(2023年3月期)

 帝国ホテルの2023年3月期の決算に伴う株主事業報告書を見た。

 それによれば、令和4年(2022年)4月1日〜令和5年(2023年)3月31日迄の帝国ホテルの売上高は、前年売上高(28,317百万円)の53%増の437億72百万円となって、良くなってきた。

 前期は、▲7,945百万円の損失であったが、今期は、利益計上となり、経常利益16億52百万円となる。

 過去の売上高と経常利益・損失の推移は、下記である。

                          売上高              経常損益
   2019年3月期    57,973百万円           5,160百万円
   2020年3月期    54,041百万円           3,394百万円
   2021年3月期    21,783百万円         ▲7,972百万円
   2022年3月期    28,317百万円         ▲7,945百万円
      2023年3月期    43,772百万円          1,652百万円

 東京本社、大阪のホテルの売上高、客室稼働率、一室料金は、下記である。
                     売上高           稼働率         一室料金
 東京本社・2022年3月    3,582百万円        26.5%        43,902円
            2023年3月    6,802百万円        56.2%         47,989円

 大阪・2022年3月          525百万円        16.2%        23,376円
        2023年3月        1,117百万円        31.4%         25,809円

 東京本社、大阪の部門別の売上高は、下記である。単位百万円。()内は前期数値である。
                   東京本社                大阪
   宿泊部門     6,802(3,582)              1,117(525)
      食堂          5,751(3,419)              1,022(707)
      宴会          9,252(5,428)              2,868(1,938)
      外販          3,320(2,871)                -  ( - )
      賃貸事業      4,673(4,709)                -  ( - )
      その他        5,419(2,898)               1,637(1,180)
       総計        35,220(22,909)              6,645 (4,352)

 (注) 部門別の金額を合計しても、売上高総計とは一致しない。

 上記部門別の売上高を見ると、東京本社、大阪共に主部門であるべき宿泊部門の全売上高に占める割合は小さい。

 宴会の売上高が宿泊部門の売上高を遙かに凌ぎ、大阪では宿泊部門の2.57倍、東京では1.36倍である。

 東京では、賃貸部門が46.73億円の売上高である。浮き沈みの激しいホテル売上高に比し、毎年一定の収入を確保している。ビル賃貸事業が帝国ホテル経営を支えていると云っても良い。「非常時の賃貸ビル収入」というホテル事業の隠れた格言が実証されているようである。

 ホテルの宿泊部門は、昨年、一昨年の惨々たる状態を、乗り越えたと判断出来る。

 東京の宿泊料金は、客室稼働率56.2%になり、1室料金は過去最高の47,989円となった。

 東京駅周辺のビジネスホテルの料金は、朝食付であるが、シングルで2023年3月の料金は、平均で16,379円である。

 中には下記のごとく2万円を越えるビジネスホテルもある。
    ホテルインタゲート東京京橋     21,400円
    イビスタイルズ東京銀座       23,900円
    ホテルサンルート銀座        22,500円

 帝国ホテルの1室は、ツインベッドであり、2人利用の料金である。

 上記ビジネスホテルのシングル料金と比較すれば、帝国ホテルの料金は安すぎると私には思われる。経営者は何をびくびくして安い宿泊料金にしているのか。もっともっと高くても良い。

 過去の帝国ホテル東京本社のホテルの1室料金を、下記に記す。

          平成21年3月期     32,600円
          平成22年3月期     28,400円
          平成23年3月期     25,700円
          平成24年3月期     26,300円
          平成25年3月期     28,487円
          平成26年3月期     28,405円
          平成27年3月期     30,658円
          平成28年3月期          34,357円
          平成29年3月期          36,528円
          平成30年3月期          35,804円
          平成31年3月期          36,045円
           2020年3月期          39,823円
           2021年3月期          43,486円
           2022年3月期          43,902円
           2023年3月期          47,989円



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