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1.丸ビル償却後還元利回り
2024年3月の丸ビルの償却前総合還元利回りは、鑑定コラム2754)で2.51%と求められた。
上記2.51%は、土地建物の複合不動産の償却前総合還元利回りである。償却前の利回りである。
今回の鑑定コラムでは、丸ビルの償却後還元利回りを求める。
丸ビルの2024年3月の総収入は18,805,710,451円≒188.06億円である。
償却前必要諸経費率は総収入の0.275であった。
償却前必要諸経費は、
18,808,710,451円×0.275=5,171,570,374円≒51.72億円
である。
建物価格は516億円である。
経済的残存耐用年数は28年である。
建物減価償却額は、
516億円÷28年=18.43億円
である。
減価償却費を含めた必要諸経費は、
51.72億円+18.43億円=70.15億円
である。
丸ビルの減価償却後純収入は、
188.06億円−70.15億円=117.91億円
である。
丸ビルの土地建物価格は、
土地価格 4920億円
建物の価格 516億円
計 5436億円
である。
丸ビルの減価償却後還元利回りは、
117.91億円
────── = 0.021690 ≒ 0.0217
5436億円
2.17%である。
2.丸ビルの償却後土地還元利回り・償却後建物還元利回り
上記で求められた償却後還元利回りは、丸ビルというビルの利回りであって、丸ビルの土地、建物の個別の償却後還元利回りではない。
丸ビルの土地、建物の個別償却後還元利回りはどれ程か。それを求める。
土地の償却後還元利回りをXとする。
建物の償却後還元利回りは、
X+償還基金率相当
とする。
建物の経済的残存耐用年数は28年である。
平均償却率は、
1/28=0.0357
3.57%である。
この平均償却率を、償還基金率を求める利率に採用する。
償還基金率を求める算式は、
r
───────────
(1+r)のn乗−1
である。但し、r=利率、n=年である。
上記算式のr=0.0357、n=28 代入すれば、償還基金率は、0.021と求められる。
建物の還元利回りは、
X+0.021
である。
土地建物価格と、総合還元利回りとの間には、下記の関係がある。
土地価格×土地還元利回り+建物価格×建物還元利回り
───────────────────────── =総合還元利回り
土地価格+建物価格
土地価格は4920億円である。建物価格は516億円である。
総合償却後還元利回りは、2.17%である。
上記の価格と割合を算式に代入すれば、
4920億円×X+516億円×(X+0.021)
───────────────────── = 0.0217
4920億円 + 516億円
である。
上記算式を解けば、
X= 0.0197
1.97%である。土地償却後還元利回りは1.97%である。
建物償却後還元利回りは、
0.0197+0.021=0.0407
4.07%である。
まとめると下記である。
総合償却後還元利回り 2.17%
土地償却後還元利回り 1.97%
建物償却後還元利回り 4.07%
余談
2024年3月15日に一般社団法人神奈川県不動産鑑定士協会からの依頼で、講演『賃貸事業分析法と継続地代』についての講演を行った。その講演で、減価償却後必要諸経費、減価償却後純収益の重要性を話した。
何故、重要かは各自考えられたい。
答は、鑑定コラム2746)「「賃貸事業分析法と継続地代」神奈川県不動産鑑定士協会講演レジュメ」に記してある。同コラム掲載の講演レジュメを読まれたい。
鑑定コラム2123)「丸ビルの償却後総合還元利回りは1.91%、過剰流動性の危険信号(2020年3月)」
鑑定コラム2122)「丸ビルの賃料は坪当り62,910円(2020年3月)」
鑑定コラム2121)「丸の内地区のビル賃料はu当り11,667円(2020年3月)」
鑑定コラム1937)「丸ビルの土地還元利回り(償却後)は1.8%(2019年3月)」
鑑定コラム2754)「2024年3月 丸ビルの償却前還元利回りは2.51% 2023年3月は2.41%」
鑑定コラム2746)「「賃貸事業分析法と継続地代」神奈川県不動産鑑定士協会講演レジュメ」
鑑定コラム2758)「丸ビルの償却前還元利回りのグラフ 2024年」
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