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2759) 6度目の警告 地価公示価格A鑑定、B鑑定の土地公租公課の金額は同一にせょ


1.同一価格時点の同一土地の土地公租公課は同額である

 地価公示価格の鑑定書が、令和2年頃からネットに公開されるようになった。

 地価公示価格は、2人の不動産鑑定士が同じ土地を1月1日時点の土地価格を評価することになっている。

 商業地の公示地は、比準価格の他に収益価格を求めて2つの価格より求めている。

 収益還元法の価格は、賃料総収入の外に必要諸経費を求める必要性がある。

 その必要諸経費の中に、土地の公租公課がある。土地の公租公課とは、土地の固定資産税、都市計画税である。

 同一土地の1月1日時点と云う同一時点の土地価格を求める訳であるから、2人の不動産鑑定士(先にあるのをA鑑定、後にあるのをB鑑定と呼ぶ)が評価するとしても、土地の公租公課が異なる筈がない。同額であり、そうでなければならない。

 それが何故か土地公租公課の金額が異なっている地価公示価格のA鑑定、B鑑定がある。

 A鑑定、B鑑定の土地公租公課が異なる鑑定評価が行われることは、私にはさっぱり分からないし、理解出来ない。

 何度でも云う。同一価格時点の同一土地の土地公租公課は同額である。

 異なると云う鑑定評価を続けていると、その鑑定評価の信頼性は確実に無くなる。

2.過去5回の警告

 今迄に、地価公示価格の土地公租公課を同額にせょと、過去5回鑑定コラムで警告している。

 その内容を記すと、下記である。

@ 1回目

 1回目は、2022年1月13日アップの鑑定コラム2345)「公示地の土地公租公課は評価する人に拠って違うのか」である。

 下記のごとくのことを記している。

 「最近、同じ公示地の同一時点の地価公示価格の相鑑の鑑定書で、土地の公租公課が倍近くも違う公示鑑定書に遭遇した。

 その金額は記述ミスであろうと思いたいが、令和4年の地価公示鑑定書にはその様なミスが無いように、充分見直して提出して欲しい。」

A 2回目

 2回目は、2022年12月5日アップの鑑定コラム2510)「地価公示価格鑑定書の土地公租公課がA・B鑑定書で違うのはおかしい」である。

 下記のごとくのことを記している。

 「任意で地域を選んで調べてみたが、A・B鑑定書の土地公租公課が違うのが余りにも多くて、あきれてしまい、途中で止めた。

 各地域には地価公示価格評価の幹事がいるはずであるが、その幹事は一体何をしているのか。

 日本不動産鑑定士協会連合会は一体何をしているのか。協会会長、担当委員会会長及び委員は何をしているのか。

 国土交通省の地価調査課は何をしているのか。情報が入っていないのか。全く情報収集をしていないのか。

 土地鑑定委員会の委員である不動産鑑定士は何をしているのか。国交省地価調査課に情報を全く入れていないのか。

 同じ土地の公示地を評価するのに、土地の固定資産税・都市計画税は異なっていても良いと考えているのか。」

B 3回目

 3回目は、2023年1月4日アップの鑑定コラム2529)「 地価公示価格評価担当の不動産鑑定士に2つのお願」である。

 下記のごとくのことを記している。

 「建物価格、必要諸経費の内、土地の公租公課以外は、不動産鑑定士の判断ですから、A鑑定、B鑑定で数値が違っても良いです。

 必要諸経費の中で1つだけ違ってはいけない金額があります。

 それは土地の公租公課(固定資産税・都市計画税)です。

 同じ価格時点で同じ土地を評価するのに、A鑑定、B鑑定で土地の公租公課の金額が違う筈がありません。違っても良いという反論、理論は通りません。」

C 4回目

 4回目は、2023年8月7日アップの鑑定コラム2627)「地価公示価格A鑑定、B鑑定の土地公租公課の金額は同一にせょ 」である。

 下記のごとくのことを記している。

 「何度でも云う。同一価格時点の同一土地の土地公租公課は同額である。

 異なると云う鑑定評価を続けていると、その鑑定評価の信頼性は確実に無くなる。」

D 5回目

 5回目は、2023年11月28日アップの鑑定コラム2669)「自ら不動産鑑定評価を知らない事を自白していることになる 」である。

 4回の警告をしても、一向に直そうとしない不動産鑑鑑定士が少なからずいる事に、私の我慢もそろそろ限界に近づき、遂に、「自ら不動産鑑定評価を知らない事を自白していることになる 」と云うことになってしまった。

 下記である。

 「同じ土地を同一価格時点で評価するのに、土地の公租公課が異なることは無い。

 それがあろうことか、土地の公租公課が異なる地価公示価格の鑑定書がぞろぞろ出て来る。

 その様なことは、不動産鑑定評価の専門家がする行為ではない。

 A鑑定、B鑑定の収益還元法の土地公租公課が異なる評価をすることは、自らが、不動産鑑定評価を知らないことを自白していることに相当する。」

 同一時点で同一土地価格を評価するのに、土地公租公課が異なると云う不動産鑑定書など書いていると、どれ程地価公示価格は適正であると主張しても、土地固定資産税価格が異なると云う非現実の考えを持っている人の鑑定書など適正と云う方がおかしいであろう。

 その様な鑑定に税金を使う政府は何を考えているのか。その様な地価公示価格など必要性は無かろうという意見が出てくるではなかろうか。

3.2024年地価公示の都道府県の最高地価のA・B鑑定の土地公租公課

 鑑定コラムで過去5回地価公示価格のA・B鑑定の土地公租公課は同じであるという警告メッセージをだしたが、どれ程、私のメッセージが伝わっているか、都道府県の最高地価の地価公示価格で調べる事にした。

 都道府県の最高地価の地価公示価格を担当する不動産鑑定士は、その都道府県の幹部クラスもしくはベテランの不動産鑑定士であろう。

 19県で、A・B鑑定の土地公租公課が未だ異なっている。100円の開差も金額の違いである事に変わりは無いことから、異なっているとカウントする。(私の数値の転記ミスがあれば、お知らせ下さい。訂正します。)

 日本不動産鑑定士協会連合会会長は、いつまでこの状況を放置しているのか。

 A・B鑑定の土地公租公課を一致させることが出来ないのであれば、会長を辞められた方が良い。

都道府県名 公示番号 所在地 2024年公示価格 円/u 土地固定資産税 A鑑定 円 土地固定資産税 B鑑定 円
北海道 札幌市 札幌中央5-1 札幌市中央区南1条西4丁目1-1外 6550000 80314400 80314400
青森 青森市 青森5-3 青森市新町1-13-4 196000 954200 954200
岩手 盛岡市 盛岡5-1 盛岡市大通2-3-5 283000 775300 764400
宮城 仙台市 仙台青葉5-1 仙台市青葉区中央1-10-1 4580000 20103400 20103400
秋田 秋田市 秋田5-1 秋田市中通2-8-1 182000 6781900 6781800
山形 山形市 山形5-1 山形市七日町1-2-39 219000 4516700 4516700
福島 郡山市 郡山5-11 郡山市駅前1-6-6 382000 323600 323600
茨城 つくば市 つくば5-3 つくば市竹園1-6-1 345000 22176900 16455300
栃木 宇都宮市 宇都宮5-34 宇都宮市東宿郷1-4-14 408000 4566800 4566800
群馬 高崎市 高崎5-1 高崎市八島町63番1外 513000 1020500 1020500
埼玉 さいたま市 さいたま大宮5-1 さいたま市大宮区桜木町1-8-1 4180000 14893400 14893400
千葉 千葉市 千葉中央5-1 千葉市中央区富士見2-2-3 2400000 4359900 4359900
東京 東京都 東京中央5-22 東京都中央区銀座4-5-6 55700000 147183000 147183000
神奈川 横浜市 横浜西5-1 横浜市西区南幸1-3-1 16600000 149113900 149000000
新潟 新潟市 新潟中央5-2 新潟市中央区東大通り1-2-30 584000 4918100 4851600
富山 富山市 富山5-15 富山市桜町2-1-8 585000 750400 750400
石川 金沢市 金沢5-4 金沢市本町2-16-16 1040000 7205400 7205400
福井 福井市 福井5-3 福井市中央1-10-1 406000 733800 778000
山梨 甲府市 甲府5-5 甲府市丸の内1-7-1 294000 301600 301600
長野 長野市 長野5-2 長野市南長野1970-1 360000 1394300 1992000
岐阜 岐阜市 岐阜5-5 岐阜市吉野町5-17外 674000 8917200 8917200
静岡 静岡市 静岡葵5-1 静岡市葵区呉服町2-6-8 1440000 3432000 3573500
愛知 名古屋市 名古屋中村5-2 名古屋市中村区名駅4-7-1 19500000 1350298900 1052540600
三重 四日市市 四日市5-1 四日市市諏訪栄町6-3 436000 1003700 1003700
滋賀 草津市 草津5-1 草津市大路1-10-1 436000 933700 962400
京都 京都市 京都下京5-1 京都市下京区四条通寺町東入2丁目御旅町51番外 9500000 32107100 32107000
大阪 大阪市 大阪北5-28 大阪市北区大深町4-20 23600000 1690683400 1690683400
兵庫 神戸市 神戸中央5-5 神戸市中央区三宮1-7-5 6650000 30456500 30456500
奈良 奈良市 奈良5-1 奈良市中筋町1-4 830000 1713200 1713100
和歌山 和歌山市 和歌山5-1 和歌山市友田町5-50外 450000 985200 989600
鳥取 鳥取市 鳥取5-3 鳥取市栄町710 117000 93500 96800
島根 松江市 松江5-3 松江市朝日町476-7 171000 691700 691600
岡山 岡山市 岡山北5-7 岡山市北区本町2-1 1780000 3410000 3410000
広島 広島市 広島中5-1 広島市中区八丁堀15-8 3890000 20965100 20965000
山口 下関市 下関5-1 下関市竹崎町4-2-33 181000 982200 982300
徳島 徳島市 徳島5-1 徳島市一番町3-24 368000 513600 513600
香川 高松市 高松5-1 高松市磨屋町2-6 454000 2323100 2323100
愛媛 松山市 松山5-1 松山市大街道2-4-13 852000 700000 700000
高知 高知市 高知5-12 高知市帯屋町1-9−7 265000 547900 547900
福岡 福岡市 福岡中央5-9 福岡市中央区天神1-96-1外 11800000 736848000 831000000
佐賀 佐賀市 佐賀5-10 佐賀市駅前中央1-5-10 272000 2673800 2673800
長崎 長崎市 長崎5-8 長崎市浜町3-25 977000 2070900 2079400
熊本 熊本市 熊本中央5-14 熊本市中央区下通1-3-7 2400000 2359000 2472800
大分 大分市 大分5-37 大分市末広町1-1-32 697000 1923700 1923700
宮崎 宮崎市 宮崎5-1 宮崎市橘通西3-10-37 290000 383000 385700
鹿児島 鹿児島市 鹿児島5-16 鹿児島市東千石町13-19 1150000 2174500 2174500
沖縄 那覇市 那覇5-14 那覇市久茂地3-1-1 2040000 7892200 7892200


  鑑定コラム2345)
「公示地の土地公租公課は評価する人に拠って違うのか」

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